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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成30年7月10日(火)9時43分~9時56分)

【冒頭発言】

先程の閣議において31年度予算の概算要求基準が閣議了解されております。31年度予算においては「新経済・財政再生計画」の枠組みのもとで引き続き手を緩めることなく本格的な歳出改革に取り組んでいく必要があろうと思っておりますので、各大臣においては既存の予算を抜本的に見直す、また概算要求の段階から予算の内容を十分に吟味していただいて、メリハリのついた予算編成につなげていただきたいということをお願いしております。
金融庁の組織再編及び幹部の人事異動についてですが、本日の閣議において金融庁組織令の一部を改正する政令が決定され、7月17日付で総合政策局及び企画市場局の新設、同時に検査局の廃止等を内容とする組織再編を行います。次に人事については、森長官についてはこのたび勇退、後任には遠藤監督局長を就任させます。遠藤監督局長の後任は栗田総務企画局参事官を就任させます。次に池田総務企画局長は勇退、新設する企画市場局長には三井検査局長を就任させます。同じく新設される総合政策局長には佐々木総括審議官、佐々木総括審議官の後任は中島総務企画局審議官を就任、氷見野金融国際審議官及び森田証券取引等監視委員会事務局長は留任、以上です。

【質疑応答】

 
問)

まず豪雨災害についてなんですけれども、先週から西日本を中心に大きな被害が出ています。国としては財政面でどのような支援をしようというふうにお考えでしょうか。

答)

100名を超える、数字がまだ、行方不明等増えてこられると思われますので詳しくはわかりませんけれども、100名を超えられる方々というような大きな災害になっておりますので、亡くなられた方々のご冥福を申し上げると同時にお悔やみ、またお見舞いを申し上げるところですけれども、今被害を受けた、主に3県が2桁台、いわゆる2名とか5名ではなくて30名とか50名台は広島、岡山、愛媛かな、そういう大きな県等、まだ災害の状況が正確にはつかみ切っておりませんので、そういった段階では何とも言えない段階ですけれども、取り急ぎ必要なもので、まず避難された方々が今日から30度を超えるような気温、今日は35度ぐらいに上がるという予想がされていますので、そういった方々にクーラー等を設置するというので、その費用等につきまして話が来ておりましたので、そういうものを含めまして総理から指示もありますので、そういったものに対応するような、さっさとやれるものからやっていくということで、ライフラインというものを確実に再建しなければいけません。同時に、そういった状況というのは、高齢者の方々にとってはそういった状況は極めて厳しいことになりますので、そういった方々への対応等をやっていきたいと思っております。予算がついていないからとか何とかというようなことでそういったことのないような対応をしなければならないということで指示をさせていただいております。

問)

まずは予備費を使うということでしょうか。与党の中からは補正予算も含めて検討したらどうかというような声もあったと思うのですが、いかがお考えでしょうか。

答)

補正が好きな人いますけれども、災害用の公共工事というのは一体幾ら予算がついているか知っていますか。それくらい、質問するなら調べておいた方がいいですよ。約700億円。予備費は。

問)

3,000億円規模だと思います。

答)

3,500億ですね、大体合っていましたね。よかったですね。3,500億円、合計4,200億円ありますから、まずはそれで対応させていただくという段階であって、額が全部出た段階で、その状況を見た上で予備費等が不足ということになった場合におきまして、いわゆる補正等を考えるというのはその後の段階で、まずは災害対策を考えております、公共工事の災害対策、それで予備費の3,500億円、合計4,200億円でまずは対応するというのが最初だと思います。

問)

概算要求の基準が閣議了解されましたけれども、来年度は骨太で示された歳出改革の基盤強化期間の最初の年、1年目でもあります。予算編成で主にどういった点を重視するか、改めてお願いします。

答)

予算編成の中でこれまでの中でいろいろな意味で社会保障関係費の伸びというのは極めて大きな伸びでこれまで来ておりますので、そういったものが今まで大体3年間で1兆5,000億円ということで、それが達成できたという形になっておりますので、引き続きそういったものをきちんとやっていくというところがまずは大事なところ、歳出としては。それから歳入としては、予算で思っていたより基幹三税、所得税、法人税、消費税等の基幹三税が増収になっておりますので、そういったものを予算に回すのではなくて、借入金、いわゆる国債の借金の返済等に充てる、したがって新規国債発行を2兆減らすのかな、予算に比べて。そのようなことをきちんとやっていく形で、財政再建と経済成長と両方というのをきちんとやっていくというのが基本なのだと思っていますので、経済成長を同時にやらなければいけないということなのですが、同時に来年は消費税の増税が2%ということになりますので、その分についてどうするかというところで、いわゆる反動減とか駆け込みとか、いろいろな変動する要素が大きいと思われますから、そういったものに関してはどのように対応していくかというのはあらかじめ変動が、前に上がり過ぎたり、下がり過ぎたりしないようなこと、なるべく平準化させるようにどういった予算編成、これは基本的には来年度の予算編成の過程の中できちんとやっていくことだと思うのですが、まずは概算の基準の頭として従来どおり8月末までに提出していただくことになります。

問)

金融庁人事について、このタイミングで森長官を交代される理由と、直近ではスルガ銀行のような問題もありましたが、この3年間の長官の功績についてどう評価されるでしょうか。

答)

この時期って、大体いつもこの時期ではないですか。

問)

3年たってというか、3年間やられてという。

答)

3年以上やった人がいますか。

問)

異例だと思うのですが。

答)

だから異例ではないになったわけですね、そういうことですね。別に特別なことでもないです。えらい事件そうな顔して言うから、そんな話でもないですよね。普通の話で、3年たったのでということなのだと思いますがね。森長官の実績、やっぱりこの3年間の間はテレビ局なんか随分たたいて書いてありましたけれども、それだけ実績がよかったのだろうね。テレビで書いているということは、いいということを書いている、たたいて書いてあるというのはいいことですよ。いいことですよって、たたくのがいいと言っているわけではないですよ、たたかれるような、いわゆる地方の銀行というのは人口減になっていく状況の中にあって、従来どおり、今までどおりの中小の銀行の経営というのは、地銀、第二地銀、信用金庫等みんな厳しくなってきている中にあって、どういったような銀行であるべきか、というのを推進してきたということになって、森長官の実績は極めて大きいと私はそう思っています。

問)

金融庁の組織についてお伺いします。先日、事務方から発表していただいたのですけれども、新しい組織はこういう組織を目指そうという金融庁発表がありまして、多士済々が集まる梁山泊みたいな組織を目指していくという、総括するとそんな感じだと思うのですけれども、あの考え方について大臣のご所感、いろいろ霞が関に対する批判は強いところでありますけれども、どのように期待されていますか。

答)

金融行政というのは、基本的にはこれまでも、いわゆる経済情勢が大きく変化して、今までは金があったら人が借りに来るという前提で経済学の本は書かれているでしょう。そういう本しか読んだことないでしょうが。しかし現在は、今は金があっても人は借りに来ないという、今までの経済学で習ったことのない時代が起きているのだから、当然のこととして金があっても貸してあげますなんて態度では、とてもではないけど借りに来る人はない、借りてくださいと言わなければいけないような状況にまでなってきているので、大きく情勢は変わっている。ましてや人口が減っているその地方、地域というのはよほどしっかりしていないとそのあり方が難しいということになっているので、金融監督庁が約20年前にできたときには、あのときはいわゆる金融と財政と分離する、財金分離という話でやったときには銀行が破綻する等いろいろな状況の中でやっていますので、銀行が破綻しないようにということで、金融行政をやっていくに当たって、その銀行の問題点を指摘して探す、そういったような金融処分庁的なイメージがあったのを、状況は大きく変わって、自己資本比率もえらい高いものになってきていますから、そういった意味では金融育成ということに基本的には転換してもらう、これは5年前から同じことを毎年言っているのですけれども、そういったような方法で今変わってきましたので、金融の中のあり方も随分変わってきていますから、金融庁の中だけで育ってきた人より、別の金融業から来た人やら何やらというものをどんどん入れて、金融業というのを別の意味から考えなければいけないということになっているのではないかというのに基づいてこの5年間かけて一応方向性は決まった、あとはそれに当たっての局の編成やら何やらを時間かけてやらせてもらったのだと思っていますので、この中からいろいろなものがどれだけ出てくるか、楽しみにしています。

問)

今回の金融庁人事についてお伺いしますが、監督局長に栗田参事官が抜擢されました。今回の新長官、新局長の中では最も若くて、昭和62年入省、旧大蔵省入省ということで若い栗田さんが抜擢されましたけれども、今回の人事の狙いについて教えてください。

答)

こういうところで聞けば適材適所に決まっているのだから、適材適所と思っています。

問)

遠藤新長官に期待されること。これまでのずっと5年間、大臣が進められてこられた改革のさらなる進展等を含めて、期待することを。

答)

遠藤に対して期待すること、森に比べれば人柄は何となく優しいのではないでしょうか。

(以上)

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