麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣ぶら下がり記者会見の概要
(平成30年3月28日(水)20時04分~20時12分)
【冒頭発言】
平成30年度の予算及び平成30年度所得税法等の改正案については御存じのように先程成立していただきました。お力添えいただきましたので大変感謝を申し上げます。予算自体は、人づくりの話とか生産性の話とか重要課題に重点化していましたので、迅速かつ着実な実施にこれから取り組んでいかなければいけないところだと思っております。また、理財局において行われた決裁文書の書き換えというのは、当局の捜査に当然のこととして全面的に協力しつつ、その経緯、目的については省を挙げて調査を行っているところであります。最終的な調査を踏まえて必要な対応を行うのは当然ですが、こうしたことが二度と起こらないようにするということも信頼回復に向けた取り組みとしては大事なところだと思っております。
【質疑応答】
- 問)
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30年度予算、先程可決しましたけれども、今回議論がほとんど森友学園をめぐります文書改ざん問題に終始しまして、経済再生でありますとか財政再建でありますとか本質的な議論になかなか至りませんでした。その点について大臣はどのようにお考えになりますでしょうか。
- 答)
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97兆7,000億円という大きな予算だったのですけれども、内容もいろいろな事情に合わせて私共としては、働き方の話とか生産性とかいろいろ含めまして、また、いろいろな意味で前倒しで保育の話とか、そういった話も含めていろいろ中にあったので、もう少しこういったものに関しての議論をしていただきたかったというのが率直な実感ですけれども、森友の問題で時間をそちらに多くとられたということは私共としては大変残念なことだと思っております。
- 問)
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もう1点、昨日、佐川前理財局長の証人喚問が行われましたけれども、昨日の閣議後会見で大臣は全容解明につながることを期待したいとおっしゃっていました。ところが佐川前理財局長はやはり刑事訴追のおそれがあるのでということで証言を拒否するという場面が繰り返されました。その点について大臣はどのようにお考えでしょうか。
- 答)
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まず基本として証人喚問に関して個人は拒否する権限がありますから。これは人民裁判をやっているのではないのですから。マスコミによるつるし上げでもないのだから。間違いなく本人の権限をきちんと維持してもらわなければなりませんから当然のこととして彼はそういった、自分の立場を考えながら言うのが当然なのだと私はそう思いました。また、その他のことに関して刑事訴追に関係ない分についてははっきりいろいろ言ったと思っていますが、いずれにしてもこういったような形できちんとした態度や答弁というのを私共はしていると思いますけれども、基本的にこういった証人喚問のことに関してのコメントは、従来政府としてはしないということがずっと一貫されてきていると思いますので、今のも少々しゃべり過ぎだと思って反省しています。
- 問)
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一部官邸や総理、あるいは秘書官とか、そういった関与はきっぱりと否定されましたけれども、経緯については刑事訴追のおそれがあるのでということで避けられました。こちらをダブルスタンダード、二重基準だといって批判されていた向きもありましたけれども、そこについてはどう考えていらっしゃいますか。
- 答)
-
それは全然違うと思います。
- 問)
-
どのような点で。
- 答)
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だって個人に関わる話と全然関わらない話と一緒にしたらいけないのではないのですか。当たり前じゃない。だって自分が訴追される話は当然のこととしてしゃべらなくていい、当たり前でしょう。それはわかりますか。
- 問)
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わかります。
- 答)
-
だったら、ほかのことは、それに関係ないことははっきり言えたということだと思います。
- 問)
-
今日の予算委員会で総理が大阪地検の検査、財務省内の聞き取りで確たるものが出れば政府としてけじめをつけていくのは当然だと、このような趣旨の発言をされました。財務省というのも政府ですから、財務省としてのけじめのつけ方というのはどのようにあるべきか、またどうするべきか。
- 答)
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午前中の総理の答弁というのは書き換えに関与した職員に対して責任を問うべきではないかという、何党だったでしょうか、あの質問は。
- 問)
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民進党。
- 答)
-
民進党、調査や、いわゆる捜査が進んで、誰がどのように関与したのかが判断できた段階において政府としてけじめをつけていくという趣旨であったというように理解しているのですが、私共としては進行中の捜査が今やっている最中なので、そこに全面的に協力すると同時に、財務省として引き続き私共としてのさらなる調査というのを進めていく上で関与した職員の処分とかというものが必要な対応というのが出てくる段階というのは捜査が終わらないとなかなかできないところでもありますので、それが終わった段階で私共として対応させていただきます。
- 問)
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今、捜査や調査が終わった段階で処分というお話でしたけれども、書き換え改ざんに関しては理財局の一部がという話ですが、関わった人数が多いか少ないかによって御自身の責任というのも影響してくるとお考えでしょうか。
- 答)
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私共としては基本的にまずその全容の段階でどれくらいのものになってくるのか、まだ今全然わかっていませんから、その段階でいわゆる仮定の質問に対してお答えするつもりはありません。
- 問)
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昨日の記者会見で全容解明を期待するとおっしゃっておられましたけれども、率直に昨日の佐川氏の証人喚問で解明されたというふうにお感じになりますか。
- 答)
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先程私が答弁したのは聞こえていませんでしたか。
- 問)
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聞いていました。
- 答)
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それが答えです。
- 問)
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されたということですか。
- 答)
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少なくとも政府はこれまで証人喚問等のことについてはコメントは差し控えるということで、今日総理もずっと言っておられましたので、それと同じですと一番最初に言っています。
(以上)