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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成27年1月20日(火)11時04分~11時22分)

【質疑応答】

問)

いよいよ26日から通常国会が召集されます。予算の早期成立というのが課題になると思いますけれども、財務大臣としてどのような姿勢で国会審議に臨まれるかということをお聞きしたいと思います。特に年度内成立に向けて予算書をもう少し提出することを前倒しできないのかという意見も政府・与党にはあるようですけれども、これに対してそういうことは可能なのかどうか、大臣のお考えをお聞かせください。

答)

姿勢についての方は、この27年度の予算は26年度の補正予算と27年度税制改正と合わせて、経済再生と財政健全化の両立を実現するための予算ということを考えております。次期通常国会は26日から始まりますけれども、26年度の補正予算を含めて一日も早く成立させることが経済の回復等、好循環を進めていく上で非常に大事なところだと思っていますので、アベノミクスの成果を広く早く行き渡らせていきたいと思っています。こういった観点から先週の金曜日でしたね、16日に与党の国対委員長から野党に対して年度内成立に協力してほしいという話をお願いされたと承知していますが、厳しい日程の中でお願いするのですから、政府としても野党の御協力をいただきながら年度内成立を目指していくことになろうと存じます。

もう1点は予算の提出の話ですけれども、予算の概算閣議決定から予算書の提出まではおおむね1カ月が必要とされております。これは御存じのように、予算書は本予算だけで3,500ページぐらい、それから各省の各目明細書だけで約2,000ページ、合計約5,500ページのあの膨大な資料を全部突合していきますので、その突合が外れたりずれたりすることのないようにきちんとしなければいけない。財務諸表の整理等もあり、予算書の説明文だけでも2,000カ所ぐらいかかるという話ですから、ここが一番時間のかかるところで、これを早められるかどうか。1年間ずっと予算書にかかわってきた人だからそれができるのであって、少し人手が足りないからここだけ手を借りて何とかできるなんていう種類の話ではないと思いますので、ここが一番難しいところだと思いますけれどもね。それから、各省とは当然のこととしてその話を全部突合させていかなければいけないということと、全体も校正しなければいけないということもあります。よく言われる印刷で時間がかかっているわけではないので、印刷は合計で4日間ぐらいの話なのだと思いますので、そういったものでいくと努力しても物理的におおむね1カ月は必要なのではないかなと思います。そんな簡単にコンピュータができました、ITでどうだと言っても、人間の作業によって1つずつ各所と突合させていくというところが一番大変なのだと思いますし、説明をしなければいけないという、説明文のところも結構手間がかかると思うので、そんなに簡単にはいかないのではないかなという感じはしますけれどもね。

問)

スイス国立銀行のスイスフランの上限撤廃によってスイスショックと言われる影響が市場に広がっているようです。この影響で、イギリスに本拠を置くFX業者のアルパリという会社が経営破綻をして、日本にもどうも顧客がいるようでして強制的に決済もされたようですけれども、こうした影響を受けたFX取引の顧客に対する顧客保護に対しての金融庁の取組み、そしてスイスフランは国際通貨でもありますので幅広く取引されているわけですが、日本のFX業者又は日本の金融機関に対する経営への影響等について何か金融庁としてどう対応されておられますか。

答)

ロンドンのアルパリ・UK・リミテッドの倒産手続きに関連して、アルパリジャパン株式会社に対して、本社が倒産手続きに入ったので子会社の資産をというような話になると、こちらでFX、フォーリン・エクスチェンジをやっている人達の関係者に資産の保全とかというようなことをしておかないと、こちらでお金をやっている人達に影響が出かねないということで先週の金曜日、新規の取引を中止ということを公表したと承知しているのですが、これは主に関東財務局の仕事なので、関東財務局は国内の投資家保護ということをやるために、金融商品取引法に基づいてアルパリジャパン社に対して資産の国内保有命令とか業務改善命令を出したということなのですけれども、これがそんなに大きな影響が出てくるかというのは、まだ見守らなければいけないところだと思います。けれども、ヨーロッパにおいてはユーロが落ちてスイスフランが急騰したということによって、フォーリン・エクスチェンジをやっている業者の個別金融機関がいろいろ影響があるわけなので、そのことに関してここであの企業はどうだとかといってコメントすることは極めて差し控えますけれども、日本の国内においてその種の話に対する影響というものは極めて限定的と思っていますので、引き続きこういったようなことというのは我々としては、注目して監視を続けておかなければいけないということだとは思っています。

問)

民主党の新しい代表になった岡田さんがアベノミクスに関しては分配の考えが足りないのではないかというようなことを指摘して、国会でも経済政策について論戦をしたいとおっしゃっています。麻生大臣から御覧になられて民主党と自民党の経済政策の違いはどんなところにあるというふうに御覧になられているでしょうか。

答)

はっきり言ってよく分からないです。人によって言うことが違うから。だから民主党のこの人の意見と言ってください。そうしたら答えます。

問)

あえて申し上げます。岡田さんいわく、アベノミクスについては分配の姿勢が足りないという指摘をしているのですけれども、この指摘に対しての麻生大臣の御見解はいかがですか。

答)

分配の視点というのでやれば、基本的には公平とかいろいろな話なのでしょうけれども、いろいろな意味で基本的には今子ども子育て等、低所得者対策を丁寧にやろうとしていますし、税制上の優遇とか、予算上でも給付金等の配慮をやっていますので、民主党だったらどうされるという御意見がおありなのだったら、それは聞かせていただければと思いますけれどもね。

問)

農協改革についてお尋ねします。今日から金曜日まで自民党では農協改革等法案検討プロジェクトチームが開かれています。大臣はこの農協改革についてこれまで経営感覚を取り入れてもらう必要があるとか、単位農協の経営を阻害しないような制度が必要だと前向きな発言をされています。一方で全中の方は今日の会議の前にも出席委員に対して中央会による監査が一番効率的ですとか、組織変換は農家に失望を与えかねませんといった発言を促すようなペーパーをまくなど抵抗の姿勢を見せています。この農協改革はなかなか一筋縄ではいかないものなのか、また改革が実現すれば農業関連予算の歳出面での削減の効果はどの程度期待できるのか、お考えをお聞かせください。

答)

農協中央会の改革に、賛成ですという農協と、全然分かりません、反対、大きく分けて3つですね。賛成している人と賛成していない人が同じ県内でもいたりして、私達はよく歩いているから、そういう人達の話を直接聞くでしょう。そうすると、例えば1つの町で有機肥料をキロ幾らで売っていますと。ところが隣の町へ行ったらそれより20円安く売っていると。そっちの町へ行って買いたいということをやろうと。当たり前のことですができない。なぜできないか。その農協に属している人しかそこから買ってはいけないというルール。おかしいじゃないかと。競争したら安くなって当たり前でしょうと。お金があるなら、卸のところへ行ってもっと買ってくればいいじゃないかということはできない。だからコストが上がるというような話を、例を挙げれば幾らでも出てくるけれども、そういったようなことができるようにする、農協がいろいろ新しいアイデアをやりますというようなことなので、そういうのがおかしいのではないかといって農協中央会が監査してきますと。何でこっちに売ったのだと。監査権の話になっていると思うので、それは少しいかがなものかなという感じで論点になっているというのは知っていますけれども、活性化につながるというのであれば、私はあの改革は進めてほしいと思いますね、いろいろな意味で。農協でも是非やりたいという人、農協の会長さんは結構いらっしゃいます、農協では。そういった話を聞いていると、どう考えても結構若くて積極的な農協の会長、理事長が結構いるのだけれども、その人達は海外で物を売ろう、九州でみんなでといって団体を組んで海外に農産物をという時には、農協でついてきた人とついてこない人といたのですよね。やっぱりついてきた人は、私達の作ったものがここにきたらこんなに高く売れているのかと。そういう話をやろうという人と、否定的な人達、これは全く分かれているのですよ。今そういう状況ですから、今からどういう話になっていくのかはよく分からないけれども、少なくとも今その辺の段階ですから、まだ予算にどういった影響が出てくるかというような段階に、まだそこまで至っていないと思いますけれどもね。

問)

原油相場の低下について、原油価格の低下についてお伺いします。当然経済には好影響なのですけれども、デフレ脱却という観点から見ると、見かけ上逆戻りしているかのように見えてしまうのですが、これからデフレ脱却という、デフレの払拭という政策目標に向けて今の価格の動きについてどうお考えでしょうか。

答)

金利安、原油安というのは、基本的には日本のように多くの資源を輸入している国にとって、原油が安くなるというのは極めて大きな影響ですし、商売をするにおいても金利が安いのも大きな影響ですし、基本的にはいいことだと思っていますけれども、今言われたように原油が下がるということは、いわゆる輸入物価等を含めて、製造にかかる製造コストは下がることを意味しますので、価格転嫁という点だけを見れば、それはインフレターゲットにとってはマイナス要素であることは確かです。それは間違いないと思いますけれども、ただ、それを超えて経済がどれくらい、それは安くなるにしても経済を成長させていくという面においては大きな要素があると思いますので、それが相互でどういったような形で出てくるかはこれからですね。

(以上)

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