麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成27年4月7日(火)8時21分~8時37分)

【質疑応答】

問)

先日2015年度の税制改正の関連法案が国会で成立しました。法人税改革に着手することなどが盛り込まれましたが、配偶者控除の見直しなどは見送りとなっています。政府の税制調査会で今後所得税を中心に議論を再開することになると思うのですけれども、今年はどのようなテーマで議論を進めていくようなお考えか、大臣の御所見を教えてください。

答)

政府の税制調査会で昨年11月に配偶者控除の見直しについても論点整理をまとめたのですが、その中で「所得税・個人住民税のあり方について、幅広い観点から検討を進める必要がある」とされております。そこで、昨年12月の経済財政諮問会議においても人口減少、少子高齢化の進展など、経済社会の構造変化は急速に進んでいるので、税体系の全般にわたる構造改革をやる必要があるのではないかという方向性が示されております。こうした観点を踏まえて今後、政府の税制調査会では配偶者控除等を含めて、個人の所得課税を中心に議論されることになると聞いていますが、いずれにせよ中里会長を初め委員の方々によく御検討をお願いすることになるのだと思います。

問)

一部報道で日中財務対話を6月上旬に3年2カ月ぶりに北京で開催する方向で調整というふうに伝えられております。当然最終的に固まったわけではないかと思いますが、このような方向で検討されているという理解でよろしいでしょうか。

答)

日程調整をやっているのではないかな。6月かとか日にちまで知りませんけれども。

問)

もしその際に、これまで中国に対しては財務対話の再開を呼びかけてきたと思うのですが、もし今後やるということになればどのようなことを中国側と話し合いたいとお考えでしょうか。

答)

今、特にこれという議題を決めているわけではありませんけれども、いろいろアジアの中で大きな経済大国になっていますので、両国間において円と元の話とかファイナンスの話とかシャドーバンキングの話とか、いろいろ話題になるものはいっぱいありますから、そういったようなものについての意見交換をしておく必要があるかなとは思いますけれどもね。

問)

日中財務対話のことなのですけれども、場所は北京で、大臣が行かれる方向で、日程も6日を軸にという話なのですけれども、そういう方向で。

答)

決まっていません。

問)

北京ですね。

答)

そうです。

問)

6日というのは。

答)

日にちは決まっていないと思うけどな。

問)

消費税の軽減税率についてなのですけれども、大臣はこれまでも所得再分配の機能の効果が薄くなるというような趣旨、逆進性の緩和につながらないというような趣旨の御発言もされていて、統一地方選で公明党が公約に掲げていて、本格的な議論は選挙後、秋までということになると思うのですが、改めて現時点での大臣のお考えをお聞かせください。

答)

軽減税率の話というのはずっと自公の税制調査会でやってきておられるのだと思いますので、それを見守りたいと思っていますけれども、公明党以外の政党の中ではいろいろ御意見が分かれているみたいで、軽減税率ではなくて、低所得者向けの給付とか、その他にもいろいろアイデアが出てきているみたいですから。個人的なことを言えば、物品税というのが昔ありまして、その物品税を毎年どうするという話で年末、税制調査会で大騒ぎしていましたので、あれと似たようなことにならないという保証はありませんから、この軽減税率も。そういうようなことになるのは避けた方がいいし、いろいろな問題もあります。低所得者だけが安くなるわけではありませんし、どこで選別するか等、どちらをやってもいろいろ問題を抱えていますので、そういった意味ではなるべく事務負担が増えない、消費者側も売る方も、また納税を受ける側もなるべく事務手続が増えないようにとか、公平とか公正とか簡素とかというものを考えて、もう少し時間をかけていろいろな方法を考えないといけないなと思いますけれどもね。

問)

AIIBについて2つお尋ねします。1つは昨日ですけれども福田元総理が講演された時に、日本の今の立場について途上国いじめにつながるということをおっしゃっておられます。これはもちろん個人的な見解を披露されたことだと思いますけれども、大臣はこれまで日本の立場を御説明される時に、主に私達納税者の立場から御説明されています。税金を使う上で慎重にならざるを得ないと。一方で、こうした途上国から見た場合に、日本の立場を御説明される場合に、もう少し言葉を補足されて、途上国いじめではないのか、あるいはそう見えても仕方ないけれども今の日本の立場はこうなのだと説明していただけないかというのが1点。もう1点は冒頭から質問が出ております日中財務対話でも、このAIIBは大きな話題になると思いますけれども、それまでに開かれる国際会議、4月のIMFCや5月のドイツのG7を経て日程的にこの日中財務対話が設定されるとなると、いよいよAIIBでのAOAに向けての最終的な話し合いになるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

答)

AIIBについて福田先生がどういう意図を持って言われたのだか直接聞いていないので分かりませんが、少なくともアジアにおいて発展途上国において、インフラストラクチャーに対する資金需要が多い、これはもう今に始まった話ではないので、昔からそうです。それに対して世界銀行、ADB、いろいろな金融組織がそこに資金を貸しているわけですけれども、資金というのはある程度返済をするという前提で資金返済計画を考えて、それなりの融資をこれまでもしてきた。そこでさらに需要があるのだということで、需要があることは知らないわけではありませんが、需要に向かって我々がお金を貸すという場合は、それは間違いなく向こうの返済してくる力に合わせてお金を貸さないと、貸したお金を返済できないとか、返済が滞る等のことが起こりやすい。別に国外の話ではなくて国内でもよくある話ですから、そういったようなことを考えてやらないといけないのではないですか。したがって、我々が言っているのはずっと同じことで、そういったものをやるためにAIIB参加国の理事会がきちんと判断をしてしっかり融資をする必要があるのではないか、理事会によるきちんとした個別の審査ができますかというのが1点。もう1点は、お金を貸す時に、ダムを作った途端に人権問題とか環境問題とかいろいろなことが起きますから、そういったようなことに関しましてもきちんと配慮が確保されていること、この2点を言い続けてきていますので、AIIBをどう進めるかという話を日中の中でやるか、それは正直、日中でやってみないとよく分からないところではありますけれどもね。ただ、お金は貸したら返ってくるものだと単純に思っているのは日本人ぐらいではないですか。世界中、これまで海外から借りたお金を期日どおり、約定どおり、基本的に一銭も1日も違えずに返し続けた国というのは日本以外あるかな。日露戦争で借りた戦時公債、イギリスから500万ポンド等のお金、クーン・ローブ商会から500万ポンド、いろいろこれまで国債というのは借りてきたし、戦後も新幹線の世界銀行から借りたお金等、約定どおり1日も遅れなかったでしょう。それを返し切った国というのは、私の知っている範囲では日本以外ないのだけれどもね。これも貸したら取り損ねる可能性があるというけれども、税金だから、消費税やら何やらお願いしている真最中に、外国にはぼんぼんお金を貸して返ってこないなんていうのは、それはとても管理能力を問われると私はそう思いますけれどもね。それが1点。もう1点は、アジアに対するインフラの資金需要に対しての応え方というのは、例えばアジア開発銀行においては、そういったところにお金を貸すに当たって、アジア開発銀行の持っている資金量が不足している分については、増資という形ではなくて既存の資金を有効活用して、そのお金を途上国に融資するという形でいろいろやってきています。ADBのようなしっかりとした審査能力があってきちんとしているところにはそういった形でお金を融資してきたというのが実績ですから、今ここで要審査とか融資の選別とかがきちんとできるかできないか分からないところに、新たにお金を貸すということに関してはどうかと思います。そういった形でADBがお金を貸したり、IDAにお金を融資していますから、そういったやり方にするとか、方法はいろいろあると思いますけれどもね。ただ、これは1人の国だけ抜け駆けするような感じでやるといろいろ難しいですから、そういった意味で各国よく協調してやってきたので、その協調を維持するというのが大事なのではないですかね。審査というのは結構大変なものですから。

問)

これまで日本はAIIBについて中国に懸念、やってほしいことを伝えてきましたが、大臣間でも改めてこの問題について、少なくともきちんともう一度伝える、または議論するという意向は日本の方にはあるという理解でいいでしょうか。

答)

これまで向こうから言ってきたのに関して、こちらはずっと同じ答えしか言っていませんけれども、3月末と言っていたけれども返事は来ませんでしたから、我々も返事ができませんと申し上げていますが、もう4月になりましたので、何て言ってこられるか知りませんけれども、我々の言うことは同じなので、会った時には私共としては基本的には、AIIBの話になったら、言うことは同じです。

(以上)

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