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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成27年12月8日(火)11時13分~11時25分)

【質疑応答】

問)

東芝の不正会計問題についてお伺いします。昨日、証券取引等監視委員会から東芝に課徴金納付を命じるよう金融庁に勧告が発せられましたが、改めて東芝の不正会計問題について大臣の所感や今後の対応についてお聞かせください。

答)

昨日、証券取引等監視委員会から、東芝が提出した過年度の有価証券取引書等に、重要な事項について虚偽の記載があるということが認められたとして、金融商品取引法に基づく課徴金納付命令を発出するように勧告がなされたということに関しては承知いたしております。また、金融庁において、この勧告を受けて、12月7日、審判手続の開始を決定しております。今回のケースは、かなり長い時間にわたって虚偽の記載が行われたということで、これは甚だ遺憾な話なのだと思っております。いずれにしても、今後、証券取引の公正及び投資者保護に対して、厳正な対処をしていかなければいけないだろうと思っています。

問)

消費税の軽減税率についてお伺いします。2017年4月から加工食品までを対象にしたいという議論がありますけれども、事業者の対応がそれまでに間に合うかどうかについて大臣のお考えをお聞かせください。

答)

前々から間に合わないと言っています。加工食品をどれだけにするかにもよりますし、1品目とか2品目とかというのだったら、それはできますけれども、これは消費者との話だけではなくて、BtoCではなくBtoBの話、BtoBのところが間に合わなくなるということはシステムエンジニアが足りるか足りないか。そういった意味では極めてこのところが難しくなるのではないか、これもずっと言っています。間に合うと思っている人がいるのだろうけれども、品目によっては絶対に間に合いませんから。システムエンジニアはそんなにいないのですよ。ですからそんな簡単な話ではないと私共はそう思います。準備期間が要ります。システムエンジニアの準備期間を置く前に何を対象にするかという品目の区別から始めて、次にシステムをつくるわけですから、両方やらなくてはいけないのに、再来年4月スタートにはとても間に合わないと。加工食品を入れるならね。生鮮食品だけだというのだったら、既に法律でそれなりの整理がついている部分がありますから。加工食品は何までが加工食品かと。そういった意味では準備が間に合わない業者が出てくるおそれがあるということは最初から申し上げているとおりです。

問)

東芝の件で追加の御質問ですが、証券取引等監視委員会と金融庁は、今後東芝に対して今回のような事案を再発させないために開示体制、あるいはガバナンスなどについてフォローアップしていくということで、昨日発表がありました。この根拠法というのが、金商法の26条なのですが、この金商法の26条は、報告の徴求ということであって、金融庁と証券取引等監視委員会は、そもそもどこまで踏み込んで東芝を指導していけるのか、そもそもそういう権限があるのかというのが疑問なのですけれども、この点の大臣のお考えをお聞かせください。

答)

上場企業のこの種の話に関して、個別的な話を金融庁がすることはありません。具体的なフォローというのは、検討していくということです。それ以上は言いようがありません。

問)

東芝の問題で2点お伺いします。まず昨日の証券取引等監視委員会の説明で、今回はあくまで開示検査での課徴金勧告ということで、将来的な東芝幹部の刑事告発の可能性は否定するものではないという説明だったのですけれども、大臣、今後東芝の幹部の刑事責任について、どのようにお考えになっていらっしゃるのか、お聞かせください。

答)

長期にわたって、かなり虚偽の記載がなされていたという事実に基づいて、課徴金命令を発出するよう勧告が行われたものだということはよく承知していますけれども、課徴金納付命令は告発を妨げるものではない。そのほかの答えは、さっきの答えと同じで、個別的なことについてこれ以上答えることはありません。

問)

今回、東芝の問題で会計監査を担当していた新日本監査法人についても、金融庁で調査されていると思いますが、今回のような不正会計を会計監査で見抜けないとなると日本の上場企業に対する信頼も今後影響するかと思うのですけれども、会計監査の調査についてお考えをお聞かせください。

答)

新日本監査法人に対しては、公認会計士・監査審査会において検査が着手されていると思いますけれども、会計監査に問題が認められるということになれば、これは厳正に対応していかないと仕方ない、当然です。

問)

今朝、7-9月期のGDPの改定値がマイナス0.8からプラス1.0と大幅に上方修正されましたが、それに対する大臣の御所感をお伺いします。

答)

外れ方が新聞の選挙予測並みでしたね。感想といえば、それです。ああいったものは当てにしてはいけないという最たる例。内容が在庫調整のところはほとんど変わっていなかったのだけれども、設備投資の読みが違っていたというところが一番大きかったのかな、あの数字を分析してみればということだと思いますので、上方修正に設備投資がぶれたおかげで、結果として通年で1.0ということになったのですが、マイナス0.8とプラス1.0では全く違いますので、役所の予想が違っていたのではないかと見ていた民間の人がいたけれども、民間の予想だって0.0だったではないかと。そういった意味ではこういったものの統計の取り方やら何やら、もう1回しっかり検討していかなければいけないことははっきりしているので、少なくとも改定に当たっては、通販などが入っていない基礎統計もありますからね。通販でこれだけ物が売られたり買われたりして、10万・20万という単位のものが通販で売れる。悪いことではないですよ。それだけ信用があって、品物に間違いがなくて、時間どおり届いてという日本人の持っているディストリビューションの正確さ、そして届けられる品物に偽物がない等のものが重なり合ってああいったものが出てくるのだとは思いますけれども。そういったものがこれだけ普及しつつあるのにそれが調査の対象になっていない場合もあるというところの方によほど感覚のずれがあるだろうと、前からこれも言っていますから、今回の結果を見て、そういったものを含めて調査というものについてはもう少し考え直さなければいけないところがいっぱい出てきているのではないかと思います。常に外れているなら話は簡単なのだけれども、去年は当たっていましたから、そういった意味では当たったり外れたりする、経済というのはそんなに簡単に予測ができるほど簡単なものでもないし、経済というのは生き物ですから、もう少し上がり下がりの幅があるものだと、私共はそう思って対応しているのですけれどもね。今回みたいにあまりに差がつき過ぎると、良い方に外れたからいいではないかという種類の話ではないのではないかという感じがします。

(以上)

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