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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成30年8月3日(金)10時50分~11時06分)

【冒頭発言】

平成30年7月豪雨、いわゆる生活とか生業とか、そういう再建支援パッケージに基づく予備費の使用の第1弾として1,058億円というものを使用しますということを今日閣議決定しております。内容は災害廃棄物の処理といった「生活の再建」関係に必要な経費として162億円、中小企業の復興・復旧等を支援するグループ補助金や農業用施設の復旧、観光業の風評被害対策といった「生業の再建」関係に必要な経費として611億円、河川の浚渫等への緊急対応に必要な経費として16億円、仮設住宅の供与等の応急救助や自衛隊による災害派遣活動に要する経費として269億円を計上しております。一日も早い被災者の生活と生業の再建に向けて引き続き準備が整ったものから速やかに予備費を使用できるように対応していきたいと考えております。

【質疑応答】

 
問)

先月末の日銀の政策決定会合についてお願いします。日銀は緩和を継続すると説明しましたが、緩和強化をうたったフォワードガイダンスと長期金利の上限を引き上げる施策が混同していて、方向がわかりづらいといった声なんかも上がっております。今回の政策の修正についての大臣の受け止めと今後の財政政策についてのお考えをお願いいたします。

答)

我々は緩和の持続性を強化するものというように評価しており、いろいろな措置を十分に検討された上でやっておられるのだと思います。日銀において今後とも、このことに関しては、緩和じゃないといった意見もあるのであれば緩和だという方向であるということを、引き続き説明をしていただかなければいけないのだと思っております。

問)

省庁の再編についてお聞きします。自民党の行革本部が省庁の再々編を視野に入れた提言を取りまとめるとしています。受け止めをお伺いしたいということと、財務省については金融庁が分離してから18年たっておりまして、これまでに歳入庁といった構想なんかも浮上しています。現在の財務省の課題について認識されていることがあれば併せてお聞きできるでしょうか。

答)

甘利さんのところでそういう提言を、自民党の行革本部長をしておられるので、やっておられるので、私の方からこれについてコメントすることはありません。そういったご意見が党内で出ているということなのだと思っております。
もう1つ、財務省の話でしたけれども、財務省の今の課題について言えば、財務省の課題として今一番というのであれば、来年10月の消費税の引き上げ、これが確実に一番だと思いますね。次には経済再生と財政再建というのが二番目の大きな柱になって、そして今やっぱり、何ていうのだろうね、フィンテックに限らず、国際化に限らず、いろいろな意味でバーチャルな話になってきておりますので、経済社会の構造自体が大きく変わっていっているという状況なので、安定した税収というものをきちんと構築していくという観点から税体系全般についての見直しというのを行わなければいけないのだと思っておりますので、そういった点で1点。もう1点は来年6月にG20、福岡でやります財務大臣・中央銀行総裁会議、この4つぐらいが大きなところなのであって、財政とか税制とか国際金融等いろいろありますけれども、そうした分野でやっていかなければいけないと思っていますけれどもね。
それから歳入庁の話というのは、平成25年だったと記憶しますけれども、このときは内閣官房を中心に取りまとめられた論点の整理というのをあのときやったのだと思いますけれども、とにかく組織を統合して、社会保険庁と国税庁なんかを一緒にしたらどうだとかというような話だったのですよね、あのときは確か。そんな話だったけれども、そういうのを創設すれば年金の保険料の納付率の向上が図られる、というようなものではないというので整理が終わっていると思いますので、この点に関しては別に今更言う話もないなと思いますし、大体、社会保険庁って民間になったのでしょう。国税庁と一緒にして国税庁を民間にするというの。

問)

いえ。

答)

ということは社会保険庁をまた公務員にするという話だな。一緒にするということは、片方が民間で片方は官というわけにいかないだろう。国税庁の職員を民間にする。ちょっと考えられないだろう。そうすると歳入庁をもう1回役人にするという話なので、今の方向としては全然逆行しているのではないのかなと思いますけれども。年金の給付の話というのは昔からある話ですけれども、負担と給付というのは結びついているというところが社会保険庁の方なのですけれども、税の方は結びついているわけじゃありませんからね、主計局と主税局が結びついているわけじゃありませんから、基本的なあれが違っていますので、同一の滞納者で同時に納付折衝を行うというのは事実上なかなか事が混乱しますからというような話で、この整理が終わっていると思いますから、その点に関しての話がもう1回出てくることはないと思いますけれどもね。

問)

今日、一部報道でアメリカのインフラ支援で財投とかを使ったファンドの案が浮上しているというのがありますが、事実関係と大臣としての受け止めをお願いいたします。

答)

インフラ分野での協力については、もともと質の高いインフラというものは日本が言い始めた、3~4年前にG7で言い始めて、今なんとなく質の高いインフラ整備という言葉が定着しましたけれども、この分野についていろいろ日米間で議論を進めているところでありますけれども、ただいまの時点で基金を設立するみたいなことが書いてあったように記憶するのだけれども、そういうようなところで具体的な検討が行われているということはありません。

問)

先程の幹事社の質問の省庁再編に絡む話で1点お願いします。金融庁になって20年たつわけですけれども、麻生政権のときだと記憶しているのですけれども、麻生さんは霞が関がどうあろうとは別として大臣としてのガバナンスは金融庁と財務省を一緒に見た方がいいという判断をされたのだと思います。今もその立場なのですけれども、そのお考えに今後も、やられてみて、これは正しい道だというふうにお考えか、省庁がどうなろうと大臣としては両方見るべきだと今でもお考えでしょうか、それについてお聞かせください。

答)

そうです。

問)

その理由についてお聞かせください。

答)

現実問題として2つ分けているより、世界中で分けているというような形で行政を、担当大臣が別のところをほかに知りませんし、私共としてはそういったような形を、安倍内閣で1回、麻生内閣で1回、2回やったのだと思いますが、分離されたのは小泉内閣でしたかね、あのとき以来2回やったのですけれども、こっちの方がうまくいっていると実質的にそう思いますから。

問)

先日、環境省の方で1つ提言がまとまって、日本としても来年のG20に向けてESGの金融というものをちゃんと重視していこうと。これは政権としてやっていこうじゃないかということを環境省が中心になって呼びかけるように提言がまとまったのですけれども、来年のG20に向けてということなのですけれども、大臣としてESG金融について何かお考えがあったらお聞かせください。

答)

今の段階で環境省からその種の話が正式に来ているわけではありません。しかし、そういった考え方がいろいろなところで言われている、何も昨日今日始まった話じゃありませんから、前からその種の、考えていくべきじゃないかというような話は前からあった話ですけれども、今、環境省クラスで具体的に上がってきているという事実はありません。

問)

野田大臣の情報請求の、開示請求の内容が漏出した問題で、その後の調査状況と処分に対してのメドみたいなものがあれば教えてください。

答)

事実関係を詳細にやって今検討しているという段階だと思っているので、さらに検討を進めている段階なので、今の段階で報告できるような段階にはないというように理解していますけれども。

問)

8月1日、2日にイランの核合意から離脱したアメリカと第2回目のイランの制裁に関しての日米協議がなされたと思うのですけれども、その中でどういった話し合いがなされたのでしょうか。1回目ではアメリカの方から原油の輸出停止というのを要求されていたと思うのですけれども、今回は。

答)

少なくともこの8月1日、2日の間でこういったかくかくしかじかの話という、事務レベルで対イラン制裁に関する協議が開催されたということは我々として承知をしていますけれども、それについてコメントする立場には、今の段階でいかがなものかと思いますので、私として、財務大臣としてそれに対してコメントすることは差し控えさせていただきたいと思っていますが、米国による対イランの制裁というのは、いわゆるエコノミック・サンクションということになるのですけれども、そういったようなことに及ぼす影響というのは日本の銀行とか、あそこにあります企業等に影響が出てくることになり得ると思っていますので、そういったことに関しては財務省としてというか、日本政府としてアメリカ政府との間で引き続きこういったものに対して適切に対応していってもらわなければ困りますよという話はやっていかなければいけないところだと思っています。

問)

日米の経済対話の傘下にあるFFRなのですけれども、茂木大臣の日米の貿易交渉なのですけれども、日程が9日に決まったということなのですけれども、どういった議論を期待されるかというのをまず教えてください。

答)

ライトハイザーとの間で延び延びになっていたので、別にこっちが延ばしたわけじゃない、向こうがやりたいと言うからこっちが言ったときに向こうが返事をしてこなかったという話だろう。延び延びにさせたのは向こうであって、こっちじゃないからね。いかにもこっちみたいな話を書いてあったように記憶するけれども、明らかに違っていますからね、あれは。その上で日本としてはやろうという話を言って、9日に決まったということなのです。けれども、今、TPP11になって、それから日本と欧州連合の間の、いわゆるEPAの協定の早期発効というのが今取り組んでいるのだと思いますけれども、アメリカとの間でも自由貿易とかいろいろな貿易体制の多角化に向けて、いろいろやっていかなければいけないという騒ぎになっているのだと思います。少なくとも日本とアメリカの両国は開かれたインド太平洋という地域においていかに協力すべきか、というような話が、建設的な話が議論されていくということにしないと、何となく今出ている流れだけ見ていると、何となく範囲が狭まるような感じの話になっていますので、それよりはむしろ広げるような方向で考えてしかるべきなのだと思っていますけれどもね。

問)

もう1個、予備費の方なのですけれども、まだ予備費は余裕あるかと思うのですけれども、今後復興に向けてどういった方針で進めていかれるかというのを教えてください。

答)

少なくともこの種の話は、昨日総理からも指示がありましたけれども、我々としては予備費というものに関して、まだ余裕があるといっても、今回の大洪水というのは極めて大きな被害が出ていますので、こういったものに関して早急に対応できるということには早急に対応できますけれども、被害の総額というのはまだわかっていませんし、行方不明者がまだ未確認という状況にありますので、最終的なことが決まっているわけじゃないので何とも言えない段階で予算の話と言われても私らとしては、額が決まっていない段階で話はできません。少なくとも昨日の知事さん方3人来ておられましたけれども、3人の知事さんに対してはいろいろな問題に関して、いわゆる金がないからとかということで対策が遅れるというようなことはないですよと。責任だけこっちに振らないでよと。あんたらちゃんと自分できちんとやるのよと。その上で金の話をしてくださいねという話はしてありますけれども、そういった意味では私共としてはどれくらいのものになってくるか、何とも言えませんので、それを見た上でいろいろな検討をさせていただくということになるのだと思います。

(以上)

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