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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成28年3月31日(金)9時11分~9時28分)

【質疑応答】

問)

教育予算の財源として、自民党の若手議員でつくる小委員会が子ども保険の導入を提言しました。教育予算の財源では、教育国債についても議論されています。大臣はこの2つの案を踏まえて、教育予算の財源がどのように確保されるべきだとお考えでしょうか。所感をお聞かせください。

答)

若手議員の話は聞いてはいるのですけれども、教育というのは、この間も言いましたけれども、将来への投資、未来への投資という意味では極めて国としては重要なものであるということは言うまでもありません。これまでも財源との関係でいろいろ言われてきていたのですが、幼児教育無償化の話とか奨学金の制度の充実とか幾つか29年度の予算で取り入れさせていただきましたけれども、まだこれはいろいろ拡大をしていかなねばならぬと思っているに当たって財源というのが安定的なものでないと、こういったものは確実なものになりませんから、きちんとやっていかなければいけないと思っています。教育国債というのは、自分達の世代では払わないで、将来に借金を付け回す話でしょう。傍ら保険というのは、今、月々何百円にしようとしているのだか知らないけれども、200円だ300円だというのを月々払って年間で何千円かになっていくという方が、少なくとも教育国債なんていう、赤字国債とかとどこが違うのですかという話とは、保険の方が1つの考え方としてはよほど評価に足るのではないですかね。若手議員が考えたのか誰が考えたのか知りませんけれども。詳しく内容を聞かされていないのでそれ以上詳しく知りませんけれども、そういう発想なら国債よりはよほど建設的かな。

問)

2020年度のPB黒字化についてお伺いします。麻生大臣は、今週月曜日の29年度当初予算成立後の会見の際に、2020年度のPB黒字化について日本を取り巻く情勢がいろいろあるので何とも言いにくいところがあるというふうにおっしゃいました。2020年度のPB黒字化は難しいとお考えでしょうか。また、北朝鮮のミサイル実験等で日本の安全保障環境が厳しさを増す中で、プライマリーバランスの黒字化への道筋をつけるために何が必要だとお考えでしょうか。

答)

2020年まで難しい、極めて厳しいというのは最初からそうなのです。今に始まった話ではありません。半分にしますと言ったのがおととし、よく半分までいきましたね、マイナス6.3%がマイナス3.0%までよく来ましたねという話なのだけれども、次、5年間でチャラにしますというところの方が難しいというのは最初からわかった話ですから、今に始まった話ではありません。北朝鮮との話でいけば、今、北朝鮮の話というのは日本の新聞で書いているより深刻なのではないかと私にはそう見えますけれども。だから、これでどういう状態になるかといえば、朝鮮戦争を知っている私達の世代から言ったら、昭和25、26年、東京では動乱景気でえらい調子がよかったけれども、私の住んでいる筑豊・北九州では北朝鮮機が入ってきて、敵機来襲、空襲警報、灯火管制、電気は全部ライトを消してくださいというようなのを昭和25年でやっていました。戦争をやっていたのです、あの辺は。日本って広い国だなと子どものときに思った記憶がありますけれども、そういうのが朝鮮戦争という時代だったのです。今度は核弾頭がついているとかという話になってくると、さらに話は規模の大きなことになりかねませんから、そういう状態になればそれに備えをしなければいけない。難民が流れ着くかもしれない。シリア難民等がトルコへとか、ヨーロッパへとかという話が、日本で朝鮮半島からという可能性がゼロではないからね。それは経済に影響といったらマイナス影響ですというのは考えておかなければいけないでしょう。いろいろな要素がまだまだあると思いますけれども。

問)

ゆうちょ銀行が個人向けの無担保融資に参入される件について伺いたいと思います。ゆうちょ銀行、本日新規業務として金融庁と総務省に申請をする見通しになっています。限度額を50万円までに抑える等使い過ぎの抑制に対して一定の配慮がなされる一方で、使い道が限定されないという点や手軽にお金を借りられるという点はカードローンと同じだとも言えます。銀行カードローンの急増については大臣も先日の国会でエスカレートしている状況ではないかというふうに発言される中で、ゆうちょ銀行がこうした新規業務を始めることについてどのように受け止めていらっしゃいますか。

答)

報道は知っていますけれども、ゆうちょ銀行は基本的には民間銀行という形になっています。個別の会社の経営判断に関わるので、その辺についてコメントする話ではないのですが、今、銀行というところは、日銀から当座預金として送り込まれた金までが銀行にあるじゃないかと言うのですけれども、その銀行から市中に、民間に金が渡って初めてマネーサプライ、今、そのマネーサプライは増えていない。融資ができないのです。逆に言えば、民間銀行は金を貸していないわけです。金を貸す金がないならいいよ。しかし金はあるから。金はあるのに金は貸さないと。借りてくれる対象者に対してリスクをとらないとか、いろいろな言い方はあるでしょうけれども、その業務に入ろうと思えば融資を審査する能力が郵便局にあるかね。地銀やらみんなやって全然増えないのに、ゆうちょ銀行が新しくやってやれますというのには、よほど審査能力が高くないと、それはえらいものを背負いこむことになりますから、まずはというところなのでしょうけれども、審査能力がないと難しいので、郵便局の投資の仕方というのはもっと全然別なことを考えないといけないのではないですかと。これはよく識者の人たちが言う話なので、そこのところは今から考えなければいけないところだと思います。今の話はカードローンの話を含めて、どういうことを考えているのか詳しく聞いていないし、民間の会社がそうされるからどうのこうのという立場に、コメントする立場にありません。

問)

文部科学省の天下り問題について伺います。昨日調査結果が出て、合計62件、43人だったと思いますが、処分がありました。大臣これまで他省庁のことなのでということで再三コメントをいただいているのは承知していますが、調査結果が出たということで1つの区切りだということで伺います。今回、事務次官が歴代3人の方が関わっていたということもわかっていて、組織的なものだということが結果としても出ました。これについて省庁でこういうことが行われていたということについての率直な御所見を伺いたいのが1点と、並行して財務省でも調査が進んでいると思います。現在の進捗状況、今まで大臣が財務省の関係で天下り問題に類するようなことを把握されていることがあるのかどうかも含めてお願いします。

答)

文部科学省の話は明らかに法律違反、これくらいわかりやすいのはなかったのではないでしょうか。省を挙げてあっせんしていましたという話になっていますので、そこのところは明らかに法律に違反しているという形になると思います。山本大臣に対して総理の方からも各省に対する調査をしっかりやれと言われたので、今、調査の形ができつつあるのでしょうけれども、各省としてもきちんと調査に協力しなければいけないということなのだと思います。また、再就職等規制を周知徹底させていかなければいけない。これは何も財務省に限った話ではなく、みんなそうなのだと思いますが。公務員の再就職についてはいろいろ意見があるのは知っていますが、役所を挙げてあっせんしていくみたいな感じというのはちょいといただけない話だと思っています。欲しい人はみんなとりにくるというのは、当たり前の話であって、有能な人が、民間から引かれていくような有能な人がいる、ということ自体はいいことだと思います。けれども、あっせんしてやるということになると別の話になるのだと、私にはそう見えますけれども。

問)

東芝についてなんですけれども、日本時間29日に原発子会社のウエスチングハウスがチャプター11の適用を申請しました。麻生大臣は以前の会見で、月内の申請が必要というお話をされていましたけれども、これについての受け止めをお願いします。

答)

これは、ウエスチングハウスという会社の損失というのを東芝が簡単に言えば補償しているみたいな形ですから、それだとウエスチングハウスという会社の損失は確定しないと、補償している東芝の損失がどれぐらいになるかわかりません。そこのところはきちんとしてもらわないとどうにもならないと思っていたのですが、申請されたという話でしたから、それは承知しているのですけれども、これから先は東芝という会社の個別企業の判断になるのだと思いますので、これ以上のコメントは差し控えます。しかし、東芝本体も、きちんと会社の整理をやらないと、ウエスチングハウスを切り離したとしても、残りの企業の存続とか、その企業の経営内容とかというものは、これはウエスチングハウスとはまた別の話です。そこのところをどうしていかれるのか、これは個別企業の話だから、民民の話なので何とも言えませんが、今すぐ倒産するという話ではないけれども、長期的に経営の立て直しみたいなものをやっていかなければいけないということだけははっきりしていると思います、東芝の場合は。何となく誰が社長で、誰が決めて、誰が最終決断しているのだか、よく見えてこない、私達が外から見ていて。だから、最終決断を下ろせる人がいないと、具合の悪いことになってきた会社というのは、きちんとした経営判断を下ろして、これをやるということを決める人が社内で凛としていないと、こういった非常事態というのは難しいのです。みんなで話し合って決めましょうなんて、そんな話の段階は平時ならいいけれども、有事の場合はそうはいかないという感じはしますけれども。

問)

現状、そうすると東芝のガバナンスは機能しているというふうに麻生大臣は見ていらっしゃいますでしょうか。

答)

わからないです、私は。あの会社にそんな詳しいわけではないですから、よくわかりません。

(以上)

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