麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成27年6月9日(火)09時07分~09時13分)

【質疑応答】

問)

先日内閣府が発表された1-3月期の国内総生産の改定値では速報値より上方修正されました。その中身としては企業の設備投資が拡大したというわけですけれども、大臣はかねてから経済の好循環には企業収益が内部留保に回らずに賃金や投資に振り向けられることが必要ということを話されておりましたけれども、今回の結果が景気回復の本格的なきっかけになるのかということについて大臣の御見解をお願いいたします。

答)

内部留保が1年間で24兆円も増えているような状況が少なくとも設備投資にお金が回るようになりつつあるというのは良い傾向だと思いますね。ただ、内部留保というのは貸方・借方で言えば、右側(貸方)の話だから、このお金がこっち(借方)へ移るわけではないから、このお金をこっち側(借方)に溜まっている流動資産の方から減らして設備投資に回しているのですというように見るのか、銀行貸し出しが増えているのかと言えば、今、2.5%ぐらい。ほとんど変わらないな、この数カ月。だからそんなに銀行から借り入れてまで設備投資をしている人は少ないということですよ。ということはまだ景気は本格調子ではないということになるでしょうね。そうだと思いますけどね。

問)

経済財政諮問会議での議論についてお尋ねします。1日の議論では民間議員から税収弾性値を引き上げる意見がありました。今の中長期見通しの前提となっている税収弾性値は1ですが、これは保守的過ぎるので1.2から1.3にしようという議論です。甘利大臣もこれについて検討する考えを示されています。この議論はすなわち中長期見通しの中で税収をこれまでの見通しより多く見積もった上で歳入改革、歳出改革を議論するという話に直結すると思います。財務省はこうした考えについて、内閣府の方から税収弾性値の見直しについて協力を持ちかけられているのか、それともあくまで内閣府が独自に勝手に計算していることであって財務省は関与しないという姿勢なのでしょうか。

答)

これは昔からある議論の1つではあるのですけれども、景気の良い時とか景気の悪い時とか、このところデフレが続いていたのでというふうな話もありますので、弾性値に対して1.2とか1.3とかという御提案が確かにありましたけれども、ただ、1980年代とは社会構造とか税制の構造というのが随分と基本的に異なっていますので、1980年代の弾性値というのになってきているかと言われるとなかなかそういう楽観的に見るというような意識にはありません。だからもう少しそこのところは弾性値をもっと緩めに考えてというお話に今すぐ簡単に乗れるような状況ではありません。

(以上)

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