麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣臨時閣議後記者会見の概要

(平成26年12月27日(土)18時54分~19時08分)

【冒頭発言】

先程、臨時閣議において、地方への好循環拡大に向けた経済対策を決定しております。この経済対策は経済の好循環を確かなものとし、地方にアベノミクスの成果を広く行き渡らせるためのものです。このため、経済の脆弱な部分に的を絞って、かつスピード感を持って対応することとして、現下の経済情勢を踏まえた生活者・事業者への支援、次に地方が直面する構造的課題への実効ある取り組みを通じた地方の活性化、3番目に災害復旧・復興加速化等、災害・危機等への対応、この3点に重点を置いて取りまとめております。具体的には地域住民生活等緊急支援のための交付金をはじめとして個人の消費のてこ入れと地方経済を底上げする力強い経済対策になっていると考えております。また規模については国費3.5兆円としております。今回の経済対策に基づいて速やかに補正予算を編成し、年明け1月9日に概算決定を行いたいというように考えております。

【質疑応答】

問)

閣議決定された緊急経済対策についてお伺いしたいと思います。その狙いと効果なのですけれども、消費低迷や円安による物価高に苦しむ国民の生活はこの経済対策でどう変わっていくのか、またその規模が、昨年12月は国費ベースで5.5兆円だったのですけれども、3.5兆円と2兆円ばかり少なくなっているのですけれども、2期連続のマイナス成長から脱するのに十分な規模であるのかどうか、それについて大臣のお考えをお聞かせください。

答)

まずは今回の経済対策というものでは、個人消費というものが問題なので、企業というものの規模は違いますからね、御存じのように。個人の消費の弱さというのが問題なのと、地方において景気のばらつきがあるという点が一番の問題点なのだと理解しています。従って現下の経済情勢を踏まえた生活者・事業者への支援、事業者というのは中小零細企業という意味です、そして地方が直面する構造的な課題へ実効ある取り組みを通じた地方の活性化、これは地方創生と絡んでいますけれども、そういった点を柱として、そのために必要な事業を取りまとめたものです。具体的には地域住民生活等緊急支援のための交付金というものをはじめとして、個人の消費のてこ入れと地方経済を底上げする力強い経済対策になっていると思っております。他方で26年度補正予算及び27年度の予算というものについて、27年度の国・地方の基礎的財政収支の赤字半減目標というものを着実に達成するように最大限努力する必要があるということを考えて、こうした考え方のもとで対策の規模については経済再生と財政再建の両立というものを考えて3.5兆円ということにさせていただいた。25年度は5.5兆円ではないかという話がありましたけれども、忘れてもらっては困るのは、25年度は消費税率の引き上げというのがありましたから、そういったものの反動減を緩和するという目的があって経済対策を作成したと記憶しますので、この27年度の場合は消費税率の引き上げというものは29年度の4月に延期したところでもありますので、両者の額の単純な比較というのはいかがなものかというような感じがしますけれども。

問)

本日の閣議では来年度予算編成の基本方針についても決められております。経済成長と財政再建の両立に向けて初年度となるわけですけれども、大臣としてはどのような形で予算編成を進めていくのか、決意のほどをお聞かせください。

答)

来年度の予算編成においては平成27年度の国・地方の基礎的財政収支、いわゆるプライマリーバランスの対GDP半減目標というものを確実に達成するということにしておりますので、これを最大限努力していかなければならないということなのだと思っています。従って平成27年度の予算につきましては、経済再生のための施策への重点化、それと社会保障の自然増というものを含めて聖域なく取り組み、見直しなど歳出の徹底的な重点化・効率化に取り組んでいくということ、それが基本だと思っていますけれどもね。

問)

来年度税制改正が与党の方で大詰めを迎えております。与党の方で2015年度の法人実効税率の見直しが焦点なのですけれども、来年度は2.51%下げるという方向で最終調整していると聞いております。2016年度までの下げ幅を合わせて3%を超えるという見通しになっているということですが、成長戦略では数年で20%台にすることを目指すとなっておりますが、今回の来年度税制改正でこの達成のメドは立ったというふうにお考えでしょうか。また、来年度、再来年度は財源が少し確保されないままの減税先行となる見通しですけれども、課税ベース拡大など財源の確保についてメドは立っているのでしょうか。その辺のお考えをお聞かせください。

答)

木曜日、25日から自民党・公明党両党による税制調査会というものが再開されて、平成27年度の税制改正のプロセスというものが本格化してきているというように承知しております。法人実効税率の引き下げの幅についての話でしたけれども、課税ベースの拡大によるいわゆる財源確保などが完全に固まったわけではないというこの時点においてコメントするということは差し控えたいと思っています。今月30日の大綱の取りまとめについて、まだ詰めの議論が行われていて、党の方では29、30日と引き続いていろいろ税制調査会の話がやられることになるのだと思いますが、その際には賃上げ等々のいわゆる経済の好循環を後押しするというような視点も重要であろうと思っておりますけれども、同時に2015年度のプライマリーバランスの赤字半減目標との両立を図らなければなりませんので、その点も考えた上で、こうした枠組みの中でうまく着地させていくことにならざるを得ないということで、ここが一番難しいところかなという感じがしますけれども。今はまだ言えるような段階ではありません。

問)

経済対策に関連してなのですけれども、補正を1月9日に概算決定するということなのですが、補正の規模についてはもう大臣の方で固まっていますでしょうか。

答)

それはまだ決まっていません。

問)

自民党の税制調査会では、今日は○×審議という長時間で、ほぼ全ての項目について結論が出たものと、この後のマル政審議に送られたものとが分かれました。最も議論が盛り上がったのはゴルフ場利用税の廃止についてですけれども、額賀小委員長は、これは来年度については堅持するという結論を出しました。ただ、その理由は2つあって、ゴルフ場が自治体と協力して盛り上げている連帯感が必要だと、地方創生の課題にもつながるのでという理由が1つと、もう1つは東京五輪までまだ時間があるということを理由に挙げられています。東京オリンピックで正式種目になるので、それまでは時間があるということを理由に挙げられていますから、そこを考えるとオリンピックまでには廃止も視野にあるのかとも受け取れます。大臣はこれまで総務省所管とは言われながらも消費税率が来年10%に引き上げになれば今廃止するのはタイミングがいいかもしれないという感想を述べられておられました。このゴルフ場利用税の将来の廃止についてはどのようにお考えですか。

答)

オリンピック種目に税金をかけているというのは他にありますかね。あれがどうしてお金持ちのスポーツにしてしまったのだかよく分からないのですけれども。よく我々の町の人が冗談で言う話だけれども、先生、1日遊んで1万円少々で遊べますけれども、パチンコを5時間やって1万円ではもちませんと。1万円突っ込んでも数十分でなくなってしまいますよと。パチンコをやっている人の方が金持ちじゃないのですかねと。反論ができなくて、なるほど、うまいことを言うなと思って聞いていたのだけれども、随分ゴルフというもののイメージは昔とは変わったものになっているのだと思いますけれどもね。ですからオリンピックの種目になるようなスポーツに税金をかけているという方がおかしいのだけれども、地方税は総務省の所管なものだから、こちらもなかなか言えないところなのですが、少なくとも消費税が10月に上がるというのであれば、その分地方にも随分のお金が潤うわけだから、そういった意味では消費税を引き上げる時に外すというのが、一番痛みがないと思って私は来年かなと思っていたのですが、景気等々を考えて1年半ずらすことになりましたので、その意味では今言ったような時期、加えてプライマリーバランスを半分にしますというのを来年度目標にしていますので、ちょっと来年は難しくなったというのが多分その背景なのだと理解しています。ただ、基本的にはゴルフ場利用税を外すというのは、私は流れとして全然おかしくないと思っています。私の場合はゴルフ議連の会長もしているから、財務大臣と兼務なので話が非常に込み入るとよく言われますし、あくまでも総務省の所管の話なので、よく話をしなければいけないものだと思っています。基本的にはスポーツとして正式に取り上げられるオリンピックで税金をかけているというのは常識的にはおかしいなと前から思っていますから、外す方向というのは間違っていないと、会長としてはそう思いますけれどもね。地方の場合、随分変わってきたのですよね。新しくどんどんゴルフ場ができているふうではないでしょうが、今。だから、一時期の頃と今のようにゴルフ場がむしろ減っている時代と少し内容が、情勢も随分変わってきたかなという感じが特にしますけれどもね。

(以上)

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