麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成29年11月21日(火)9時45分~9時51分)

【質疑応答】

 
問)

所得税について伺います。昨日、政府税調が給与所得控除を縮小して基礎控除をその分手厚くするようなことを求める中間報告をまとめましたけれども、今後党税調の方で議論が本格化しますが、子育て世代に配慮すべきといった声も出ております。制度設計に当たって大臣が重視するようなポイントがありましたら教えてください。

答)

政府税調で一回この種の話は既に、中間報告だったでしょうか、示されているのだと思います。基本的には今の時代というのは働き方が随分変わってきたのではないか、健康寿命が伸びていることもありますけれども、少なくとも例えば大きな会社に入って定年まで勤めたり、途中で退職した方が自分の経理とか総務とかという経験を生かして新しく起きてきた、技術はあるけれどもベンチャーとして経理とか財務とかそういったような経験のないところを助ける、九州工業大学や飯塚ではいっぱいそういう例がありますので、そういったのがあるとか、女性が結婚をされて退職をするけれども、帰国子女として極めて語学の才能には富んでいる等の人達が、そういった人が能力を生かして在宅でいろいろ仕事をする、通訳とか翻訳とかいうのであるとか、普通の会社員でも働く時間が17時になったというようなことになるのであれば、残った時間を使って副業するとか、そういったようなことをするというのは、これから働くやり方が今までのように大学を出て1つの会社に入って定年退職するまでそこにずっと居っぱなしという前提で今の所得税法というのはでき上がっています。そういった所得税法と違ったものになっているので、そういったことを考えるとこれからいろいろな意味で、仕組みとして控除というのがいろいろ、基礎控除を含めてありますから、そういったもののあり方を考えないと少し違ったものになる、不公平なものが出てくるのではないですかというのは前から言われているところですので、そういったところを詰めていっていただく必要があるのではないでしょうか。高齢化と、そして生活というか、働き方の多様化に伴って税のあり方も考えてもらわなければいけないということが、私どもが問題なのではないかということを、検討すべきところなのではないかということを申し上げた背景だと思います。

問)

同じ税に関してなんですけれども、企業の賃上げとか設備投資を促すための税の仕組みについて政府内で検討が進んでいると思いますけれども、現段階でその効果をできるだけ最大限に高めていくためには大臣としては制度設計のポイントはどういうところにあるとお考えでしょうか。

答)

一括償却、10年の償却を一括で償却するということを認めると、その分だけ償却が一挙にできますから、そういった一括償却を認めますとかというようなやり方で随分と、3年間以内にとかというのはこれまでも、この5年の間やりましたけれども、あまり効果がありませんでした。設備投資が実際、内部留保が100兆円を超えるものが積み上がった割には、設備投資は8兆3,000億円ぐらいしか伸びていませんから、そういうことが言えるのだとは思いますけれども、ただ、この一括償却というのはこれから是非継続してもらいたいという声が出てきているという面もありますので、企業によって違うのだとは思いますけれども、設備投資を促す意味においては一括償却というのは大きいことは事実です。まだほかにもいろいろ出てくるのだと思います。

(以上)

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