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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成27年3月24日(火)8時54分~9時08分)

【冒頭発言】

本日、「金融商品取引法の一部を改正する法律案」を閣議決定しています。この法律案は、適格機関投資家等特例業務、いわゆる「プロ向けファンド」をめぐる近年の状況を踏まえて、ファンドへの信頼を確保し、成長資金を円滑に供給しつつ、投資者の保護を適切に図っていくため、総合的な対応を図るものであります。投資者被害を適切に防止する方策を早期から講じていくことが必要であることから、今後、国会において、本法案の早期の審議・成立をお願いしたいと考えております。

【質疑応答】

問)

夏までにまとめる財政健全化計画に向けた具体策についてお伺いします。総理は消費税率を10%から更に引き上げることに対して否定的な考えを示されていますけれども、大臣も同じ考えでしょうか。もしその場合、2020年度のPBの黒字化をどのように達成していくのか、大臣のお考えを教えてください。

答)

平成29年4月の消費税率10%への引上げを確実に行うという決意の下で今経済再生・デフレ脱却に全力を尽くしている最中ですが、今年の夏に策定する財政健全化計画に10%からの更なる消費税率の引上げを具体的に盛り込むことは考えていないとの認識を示されたものだと私は理解しております。いずれにせよ今後、経済財政諮問会議等において経済再生や歳出改革をはじめとする計画の具体的な内容を更に深掘りした議論をしていくことになるのだと考えていますので、今の段階では何とも申し上げる段階にはありません。

問)

株価2万円が目前というふうに言われている中で率直な現在の御感想と、株価バブルではないかという指摘もあるのですけれども、これについてどのようにお考えか。

答)

為替・株価等について財務大臣が発言することはないです。

問)

AIIBのことについてお伺いしたいと思います。先日大臣が、条件が整えば日本がAIIBへの加入を示唆したといった報道が出ております。これは日本がAIIBへの参加の積極的な意思表明というふうに受け止めて良いのでしょうか。現在日本政府の中で検討されていますでしょうか。

答)

日本のスタンスというのはこれまでもずっと、この話が出始めたのも去年からですから、参加についてはずっと同じことしか申し上げていないのですが、参加については極めて慎重な立場であります。いずれにせよ重要なことはこれまでも申し上げているように、我々がこれまで申し上げていることがきちんと取り上げられるか、確保されるかどうかを見極めなければいけないということであって、それが確保されたら参加するかなどというのは、それ以上は仮定の質問に対して答えをすることはありません。また、日本としてAIIBに何を言っているかといえば、それは理事会がきちんと個別の案件を調査・承認を行うのでしょうねと。例えばADBとかIMFとか世界銀行と同じようにやるのでしょうねと。それから債務の持続可能性、借りている人の方の債務の持続可能性や環境・社会等に対しての影響を配慮したことを考えてもらわないと、その人達が返済の計画も立てられないままどんどんお金だけ借りて、後で返せなくなりましたというようなことになると、AIIB以外で貸している国も貸している機関もあるわけですから、そういったところが迷惑をすることになりますので、慎重な検討が必要なのではないですかということをこれまでも申し上げてきておりますので、それに対する答えをまだいただいていませんので、その意味においてはこれまでどおりというのが日本の態度です。

問)

中国の財務大臣が先日、西側が示すルールが最善だと思わないといった内容の発言がありました。この発言について日本側はどのように見ていらっしゃいますか。

答)

それは御自分の考えでそう言われたのだと思いますけれどもね。それ以上、特にコメントすることはありません。

問)

アメリカの財務次官がAIIBについて国際金融の強化につながる新しい金融機関であれば歓迎すると。今後共同で融資事業を行うことなども考えられるというふうに発言したということなのですけれども、この御発言についてどのように。

答)

ルールがきちんとしていればアメリカだって私と同じことを言うのですよ。その後の条件、コンディションズがついているでしょう。そこが同じでありさえすれば、それは同様ですよ。インフラストラクチャーの絶対量が足りないということに関しては皆認めているところですから、それにお金を必要とし、それに対して貸せるところ、貸せないところがある。問題は借りたはいいけれども返済するに当たっては、きちんと返済できるためには返済計画に基づいてやっていかないと焦げつく、債務破綻等いろいろなことが考えられますから、そういった意味では、それに対しては慎重でないと、これまで貸している世界銀行とかIMFとか、日本でいえばアジア開発銀行等が迷惑を被ることになります。もちろん個別に貸している国も他にねということなのだと思いますよ。

問)

アジアインフラ投資銀行について2点ほど質問させていただきます。AIIBとADBの2者の関係についてですが、日本政府、あるいは麻生大臣御自身は、この2者の関係をゼロサム的な関係だとして捉えているのでしょうか。もう1点お伺いしたいのは、今まで日本政府としては不参加、あるいは参加に非常に慎重だという立場を表明してきたと思いますが、しかし先週金曜日、繰り返しになりますが、麻生大臣は初めて参加協議の可能性について言及されたと思います。このような変化の理由としては何でしょうか。

答)

ゼロサムゲームかということに関しては、需要が伸びている、お金を借りたいという絶対量が増えているわけだから、それに対して、それを供給する側の話と2つありますよね、お金を借りる側と貸す側ということ。そういった意味においてはゼロサムということはありませんよ。借りる方が増えているのだから。それに対して貸す方のあれを増やさなくてはいけないというのは、ADBにおいても融資の枠は去年から増えているでしょう。だから、そういったようなことを含めてゼロサムなんていう話ではありません。

それから私の発言はどういう具合にとられたか知らないけれども、日本は慎重な態度を言っているのはずっと変わらないのであって、同じことしか言っていない、そう思っていますので、先程言った条件というものを満たせばという話ですから、今全く満たしている風はありませんから、今の段階で、3月31日までに答えをなんていうのだったら、3月31日までにその返答をもらわないとどうにもなりませんね。

問)

先程のゼロサム的な質問についてもうちょっとお伺いしたいのですが、今大臣はゼロサム的ではないとおっしゃったのですが、あるいはAIIBとADBをこれから発足したらどういうふうな関係になってほしいと大臣はお考えでしょうか。

答)

AIIBというものが極めて透明であまりないから、よく見えないですよ、中が。誰がやるの、理事会はどこで決めるの、誰が審査するのということが全く決まっていないで、お金だけありますという話をされても、我々としては、それはちょっといかがなものですかなということになります。ADBと同様にアジアの開発、なかんずくインフラストラクチャーに関して両方で一緒にやっていくというような関係は最も望ましいけれども、ルールが全然違えばそれはなかなかそういったようなことにはならないということだと思いますね。

問)

昨日、会計検査院が原発事故の賠償資金、つまり国の支援の回収について試算をまとめました。政府が保有する東電株を売却して一部回収に充てる計画ですけれども、その株価が今460円台ですけれども、試算では750円に値上がりしたとしても全体の9兆円を回収するまで30年かかるというふうに報告しています。今後更に賠償資金への国の追加支援が必要になってくるとも指摘していますので、財政の歳出の効率化の観点からこの原発事故の賠償資金への予算の使われ方について財務省として見直すような考えはありませんか。

答)

今の段階でまだそこまで詰めていないので、我々としてこういう考え方でやろうと思っていますという案を言えるような段階には今ありません。

問)

AIIBの話に戻るのですけれども、創設メンバーとして参加表明ができるのが一応3月31日までというふうにされていますけれども、日本政府としては参加・不参加を含めて今月末までに何らかの決断をする、何らかの決定を表明するというような理解でよろしいでしょうか。

答)

向こう側から我々の出している問いに対しての答えがない以上は、我々としては参加ということにはなかなか難しいでしょうね。MOUにサインするという話でしょう、あなたの聞いているのは。まだAOAの段階ではありませんから。MOUの段階でしょう、今。だからMOUの段階で我々としては答えが全然分からない間にマルとかバツとか言えるような段階にはないということです。

(以上)

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