麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成30年11月16日(金)9時40分~9時50分)

【質疑応答】

 
問)

GDPについてお伺いします。7-9月期のGDPが2四半期ぶりにマイナスになりました。自然災害の影響が大きかったということですが、輸出が5期ぶりにマイナスになるなど景気回復基調に暗雲という見方もあります。先行きや考え得るリスクについて大臣の御見解をお聞かせください。

答)

マイナス0.3、年率で1.2、そういった意味で今言われたように自然災害、台風等ありましたので、この7-9月期はその影響が大きかったでしょうね。米中の話やら何やらいろいろありますけれども、企業収益自体は過去最高、雇用環境はいいですし、失業率は2.3。そういった意味では景気の全体の流れとしては確実なものなので、今言ったような状況で影響があったというふうに考えていますので、全体としては別に特にという感じはありません。

問)

消費増税の経済対策についてお伺いしたいのですけれども、前回5%から8%に上がったときには経済対策5.5兆円だったのですけれども、今回の経済対策というのはこれよりも規模感として大臣のお考えとして大きくした方がいいとか同等のものとか、何か規模感みたいなものは。

答)

いろいろ考え方はありますけれども、3と2は違いますし、あのときの増税総額は国分で6兆円ぐらいだったろう、あのときは。今回のやつの増税はその3分の2しかない。軽減税率がくっつく、その他いろいろやりますので、まず絶対額に違いがあるのが1つ。もう1点は、景気感があの頃とは大分違いますから、今の企業収益もいいし、いろいろな意味でのその他の経済指標の方があの頃に比べればいいですから、そういった意味では今言われたように、経産省がいろいろ言ったり、公明党の方がいろいろ言っておられますけれども、どれぐらい必要なのかねというのはちょっと正直わからない、今の段階では。

問)

何かしら経済対策に上限というか、そういうものを設けるような考えというのはおありですか。例えば社会保障なんかだとシーリングみたいなものを設けていますけれども、財政再建に向けてあまりばらまきみたいな形になるとまずいと思うのですけれども、その辺いかがでしょうか。

答)

社会保障と税の一体改革というのがもともとの最初だったのですから、そういった意味では社会保障と税の一体改革ということでこれまで進んできて、その中の一環として財政再建というのが大きな柱の1つですから、そういった意味では今言われたようにばらまいた結果どうなったかといえば、えらいことになって、そっちの方が全然進まなかったじゃ、それは話が違いますので。そこのところを考えながらやらなければ、バランスとってやらなければ、難しいところですね。

問)

何か上限みたいなものは。

答)

考えているわけではありません。

問)

平準化対策とインフラ強靱化対策、これを合わせて上限はあるかどうかという話なのですが、実際のところ、人手不足で事実上の上限とかはあったりしないでしょうか。その辺の御見解をお願いします。

答)

そこはわからないね。人手不足という点はいろいろな意味でこれから対応していかなければいけないのですけれども、人手不足になりますよとずっと前から言ってあった話だと思って、何も今さらじゃないのではないですかと。例えば新聞配達で外国の人を使わずやっている会社なんてあるか。明日から夕刊要りませんと書いてあってもずっと配っていて、日本語読めないから。昔から言われているじゃないか、その話。他方で、この間もユニクロに行ったけれども、全員外国人で、インドネシアの人とブータンの人だったかな、韓国の人と3人いて、流暢な日本語だったな。国会議員の日本語よりよっぽど上等な日本語使っているのもいたな、1人。えらいうまい、日本に何年だと言ったら、4年。4年でそんなに日本語できるの、へぇと思ったけれども、そういう人が今いっぱいいるという実態で補っている部分というのはかなりあると思いますよ、現実問題として。ですから、そういった意味では、正直言っていろいろな意味で対外政策として考えていかなければいけない大きな問題ですよね。だからフランスだけ成功しているじゃないかとよく外国プレスは言っているだろう。フランスはいつからやっているのだよ。あれはド・ゴールのときから始めているのだからね、少子化対策というのは。ド・ゴールっていつだね、あなた。戦争が終わってすぐの話ですよ。あの頃からフランスはいわゆる少子化対策をやってきたので、フランスというのは、それでちゃんと出生率2程度を維持しているのだ、あそこは。大したものなのだね、あの人は。戦争で大量のフランス人が戦死したとかという背景もあるのだとは思うけれども、じゃあドイツで同じような対策をやったかといえば、やっていないからね、そういった意味では先読みしていたのだろうね、ド・ゴールという人は。そんな感じがしますよ。だからそういった意味で、こういったものは長期的なことを考えてやっていかないと、日本にとっては非常に大きな問題になるのだと思いますから、我々としては少子化対策に対してどういうものが有効的か、フランスが何をしてきたかというようなことをきっちり調べてやっていかなければいけないところかなというのは、私は厚労省に対して随分前から、政調会長のときだったかな、もう20年ぐらい前の話だね、その頃から言っていた話なのですけれども、今そういったのがいろいろな形で出てきているので、最近の外国人の受け入れの話ばっかりになっていますけれども、そういった話ではなくて長期的なことを考えないと国全体としてはなかなか難しい運営になってくるのだと思っていますけれどもね。

問)

大臣のご指摘は外国人受け入れ、入管法改正が通らないと、そんな大盤振る舞いもできないということですか。

答)

大盤振る舞いって何を基準に大盤振る舞いか、何となく人をはめてくる質問の仕方というのは得意だけれども、大盤振る舞いの基準がわからないから何となく答えようがありませんけれども、なかなか予算をつけても人手がないから事が動かないということは地方の人手不足の話を聞いていれば間違いなくそうなる可能性が高いと思いますね。

問)

先日、自民党の園田博之さんがお亡くなりになられたのですけれども、麻生内閣のときも党務の方でずっと経済対策、税と社会保障の一体改革であるとか消費税の引き上げをどうするかということをずっと考えてこられた方なのですけれども、お付き合いのあったお一人としての御所感、お考えをお聞かせください。

答)

親父さんとは大分違う男だったと思いますけれども、保利耕輔政調会長のとき園田博之先生が政調会長代理を受けてくれるのが条件というので保利耕輔先生は政調会長を受けられたという記憶がありますけれども、あのとき俺は総理大臣をしていたのか、そういった記憶がありますけれども、いわゆるそういったようなものの表舞台に立たなくて裏で支えるということに関しては間違いなく政策等に関してえらく冴えている人だったという意識がありますね。きちんとパッパッと整理ができている人だったし、何か言っても全然結論が出ない人はいっぱいいるけれども、あの人はきちんと結論が出ていたな。政治家としては惜しい人ですな、そんな感じがしますけれどもね。

(以上)

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