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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成27年4月28日(火)10時48分~11時05分)

【質疑応答】

問)

昨日、財政制度等審議会財政制度分科会が開かれ、2020年度の財政健全化に向けた具体策の議論が始まりました。会議の中で社会保障費の自然増を5年間で2.5兆円に抑える考え方を財務省は示しましたが、実現に向けてどのような取り組みが必要か、大臣の御所見をお願いします。

答)

昨日の財制審の話というのは社会保障について論議をされて、国民皆保険という制度をきちんと維持していくという観点から団塊の世代が後期高齢者になる直前の2020年というところまでに受益と負担というものをバランスさせます、均衡させますという話で、これは大事なのだということで、向こう5年間で取り組むべき制度改革というものの項目がいろいろ議論されたというように承知しています。個別具体的な話の内容まで詳しく知っているわけではありませんけれども、夏には財政健全化という話を私共としては出していくことにしていますので、それまでに社会保障関係費の伸びに関する話とか、それから改革とか、効率化とか、そういったようないろいろな話が出てくるので、そういった大きなメニューを盛り込みますというような話が出ていたのだと思います。引き続いて議論をいろいろしていただかなければいけないところだろうなと思っています。

問)

昨日の晩、海外の格付け会社のフィッチ・レーティングスという会社が日本国債の格付けを1段階引き下げました。理由は消費税10%引き上げを先送りした分の財政改革が今年度予算に盛り込まれていないという点で引き下げの理由としています。大臣は一格付け会社の格付けについてコメントはされない御立場かもしれませんけれども、かつて財務省は財務官が格付け会社に対する意見書を提出したこともあります。今回も、去年ムーディーズと今回はフィッチまだ2社ではありますけれども、3社そろったときに何らかの意見表明をするような御指示をされるお考えはありますか。

答)

それは仮定の質問ですね。仮定の質問ですからあれですけれども、きちんとした形で私共として今それに反論を用意しようというつもりはありません。それから格付け会社がボツワナより低いとか書く程度の話というのは、あの時代からそんなに人の動きは大きく変わったということもありませんからあのままなのだと思いますので、あの時は日本から反論を書いた、あの反論を書いたのは誰だか覚えていますか。

問)

黒田元財務官です。

答)

黒田さんが書いたのですよね。その人とこの間も話しましたけれども、この種の話というのは付いて回る話なので、一々それに対してコメントするつもりもありませんし、今すぐ全部そろってなんて思いもしませんから、特にありません。

問)

来月2日からアジア開発銀行総会が開かれます。大臣は行かれると思いますが、その場で総務演説、そういった会議を通じて大臣も御発言される機会があると思います。AIIBの問題が注目される中、もちろんこれはADBの話ではあるのですけれども、アジアの開発金融に関わってきた日本としてどういったことを訴えていくおつもりなのか、大臣の御所見をお伺いできればと思います。

答)

この間のG20もAIIBが主題になりますと報道では書いていたけれども、結論、話題にならなかったですね。あまり情報収集が当てにならないな。今回も当てにならないのじゃないの。

問)

AIIBのことでなくても、大臣として日本の訴えたいことはどういうことでしょうか。

答)

アジアが経済成長をしつつある、中国の経済が下降線というような感じで経済成長率が下がり始めているという中で、他方アジアの方は急激に伸びている、インフラが足りない、インフラの資金が足りないということは、もうはっきりした数字なのだと思っていますけれども、従って世銀、IMF、ADB、いずれも増資というのを考えて、なかなかそれがうまくいかないという現状に対して、日本ではアジア開発銀行に対して増資ではなくて融資で対応したみたいに、PPPとかPFIとかいろいろなことをやっていることも事実ですけれども、伸びてくることに関してきちんとした対応をやっていかないと。伸びた以上、その国のマネジメント、その国の財政をきちんとマネージするという能力、技術、経験というようなものをちゃんと見定めてお金を融資するということにしないと、お金が来たからといってその資金が有効に活用されないとその国の経済成長、経済発展につながるという保証はありませんから、そういったものをきちんと見極めてやる努力を世銀、IMF、ADBはしてきていると思いますので、そういったところを今後ともきちんと充実していくにはそれなりの人も養成しておかないと、融資をするにはちゃんと目が肥えていないと融資はできませんから。少なくとも帳簿、帳簿というのは比較貸借対照表、財産目録、そういったようなものがきちんとできるかできないかというようなことをどれくらいできますかということに関して、記者で調べている人はいないと思います。例えば簿記の3級ぐらい持っていれば、最低限そういったランクのところまで持ってなくては融資は出来ないのですよね。そういったような話をきちんとやれる人材育成ということからとかやっているのですよ、日本という国は。ほかの銀行から人を引き抜かないで。うちはそういった人ということで現地の言葉で簿記の先生を送り、どれくらいの人達がマレーシアに入って簿記を教えているのだろうかなんてもうちょっと興味を持っていいと思いますけどね。そんなことを聞いても誰一人関心がないですね。記者というのは簿記の分からない人なのかなと思うけれども、すごくやっているのですよ、実は。それをみんなでというので、簿記というのは別に国家試験ではないからね、あれは。だから日本商工会議所簿記3級とか2級とかいってやっている話なのだから、そういった話をきちんとやれるようなものにしてもらわないと、なかなかお金の融資というのは急激に伸びても、あと焦げついてみたりするのはよくある話なので、そういったことがあると、またその国の発展が阻害されますので、そういうことがないようにきちんとさせていかなければいけないなと思っていますから、我々としてはこれまでの基本として、同時にそういった人材育成というものもさらに手を加えていかないとなかなか安定した発展というのは難しいと、そういう感じはしますけれどもね。

問)

アジア開発銀行総会の際にASEAN+3という会合と日中韓の財務相・中央銀行総裁会議も開かれる予定になっています。ここで中国の財政相とも顔を合わす機会があると思いますけれども、その際に大臣が常々おっしゃっておりますAIIBに関して、ガバナンスの話でありますとか、債務の持続可能性でありますとか、環境、社会関係への配慮ということについて改めて大臣の方から日本の考えをお伝えになる予定はありますでしょうか。

答)

向こうが質問してきたらね。話題になれば。基本は全く変わっていませんから。

問)

先程のフィッチの格付けのことについて、一格付け会社の判断では確かにあると思うのですが、日本として一番今何をしなければいけないのかというふうにお考えでしょうか。日本がこういうような判断を受けて、確かに一格付け会社が言っていることではあるのですけれども、日本としてきちんとした対外的な信用を今後も維持していくという中で今一番大臣が思われるところというのは。

答)

日本の場合は、そういう人達の話は日本の現状を知って書いているという人はいないというのは、フィッチに限らず、スタンダード&プアーズでもみんな言いますから、同じことだと思いますので、彼らは日本に行って、どれくらい日本に居たことがあるのと聞いても、まず知っている人はいませんね。だからそういうところなので、外に出た数字で追うわけですよね。それでいくと日本の場合はバランスシートやら何やら見ると、日本の国債の比率が高いとか、GDP比にどれくらいとかというところだけ追われますので、そういうやり方になる、わからないことはないのですけれども、世界の中で日本の場合は自国通貨で海外の人が買っている比率も10%を今切ったぐらいだろうと思いますけれども、それでも外国の人が買うのもドルではなくて円でやっていますから、国債発行して海外で売って自国通貨だけでやっている国というのは何カ国かしかないと思いますけれども、そういった国であるということも知らない人が多いし、そういったことをきちんとやって、我々は財政再建としてきちんと手順を追って、デフレで20年かかりましたので、我々もそんな1年やそこらで簡単にこれは解消するほど経済というのは簡単なものではありませんから、ただ、きちんとした方向としてはこの方向でやっていきます、少なくとも5年前に2015年度のPB半減目標を立てて、そのとおり達成をほぼ終わるであろうと思っています。2020年度のPB黒字化目標を次に目指すことになるのですが、この夏までには計画を出したいと思っています。そういったものを確実にやっていきますというきちんとした日本の姿勢、財政に対する姿勢というものをきちんとやっていく、言った以上、そのとおり実行していくというのが一番じゃないのですかね。何か言葉の説明が好きですけれども、実質が伴わなければ意味がないですよ。

問)

先程経産省の方から商業販売統計というものが出て、小売の売り上げなのですけれども、1-3月期が10-12月期と比較して2.1%減ということで、原油安にもかかわらず個人消費がなかなか力強く回復してこない状況が続いているのですけれども、これはどういうふうにやっていけばよいとお考えでしょうか。

答)

それは先々、今のような経済状況が引き続いていくであろうか、また早い話が可処分所得は増えるであろうか、給料が本当に引き続き継続的に上がっていくであろうかというようなことに関しての自信、そういった確信がなければ、それは個人消費は増えませんよ。当たり前じゃないですか、そんなものは。だから、これが一番時間がかかると思っていましたし、最初に政府支出、次に民間の設備投資、最後に個人消費です。これは3年前から答えは変わりませんよ。一番最後にしか増えませんから、これは。まだいい方かも。もっと悪いかと思っていましたからね。それに比べればまだいい方なのかなと、僕はそう見えますけれども。高齢者が増えていますからね、もう1つは。それも大きいですよ。

(以上)

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