麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成30年10月23日(火)11時13分~11時30分)

【質疑応答】

 
問)

中央省庁による障害者雇用の水増しについてです。財務省の外局である国税庁は1,103人と最多であることが判明しました。大臣として改めて受け止めと再発防止に向け、今後どう取り組んでいくかをお聞かせください。

答)

今般、財務省、国税庁を含みます多くの省庁で、障害者雇用率の制度の対象となります障害者の計上が不適切であったということが判明しております。法定雇用率が30年度以降は2.5%ということを達成していないということが明らかになったということは、民間に率先してやらなければいけない官庁としてそういったようなことはきちんと取り組むべき立場にあるものが怠っていたということで大変重く受け止めております。本日の関係閣僚会議においても総理の方から、事態を深く反省し、真摯に重く受け止めること、組織全体として障害者雇用を推進するという意識を徹底して再発防止に取り組むことなどの指示があったところです。したがいまして、私の方から先程事務方に対して、今般のこの事態について厳しく注意をするとともに、障害者雇用の推進については改めて申し伝えたところであります。再発防止、さらには法定雇用率の速やかな達成に向けて速やかに、これは各省で取り組んでいかないと、一度にやると人数は限られているので集中することになっていろいろな問題が発生しますので、きちんとしたことも考えてやっていかなければいけないのだろうと思っておりますけれども、いずれにしても他省庁等とよく連携をした上でやっていかなければいけないところだと思っています。

問)

先週19日に財務省の改革案が公表されました。森友学園の問題とか前次官のセクハラ問題を受けた改革案だと理解しておりますが、これについて大臣のコメントをいただきたいのと、改革案があってもいかに実行するかというところが今後重要になってくると思いますが、これを組織としてしっかりコミットしていくために大臣がこの改革案についてこれまでなされたことなり、これからなそうとされていることについて伺えますでしょうか。

答)

進捗報告というのがなされているのだと思いますけれども、一連の問題行為があったが二度と起きないようにするためにどうするかという話なので、コンプライアンスとかよく言われる話になるのだと思いますが、そういったもののために徹底して組織の改革を進めていくということになるのだと思います。この報告ではいわゆる研修を徹底的に実施していく、またコンプライアンス推進会議のアドバイザーに外部の有識者を入れる等、今までやったことがないようなことを今やりつつあるのですけれども、加えて一連の問題行為が発生した組織というものにはそれなりの風土があるのだと思いますので、そういったものをその時代にふさわしい仕事のやり方というものに、もう1回きちんと見直さねばならないところがあるのではないかということで、組織の改革をしていかなければならないのではないかといったことを考えております。それから、職員と省外、役所の人と外のコミュニケーションというものを行っていくに当たって、わかりやすい言葉で対話できることも重要だと考えているのですが、財務省のいわゆる組織風土の改革に取り組むに当たっては、いろいろなことを考えなければいけないので、これまで何十年やってきた組織というものがそう簡単に変わるとは思いませんが、少なくとも私共としては秋池さんという方に必要な取組を主導いただいたり、一連のことをずっとやっていただいているのですけれども、これができたから、はい、すぐできるか、そんな簡単なものでもないと思っていますので、引き続きこれに関しては岡本次官をはじめ幹部職員にきちんとこの点を奨励しながら今やらせていきたいと思って、主に矢野官房長をしてこれに当たらせているというのが今の実態です。

問)

財務省におかれましては2011年に改革の提言50というものがなされて、その改革自体は職員の方々の受け止めとしては、それがこの7年なり実行されてこなかったと。やはり組織のトップとしてのコミットが必要だと思うのですけれども、どのような形で大臣はコミットを示されるおつもりでしょうか。

答)

引き続きこれに関心が持たれているということを言い続けない限りは無理ですな。どこの組織でも。そういったものだから、そんな簡単に直るはずがないと僕は思っていますので、丁寧に時間をかけて引き続きこの種のことをたびたびやっていかなければいけないというのが大切なので、それに対して上が関心を持っているという意識をきちんと下に徹底させていくというところが一番肝心なところだと思っています。

問)

先週、KYBの免震ダンパーのデータ改ざんに関して、改ざんの疑いがある70の庁舎が公表されまして、その中で財務省の本庁舎と財務省の入る中央合同庁舎の4号館がその中に入っていました。この改ざんに対する受け止めと、今後交換などを求めていくのかどうかなど、今後の対応についてもお願いします。

答)

財務省の耐震改修工事で、カヤバだったか、KYBの免震構造の話が出ているので、俺のいる部屋が最も危ないという話だったから、だったら最初に逃げなければいけないなあ、なんて6年前に言われた記憶があるのですけれども、何となくそのときの話を、記憶を思い出しましたけれども、我々としては不適合というのを確認しているところでもありますので、いわゆる確認結果というのが出てくるのでしょうから、工事の発注とか施工監理というのは財務省ではなくて国交省でやっているのかな。そういったところでやっているのだと思いますので、そういったものについては国交省においてきちんと確認をしていかなければいけないところだと思います。どれがどれくらいになるのか、我々にはよくわかりませんから。

問)

政策に関してお伺いしたいのですけれども、昨日未来投資会議において健康寿命の延伸とか予防医療の推進といったことが各論において議論が始まりました。財政上においては社会保障費の抑制というのが喫緊の課題だと認識しておるのですけれども、こうした健康寿命の延伸、予防医療の推進といったものが社会保障費の抑制に与えるインパクトをどのようにお考えでしょうか。

答)

誠に望ましいと思いますよ。望ましいと思うけれども、それがどれくらいなのか。俺には正直わからない。みんな言うよ。俺は言っておくけど、78歳で病院の世話になったことはほとんどない。なりっぱなしの人はいる。生まれつきなのはあきらめる。しかし、自分で飲み倒して、運動も全然しないで、糖尿病も全然無視して、何とかかんとかになったという人の医療費は健康に努力している俺が払っている経費かと思ったら、あほらしゅうてやってられんと言った、ある我々の先輩がいたので、いいこと言うなと思って聞いていましたよ。その人、事実ほとんど病気されずにやっておられましたが、よくきちんと、俺より年上だったし、俺より健康をきちんとしておられるなと思って感心して見ていた人がいたのですけれども、その人とその隣にいた、そうじゃないのがいたので、その人を指さして面と向かってその人に言っていたのがすごい印象に残っていますけれども。今後ともこういったのが、やっぱりみんなでやっていくという努力をやるためには、そういうようにきちんとやろうという意思を持っている人と持っていない人との差というのが全体の予算に与える影響がどれくらい出てくるのかというのは正直わかりませんけれども、少なくともそういった努力をしている人に対して、こういう努力をした人に対してはきちんとしたものが与えられます、何がいいのですかというのは真剣にみんなで考えてもらわないといけないところなのであって、それがインセンティブになるかどうかというのはちょっとわかりませんよ。そんなもの、金をもらっても俺は飲みたいだけ飲んだ方がいいやという人もいるかもしれないからね。強制的なことができるわけじゃないだろうと思いますので、そういった意味ではきちんとしたアイデアというものを、強制的じゃなくてみんながやる気になって、全体として医療費全体の、予防医学という世界なのでしょうけれども、そういったものがきちんとやっていけるというような状況を国民がどれだけ持ってくれるか。日本人というのはかなりその意識が高いから平均寿命がこれだけ世界の中で高いのだと思いますから、それがどれくらいいくか、健康寿命と平均寿命の差が短ければ短いほど医療費は少なくて済むという計算でしょうから、それは同時に財政の支出が減るということになりますから、大きな意味があると思いますので、どういった形になるか、これは今から世耕さんのところかな、生涯現役社会の実現に向けた議論をしていかれるということだったので、いろいろなアイデアが出てくるので、何も厚労省に限らず、運動やら何やらの点でいけばスポーツということにもなるのだろうし、いろいろな意味で自治体の取り組みというのもあるでしょうし、いろいろな形のものが今からみんなで考えなければいけないということだと思いますけれどもね。

問)

健康寿命と寿命の差というのは、健康寿命が延びた分だけ寿命が後に行って、不健康な期間は変わらないと。その分、後ずれする分、社会保障費が増える、というのが定説になっていると思うのですけれども、財政審でも財務省はそういう主張をされたと理解しているのですが、大臣としてはこういった議論と未来投資会議で行われている議論、若干、私から見ると齟齬があるように見えるのですけれども、大臣はどういうふうに整理されているのでしょうか。

答)

今言っているのは、今までのやつを単純延長したらそうなりますよ。当たり前の話でしょうが。だって平均寿命がそれだけ延びればね。そういったことになるから、平均寿命が延びたからガンの発生率がこれだけ増えているのだと、お医者さんに言わせると、昔はガンが発生する前に亡くなっていたのだからという話もよく聞かされた話ですけれども、どういうことか医学的なあれをよく知っているわけではありません。ただ、今言ったように、これまでのを単純延長すればそういうことになりますから、少なくとも予防医学とか、いろいろな意味でそういったものにきちんと対応している人を重用するとか、もっと平均に、働いている人ほど病院に行っている比率が少ないとか、いろいろな数字がいっぱいありますから、そういった意味では間違いなくいい傾向だと思いますし、少なくとも65歳、75歳、平均年齢でいくと、日本人の75歳の人が歩くスピードは10年前の65歳の人のスピードと同じですから、そういった意味では明らかに健康になってきているという率が高くなってきていることは、その数字の上から見ているとはっきりしているなとは思いましたけれども。いずれにしてもそういったものがどういった意味で、いい意味で回ってきて、少なくとも医者にかかる、病院に行く、そういった医療費を平均寿命が延びた分だけ正比例して医療費が伸びるというようなことではなくて、少なくとも健康に努力してくれる人が増えるということは大いに結構なことなんじゃないのですかね。その人は働ける状況にもなりますから、そういった意味では少子高齢化という問題で抱えている労働人口の問題にも関与してくる話だと思いますけれどもね。

問)

消費税増税に関する平準化などの経済対策に関してお伺いします。財界からは、来年の消費税10%引き上げのときに間に合う部分と間に合わない部分が出てくるのではないかと。例えばキャッシュレスの部分だったりというのは相当早く準備しないとスムーズに立ち上がるかどうかがまだわからないというような声も上がっています。キャッシュレスは今回の経済対策で大きな部分だと思うのですけれども、導入の進捗が悪かった場合に対策がうまくいかない可能性があるので、消費税増税が先送りになるという可能性はあるとお考えでしょうか。

答)

期待感を込めてしゃべっているの。

問)

期待感を込めています。

答)

あなたの気持ちはわかったけれども、基本的にはこの間の総理の発言からも明らかなように消費税は予定どおりやらせていただきます。それに対していろいろ起こるであろう話というのは今いっぱい新聞に書いてありますよ。その中でどんなものが検討されているのか、俺の方が知りたいぐらいだね。へえ、あんなことを検討しているのと。経産省に聞いても、それは新聞に書いてありましたが、うちは全く検討していませんなんて話は、そういった意味では主に検討している事実はありませんとか、そういった様子は全くありませんという話ばかり書いているので、こっちが嘘つかれているのかどうか知らないよ、わからないけれども、でもそういったことになっていますので、内容を詳しく知っているわけではありません。いろいろな混乱を少なくさせるために、少なくともいろいろなところで勉強会を2万7,000~8,000回やりましたかね、そういったものをやっても、いろいろネットで流しても、かついろいろな混乱がまだ起きるであろうということは、いろいろ予想はつきますが、軽減税率が入ってくればそういうことになりますから、それはある程度起きてくるだろうとは覚悟しておかなければいけないところだと思いますけれども、だからといって消費税を引き延ばすというつもりはありません。

問)

報道や公明党からプレミアム商品券の話が出ていますが、キャッシュレスの検討は経産省でというお話をされていましたが、プレミアム商品券だと恐らく財務省が検討することになると思うのですけれども、両省間の立て付けだったり、対策というのは今のところ、調整とかは進んでいたりするのですか。

答)

ありません。

問)

先程の大臣の発言で確認させていただきたいのですけれども、不健康な人の医療費を健康な人が負担するのがあほらしくてやっていられないというのは、これは大臣のご見解としてもそうだということでしょうか。

答)

引っかけようという意図が見え見えの質問でわかりやすいね、あなたの質問も。基本的には人間生まれつきがあるのですよ。あなたが、どれくらい運動能力があるか知らないけれども。運動能力がある人から見れば、運動能力がない人は全然違うものですから。しかし、運動能力があっても努力しない人がいるのですよ。健康であっても。そういった意味では生まれつきのものがありますし、だから一概にはそういったことが言えるというような簡単な話ではありません。あなたが考えているほど世の中は簡単にできていませんよ。

(以上)

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