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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成27年11月20日(金)10時59分~11時16分)

【質疑応答】

問)

補正予算について伺いたいと思います。安倍総理が外遊先で、帰国後に補正予算の編成を指示すると発言され、補正予算を編成されるお考えを明言されました。一方、7-9月期のGDPが2期連続のマイナスになるなど景気の足踏み状態が続いており、経済界からは景気の浮揚策を求める声も上がっています。一方、今度の補正予算にはTPPや一億総活躍社会への緊急対策も盛り込まれると伺っておりますが、補正予算に対する大臣の基本的なお考えをよろしくお願いします。

答)

補正予算に関する指示がまだ総理から出されているわけではありませんから今の段階で補正予算に対してどうのこうのと言う立場にないということをまずあらかじめはっきりしておきます。その上で、政府としてTPPが実施されることによって影響が出る分野、これは締結されれば10年後とか13年後とか、直ちにという自動車部品とか、いろいろ物によって違いますので、そういったものをよく見極めた上で日本の経済再生や地方創生につながっていくようなものを考えながら効果的な政策をやっていくというのが大前提ということになるのだと思っています。また、「希望を生み出す強い経済」の実現に向けた施策や、「希望出生率1.8の実現」、「介護離職ゼロ」などいろいろありますので、この目標達成に直結するように、一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施するべき対策を、今月中に取りまとめるということになっていますので、そういった議論を今進めているところです。したがって我々としては、総理の補正予算編成の指示が出た場合には、財政再建等の目標に十分配慮をしながら必要な施策を実施していくということになるのだと思いますが、現段階で何らかの方針が決まっているというわけではありません。足元の経済状況というのは、経常利益は史上最高水準と言っていながら経済界が何をどうされたいのかよく分かりませんが、それから先は、いつも言っているとおりですので。

問)

TPP関連の対策についてお伺いいたします。本日、自民党がTPP対策に向けた提言を正式に決定します。輸出の拡大を目指す取組とか、あるいは農業の備蓄米の買い入れ増量などを守る取組なども盛り込まれていて、今後こうした対策に予算配分することも検討されるかと思いますけれども、今回の提言に関する大臣の御所見についてお伺いしたいと思います。

答)

自民党の総務会を通ったのですか。

問)

まだ、お昼頃だと思うのですが。

答)

総務会を通ってからの話ですね。いずれにしてもそういう提言が出てくるということなのであれば、それを踏まえて総合的なTPP関連の政策大綱を取りまとめていくということになりますが、内容をよく見ないと分かりません。

問)

先週のこの会見でも質問の出た企業の内部留保の取扱についてお尋ねします。先週の会見では自民党から内部留保に対して課税する考えが出たことについての質問で、大臣は二重課税につながるので安易な話はできないというふうに慎重な御意見を述べられるとともに、別の形でやるか何か考えなければいけないという何らかの政策の必要性も述べられています。法人税を減税したりするばかりでなく、大臣がいろいろな官民対話ですとか諮問会議の場でも内部留保の活用を訴えてこられたにもかかわらず、企業の内部留保の積み上がるスピードはなかなか衰えないので、財務省の中からもこの内部留保に課税することについて研究する価値があると肯定的な意見も聞かれます。そこで、財務省では税制の面からこの内部留保を活用することを促すような施策、すなわち内部留保に課税することを研究しているのでしょうか。あるいは研究したけれども断念されているのでしょうか。

答)

内部留保課税というのは二重課税になり得るというのは言わずもがなの話なのだと思います。一度税金を払った後で内部留保しておられるというわけですから。本来、企業というのは何のためにお金を稼ぐかといえば、大きく分ければ3つ。1つ、給料を増やす、2つ、株主に対して配当を増やす、3つ、企業の競争力等を考えて設備投資を増やす。この3つに本来なら利益というものは使われてしかるべき。それが何の目的もなくじっとためておいてあるという話で、さらに減税してくださいと。何のためにするのですか。さらに内部留保を増やしたいためだけですか。傍ら、消費税を上げて、減税ではなくてこっちは増税するという話をしているときに、企業に対して内部留保が2年間で24兆円と26兆円で計50兆円弱増えているのだと思いますが、そういったようなものになってきている現状というのはなかなか世間で通る話ではないのではないですかね。誰が考えてもそうなのだと思いますが、そういった意味で、内部留保の中で、現預金だけで210兆円とか言っているのだから、そういったようなものをいろいろ考え合わせて、我々としてはそういったものを有効に今言ったものに使ってもらえることが結果的に消費を増やすことになり、設備投資が増えることになってGDPが増える、消費が増えてGDPが増えるということになり、経済成長につながっていくというように考えていますので、そういった形に対する理解が財界からどのような反応が出てくるかというのは、今の段階で結論が出ているわけではありません。内部留保金課税の話を今検討させているという事実もありません。

問)

税制とは別の面から、例えば投資家が企業の株や債券を買うときに、その企業が内部留保を優先している企業か、あるいは設備投資や配当、給与を優先している企業かを判断できる目印をつけることによって、今度は企業が投資家からの評価を得るために内部留保を活用せざるを得なくなる、そんな施策を財務省あるいは金融庁で研究されているのでしょうか。

答)

これは今財務省で検討しているというわけではありません。ただし、それが主に東証とか、そういった企業の株を扱っている部門で主に研究材料とされてしかるべき話なのだと私自身はそう思いますけれども。先日行った官民対話においても、リスクをとってやるということについて、経団連の会長から話があり、それに対して、私共として話をさせていただきました。いずれにしても、経済界に呼びかけているところではありますが、経済界の気持ちとしても、20年ほどデフレ不況をやっていますから、そんな簡単にメンタリティが変わるとは思いませんけれども、私共としては引き続きこれをやっていかないと、企業の経営者のマインドが萎縮したままでは大きな変化にはなっていかない。事実、意識を変えていっている企業というのはありますから、そうではない企業とそうやっている企業と差をつけてしかるべきではないかという意見等、これはいろいろありますよ。そういったものを踏まえて今からいろいろ考えていかなければいけないところかなと思ってはいます。

問)

先日、日銀から引当金の見直しについて大臣の方に要請があったかと思うのですが、将来の出口戦略に向けた対応策とも見られていますが、一方で日銀納付金の減額にもつながる措置だと思うのですが、このタイミングでの日銀の要請についてどのように受け止めていらっしゃるか、御所感をお願いします。

答)

これはいわゆる下振れ・上振れというのを平準化していこうという話なので、今みたいに上振れする可能性の高いときにやるという方向なのだと思っています。これは健全性を確保するためには良いことなのだと私はそう思っていますので、金融政策の変更を念頭に置いてやろうとしているということでないことだけははっきりしています。

問)

先週のこの会見でも伺いましたが、公認会計士と監査法人について再度お伺いさせてください。東芝の不正会計問題で東芝の監査を担当していた新日本監査法人が、適切に監査を行っていたのかと市場では疑いの目で見られています。金融庁が設置した会計監査の在り方に関する懇談会でも会計監査をめぐって非常に活発に議論が行われているのですが、現状、公認会計士、監査法人というのが、例えば不正の芽があったときに、まさに仁王立ちになってその不正を阻止する、そういう役割をきちんと果たしているのかどうか、この点について麻生大臣のお考えをお聞かせください。

答)

今の話は、報道があったことも知っていますし、また公認会計士・監査審査会が行っている個別の内容について、それを今この場でコメントすることはできませんけれども、いずれにしても監査法人が行う監査証明をやるに当たって、法令上の問題がある場合においては、金融庁においても厳正な処罰ということになるのですけれども、それがそういう対象になっているかどうかまで、まだ結論は出ていませんから、今の段階で申し上げることはできないということです。

問)

今日から与党において、年度の税制改正の議論が始まりますが、その議論に期待されることを一言お伺いできればと思います。

答)

期待すること、しないこと、両方いっぱいありますので言えません。

問)

先日、IMFがスタッフレポートで人民元のSDR通貨バスケット入りについて前向きな提言をされまして、ラガルド専務理事もそれにサポーティブな見解を示されたわけなのですけれども、改めまして大臣にこの件について御所見をお伺いしたいと思います。

答)

人民元の話については、30日にIMFの理事会が開催されて決まるのだと思います。最終的にこれが妥当かどうかを検討するにあたっては、客観的データに基づいてきちんとやっていくということだと思いますので、日本としては、そのルールに従って人民元という新たな通貨が今の国際通貨の中に増えるということは決して悪いことではないのではないですかね。

(以上)

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