麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成30年9月21日(金)11時02分~11時18分)

【質疑応答】

 
問)

昨日、自民党の総裁選で安倍首相が3選されました。一方で地方にアベノミクスの効果が十分に浸透していないと訴えた石破候補も党員票の方では一定の支持を得る結果となりました。その受け止めと来年の消費増税を含めて今後の経済・財政運営に与える影響についてどのようにお考えか。

答)

総裁選挙の話を財務大臣に聞いているというわけですな。それに対してコメントすることはありませんから、それはないです。消費税の話は、少なくとも総裁選挙の最中にも消費税は基本的には上げさせてもらいますという話で、リーマンショックみたいな出来事がなければという話を安倍総理も発言をしておられると記憶しますので、そういった意味ではいろいろ政策を動員して消費税というものの2%アップを来年10月、予定どおり上げられるような状況をつくり上げていくというのに全力を挙げる、そのための予算編成等を考えなければいけないということだと思っていますけれども。

問)

安倍総理が昨日の記者会見で臨時国会に災害対応の補正予算を提出する方針を示されましたが、現時点でその規模と財源確保の見通しについてお考えがあれば教えてください。

答)

昨日の総理会見で、臨時国会で補正予算の話というものを表明されたのだと承知しているのですけれども、少なくとも補正予算の内容としては一連の災害対策というのが当然出てきます。そのほか小中学校のクーラーの話とかブロック塀の話とかいろいろありましたので、そういったものに対して編成するということになっていくのだと思いますけれども。規模については少なくともまだ災害が最終的にどれだけという確定した数字が出てきているわけではありませんから、そういった意味では状況等を踏まえながら今後検討していくということになるのだと思いますけれども、いずれにしても示された方向が出ていますので、編成作業というのをやって、とにかく一日も早く被災者の方々の安心というようなものに配慮して必要な支援というのを講じていかなければいけないということなのだと思いますね。

問)

暗号資産、新聞ではまだ仮想通貨と言ったりしていますけれども、また新しい不正流出の事件が発生いたしました。

答)

テックビューロの話ね。

問)

テックビューロです。今度は67億円ぐらいだと言われていますけれども、またこうなったことの御所感について、金融行政の立場からお聞かせください。

答)

このテックビューロという会社についてはこれまで業務改善が2回か3回か出ていると思いますね、確か。そういったところなのですけれども、不正流出がまた起きたというのは甚だ遺憾な話なので、これはシステムに問題があるのだろうし、ガバナンスにも併せて問題があるのだと思っているのですけれども。少なくとも業務改善命令を出して引き続きこういうことが起きているということは、報告徴求命令を18日だったかな、出して。事実関係とか顧客対応について報告を出せということを求めているところで、昨日立入検査も実施して詳細を今確認しているところだと思っていますので、いずれにしても実態をよくもう1回把握をし直すとともに、利用者保護という観点がありますので、そういった意味では必要な行政対応というのをやっていかなければいけないと思っていますけれども。最初45億円と思っていましたが67億まで増えてきていますし、顧客のものが45億か、あと自己のものが20何億あるのだという話だと記憶しますけれども、ですから私共としては今後、今幾つでしたかね、前回やったのが、問題を認められた登録業者が7、みなし業者が10社に対してそれぞれいろいろ対応させてもらったのですが、いずれにしても中間取りまとめというので公表した部分がありますので、そういったものを含めてさらにきちんとした対応をやって、検査で把握した問題点が出てきますので、それをきちんと厳正にモニタリングしていかなければいけないということで、さらに進めていかなければいけないところだとは思っています。

問)

前回大きな流出が起きたコインチェックと違って、今回のテックビューロについては一度金融庁がお墨付きと申しますか、登録を認めた業者であるという違い、これが逆に問題を深刻にしているのだと思うのですけれども。そうなってしまった会社の方もお墨付き企業であることを1つの宣伝文句に使っているわけですけれども、そこがこういうことを起こしてしまった金融行政としての、そもそも登録することが正しかったのかどうかも含めてお聞かせください。

答)

甚だ遺憾な話なのですけれども、間違いなく今年1月だったかな、2月だか、2度にわたってこの会社は検査を実施しているので、業務改善命令を2度出しておりますので、そういった意味ではもう1回きちんとした対応をやって、対応をしていかなければいけないところだと思っていますけれども。いずれにしてもこういった仮想通貨、暗号資産を取り扱う業者を今後どうしていくかという話に非常に影響してくるところなので、こういうものをきちんと育てていかなければいけない、ブロックチェーンなんていう大した技術が出てきますので、そういったようなものをきちんとやっていくという意味においても、こういった業者が出てくるというのは非常に残念なところなので、引き続き実態というものを十分に調査した上で必要な行政対応を講じていかなければいけないところだと思っています。

問)

先程大臣、総裁選については財務大臣の会見なので答えないとおっしゃいましたけれども、財務大臣としても伺いたいので質問させてください。選挙期間中、石破さんは大臣が適材適所とおっしゃった佐川前長官や福田次官の辞任、また自殺者を出した公文書改ざん問題についても石破さんは安倍総理との討論の中で批判されています。

答)

テレビ朝日の番組だったな、あれは。

問)

「報道ステーション」の中だと思います。これまでの麻生大臣の言動や対応が今回の石破さんの党員票45%を獲得するに至ったこの選挙結果にどう影響したか、影響があったのか、大臣はどうお考えでしょうか。

答)

全く関係ないと思いますね。

問)

全く関係ないという点ですけれども、批判の声が上がっていましたけれども、関係ないというのは信頼回復できているから関係ないのか、なぜ関係ないとお考えに。

答)

そういうことによって影響されている話で、何%という話は出てこないのだと思うのですね。我々見ていて、前回6年前、石破さんは何票取った?

問)

55%を獲得されています。

答)

前回の総裁選挙で石破候補と安倍候補と2人になったでしょう、最終で。あのとき最終決戦で石破さんは何議席取った? 議員数で。

問)

89議席です。

答)

89人ね。あのときの国会議員の数は?

問)

197です。

答)

198ね。それで89議席。今回は?

問)

405のうちの73ですね、議員票で。

答)

ということは200が400に増えて、89が73に減ったのではないの。

問)

すみません、党員票45%の方で伺いたく。

答)

議員の方がよく見ているからね、本人を。報道機関の記者として石破さんという人を見ている目と、議員として一緒に普段いる人たちの見る目、どっちの方を、代議員というのはそういう制度だから。少なくともそういった者が、見ている人たちの票が倍に増えなきゃ普通おかしいのが、89から160いったっておかしくないのが73に減っているという現実は、我々政治の世界にいる者にとっては極めて大きいのだと思いますね。それから世論調査というのは、大体こういうのは6対4ぐらいになるものだと思っていますから、私共としてはそういうものだと思って最初から甘利さんなんて55ぐらいなのではと言っていたのではなかったですかね、私の記憶では。だからそういった意味では善戦とも思わないし、最初からそれくらいだろうなと思っていましたから、そういう数字だと思っていますから、特に、議席がえらい少ないなとは思いましたね。

問)

日米の経済対話についてお伺いします。安倍総理はトランプ大統領との首脳会談を来週行う方針を明らかにされていますが、麻生さんはペンス副大統領との経済対話を開いて貿易について協議されるお考えはあるでしょうか。

答)

今の段階であり得るとしか言いようがありません。

問)

副総理は訪米されるご予定はあるのかどうかというのを確認させてください。

答)

今の答えとほとんど同じだと思いますけれども。

問)

今後の政権運営についてお伺いしたいのですけれども、昨日総裁選後に一時、日経平均が、石破さんが善戦したことによって今後の政権運営に不安が出たということで、終値自体はプラスになったのですけれども、一時ちょっと下げる場面もありました。今後のマーケットのことも含めて、石破さんが善戦したことによって政権運営に影響がどのぐらい出るのかというのをどのように閣僚の1人としてお考えでしょうか。

答)

あまりないのではないでしょうかね。

問)

それは人事面なども含めて関係ないというふうにお考えでしょうか。

答)

そうでしょうね。人事の話は少なくとも、報道機関のやたら好きな話だね、今から来月までずっとその話ばっかりで飯食おうという話なのだろうけれども。人事の話は、人事権は総理大臣の専権事項ですから、俺に聞いてもそれは無理ですな。

問)

報道などでは麻生さんは留任されるという報道も出ていますけれども、安倍政権、今後3年間続くわけで、その中で石破さんが善戦することによって石破さんの政策だったりとかというのを安倍政権の中で取り入れる可能性というのもあると思いますか。

答)

まず、善戦というのはそちらの社の見解ね。もしくはあなた自身の見解。だけど俺はさっき言ったように89が74に下がったというのは善戦なんて思ったことはないね。初めから予想どおりだったから別に、それより議員数は少なかったかなと思って、善戦にそちらはしたいのだなというのはわかる、気持ちはわかるよ。だけど俺、善戦とは思っていないから。多分ほかの人もそう思っている人は多いと思いますよ。だからそういった意味では、それによって特にどうのこうのと影響してくるとはとても思えませんけれどもね。

問)

先程麻生大臣、安倍さんのことをよく見ている、議員票が大事なのだという結果を尊重されていましたけれども、それは逆に党員票を軽視されているようにも聞こえるのですが。

答)

そういう具合にとる会社なのだね。私としては普通、常識的に言って、そばにいる人の方がよく見えているのではないのという話を率直にしているだけですけれどもね。それを軽視しているようにつくり上げたいのがそちらの社の考え方か、それとも君の考え方か知らないけれども、軽視しているつもりは全くありませんよ。だって前より増やしているのだから。今回、少なくとも党員票が幾つ増えたのです? 党員票、何票増えたのです?

問)

前回と比べてですか。実数値でおっしゃっていますか、パーセントではなくて。

答)

絶対票が増えたろう。前回は何票だったのですか。党員票の比率を議席数まで上げたのだろう。だから400に増えているのだろう。議席が400増えたから、それに合わせて、議員総数に合わせて地域総数もそれに合わせたろう、数字を。一番肝心なところはそこでしょうが。パーセントなんかどうでもいいよ。そこが一番肝心なところ。ということは議員票と同じ分だけ地方票を大事にした結果を出したのではないの、それは。それがどうして軽視しているという話につなげたいのだね。

問)

ということは45%もの方が石破さんに、安倍さんでは今後の参院選とか選挙を戦えないというふうなお考えをされたということは、今後何かこれまでの一連の政策であったり、対応であった部分は反省されて変える部分も出てくるというか、何か検討すべきということなのでしょうか。

答)

安倍総理が決められる話だとは思いますけれども、私自身でそういったことを、最初からそれくらいあるものだと、2人で選挙すれば大体6対4になるのが普通ですから、別に驚くことはない話で。選挙というのは51対49で初めて選挙、小選挙区制というのは、1対1でやっている小選挙区ですからね。だから1対1でやれば51対49で初めて選挙というものになるのだと思っていますから、そういった意味では私共はその意味で、その点に関して特にこれによって地方票が何とかだというような感じを大きくとらえているということはないと思いますね。

(以上)

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