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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成29年1月20日(金)10時11分~10時24分)

【冒頭発言】

平成28年度第3次補正予算及び平成29年度予算につきましては、計数整理等が完了しておりますので、先程の閣議において国会に提出することを決定いたしております。平成28年度第3次補正予算は、災害対策費をはじめとした追加財政需要が盛り込まれており、また、平成29年度予算は、一億総活躍社会の実現や経済再生に直結する取組み等重要課題に対応していくためにも特に重要かつ必要なものと思っております。最大の経済対策というものは来年度予算の早期成立と考えておりますので、これらの予算の一日も早い成立に向けて尽力をしてまいりたいと考えております。

次に、いわゆる「秋のレビュー」について申し上げます。昨年11月の行政改革推進会議による秋の年次公開検証等において、予算の重点化、効率化につながるような御指摘をいただいたところです。それをもとに予算編成過程で検討した結果、指摘に基づく概算要求からの削減額は合計で約1,200億円程度となります。有識者からの重要なかつ有効な御指摘をいただいたところであり、関係各位の御協力に改めて御礼を申し上げるところです。

【質疑応答】

問)

米国のトランプ新政権で財務長官に指名されているムニューチン氏についてなのですけれども、大臣として電話会談とか、そういったものをいつ頃されるおつもりか、関係構築に向けてそういったところをどのように考えていらっしゃるかお聞かせください。

答)

ムニューチン氏は正式に、昨日公聴会が終わったばかりです。大統領が就任するのが日本時間で明日午前2時、その前にこの人が決まっているわけではありません。正式に決まってからの話なので、今すぐ電話をするとかというようなことを考えているわけではありませんが、意思疎通というのはきちんとやっていきたいと思っています。

問)

文科省の天下りあっせん問題を受けて前川次官が辞任されました。この問題の受け止めと財務省の現状、また今後の対応についてお聞かせください。

答)

この話は他省庁の話ですので、内容についてコメントする立場にありません。各省庁においてもということで総理の方から指示がありますので、財務省としてもこの点について改めてどういう状態になっているかということに関しましては調査をさせるということなのだと思います。いずれにしても法令に則って適切にやっているものだと思っています。

問)

トランプ次期大統領が先日ドル高を牽制する発言をした一方で、昨日の公聴会ではムニューチン次期財務長官が長期的なドル高維持が重要というような発言もされました。こうした発言が出るたびに為替市場では反応が見られるわけですけれども、常々為替の安定が重要だと強調されている大臣としてはこうした現状をどうとらえていらっしゃるのか、またその懸念などはありますでしょうか。

答)

報道については承知していますけれども、そういった意見もあるということだというようにしか考えていませんし、株価や為替が上がったり下がったりするたびに右往左往するつもりもありません。それから、自国通貨が高くなるということは長期的に見ては正しい、短期的についてはいかがなものかという話は、ムニューチン氏の話だと思いますけれども、為替が変動したりするというのは、激しく乱高下するというのは望ましくないのは確かですし、また、ムニューチン氏とトランプ次期大統領との間で意見が違っているというようにも感じません。

問)

地域金融機関の再編に関連してなのですけれども、福岡フィナンシャルグループと十八銀行が4月に予定していた経営統合を10月まで半年延期する、今日20日にそれぞれ正式決定する社内手続を進める段取りになっています。経営統合から1年後の計画となっている十八銀行とFFG傘下の親和銀行、これの合併も半年先送りとなります。統合の可否を判断している公正取引委員会の審査が長期化していることが背景にありますけれども、経営統合の延期の方向性について大臣としてどう見ていらっしゃるか、まずお聞かせください。

答)

報道についてはよく承知していますけれども、個別案件に関わることなのでコメントすることはありません。ただ、各銀行、人口減少等に伴って地銀、第二地銀、信用金庫等いろいろ今模索をしておられる一環なのだと思いますので、是非いろいろな問題点があるのをクリアしてきちんと自主的な経営判断というものに基づいて銀行等がより活性化、より効率的、より意欲的にやっていかれる、この方向を阻害するということのないようにはしなくてはいけないと思っています。

問)

今日から国会ですが、改めてプライマリーバランスについてお聞きしたいのですけれども、来年度予算の中でも10兆円を超える赤字になっている中で、2020年の黒字化に向けて今までと同じようなペースでの歳出の絞り方でいいのか、あるいは経済成長ももちろんでしょうけれども、何か今後していくべきことがあるのか、大臣のお考えをお聞かせください。

答)

プライマリーバランスに関しては去年10月までの円高ドル安等が非常に大きな影響を与えたことは事実です。10月以降今日まで見ればまた10円ぐらい違ってきていますので、非常に大きな差が出ます。我々としてはこういった試算について、いろいろ内閣府でやっておられるというのもありますので、それについてのコメントというのは差し控えさせていただきます。我々としては2020年のプライマリーバランスの黒字化達成を目標にして、少なくとも2015年で赤字を半分にしますという目標はきちんと達成し、そして残り5年間でこれをさらにチャラのところまで持っていきたいという意欲で、今、事を進めています。以前の予算は確か社会保障関係費の伸びは1兆円程度で計算してあったと思います。それが約5,000億円にきちんとなった段階で、発射台がまた変わります。そして今年度も5,300億円ですから我々の書いた絵どおりで2年目の予算というのが今でき上がりつつあるところですので、引き続き意欲を持ってプライマリーバランス黒字化の達成に向けて頑張っていきたいと考えています。

問)

本日アメリカのトランプ大統領の就任演説が予定されています。演説の内容次第では為替が急激に変動する可能性も指摘されておりますけれども、これに対する御懸念と、日本としてどういった対応をとるのかについてお聞かせください。

答)

為替は、今日上がったから、下がったからで右往左往することはありません。トランプ氏が大統領に就任したからといって、いきなり株を1,000円下げて、翌日1,000円上げるなんていうのが日本の株式市場でしょう。それにいちいち右往左往することはありません。

問)

今晩トランプ氏が会見します。改めてですが大臣の御所見をお願いします。また、トランプ氏は先程も質問が出ましたが強いドルを求めるということで、G20やG7の競争的なレートを目標としないという合意と反するという意見もありますが、これに対する大臣の御所見をお願いします。

答)

明日の午前2時に就任されるのだと聞いていますけれども、日米関係というのは日本にとりまして最も大きな同盟関係、最も重要な同盟関係だと思っていますので、日米関係がきっちり作動していくというのが世界的に見ても大きな資産だと思っています。きちんとこれをやっていかなければいけないところだと思っています。経済面について言えば、今ドル高、ドル安、いろいろ言われる話がありますので、私共としてはこういったものがきちんと安定的なものになっていくようにするためにはコミュニケーションをきちんとしていかないといけません。大統領だけの話しか今話題に出ませんけれども、その他の各役所の大臣とこちら側の大臣との関係はもちろんですけれども、まだデピュティもアンダーセクレタリーも誰も決まっていないと思います。

トランスミッションというのは、アメリカの場合は大統領が代わると半年ぐらい止まってしまうというのが毎回のことではあります。約3,200人の人が移動しますので、それは当然のことなのだとは思わないでもないのですが、今回は民主党から共和党へ変わっていますから、その意味でも違うでしょうし、そこにトランプ次期大統領というこれまでワシントンDCに来たことがない人が来ています。政治経験が全くなくて大統領になった人というのはこれまでアメリカの大統領の歴史で1人しかいませんから、彼で2人目でしょう。その前が軍人からいきなり、アイゼンハワー氏が大統領になったのですけれども、その人以外にはいないと思いますので、混乱をするのはある程度避けて通れないとは思っています。

(以上)

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