麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成30年12月25日(火)10時30分~10時38分)

【質疑応答】

 
問)

26日で第2次安倍政権発足から6年となりますが、デフレ脱却などをはじめ、今後の経済運営の課題についてお聞かせください。6年間の受け止めと、さらに今後どんな課題があるか。

答)

6年前、政権を奪還した頃は資産のデフレーションによる不況というものがずっと継続している状況だったと思っていますが、少なくとも資産の、いわゆるデフレ脱却と言うけれども、デフレでも好況もあれば不況もある、インフレでも好況と不況があるのと同じですから、デフレ脱却ではない、デフレ不況脱却というのが正確だと思うのですよね、デフレ不況の脱却というものを目指してこの6年間やってきたのですけれども、デフレ不況という状況ではなくなったというのは企業の収益を見ても、また賃金のアップにしても、ベアなんて言葉が、ベースアップという、あなたの世代なんかベースアップなんかなかったろう、入社してこの方。ベースアップ、昔はあれが当たり前だったのですけれども、ベアなんて言葉が復活するほどの騒ぎになりましたから、そういった意味では確実に賃金の上昇、設備投資も確かに起きるようになったとは思いますが、企業の収益、利益の割に賃金への労働分配率を見ても、また設備投資への投資の額を見ても、やっぱり足りない、内部留保の方が大きい、内部留保が去年は40兆、その前の年は28兆、大体毎年24~25兆増えてきていますから、結果として450兆近くのものが内部留保で積み上がっているというのは、明らかに企業はその金を使って何をするかという目的がはっきりしていないという状況は少なくともこれから考えなければいけない大事なところじゃないかなとは思いますけれどもね。そういった意味では今後、いろいろな意味でそういったものがどういったものに、賃金とかそういったようなことに使われていく、設備投資に使われていく等、経済成長につながっていけるようにするために企業がそういったものをしやすいような方策をいろいろやらせてもらいましたけれども、そういったもの、また商工会議所所属360何万社のうち160万社だったか、165万社だったかが後継者の問題を抱えている。向こう10年以内に後継者が見つからないために企業を倒産せざるを得ないという会社があるというのに対応するというのが正直大きな問題だと思っていましたけれども、これは去年の事業承継税制、法人対策、そして今回の個人事業主に対する事業承継等、いずれもそういったものを対応させてもらう等でやらせていただくことができたと思っていますので、一応その種の話が税制面でも対応できて、あとはこの国、今から長期的には最大の問題は、少子高齢化というものが長期的には最大の問題になりますから、これにどう対応していくかというところが今一番大事なところなので、それに対応するために社会保障等が、今までは勤労者6人に1人の高齢者のときにつくられた法律の前提条件が、今、高齢者の比率が2.何対1になっていますから、とてもじゃないけれどもできませんので、そういった意味では全世代型の社会保障制度に切り換えていかなければいけないというのが今からの大きな問題として取り組んでいかなければいけないところが出てくるのだと思いますけれども、これが経済にも影響してくるところですから、そんなところがこれからの、振り返ってみればそういったところですかね。ほかにも幾つもありますけれども、そんなところです。

問)

日本の実体経済は悪くないと思いますが株価、アメリカはリーマン以来の急落で、日本は2カ月で5,000円も下がっているので、これをどう受け止め、これをどういうふうに見ればいいのか。

答)

マーケットに関しては財務大臣が発言しないということになっていますから、それについて発言するつもりはありませんが、少なくとも株価というのは一種の先行き指向ですから、そういった意味では我々としてはボラティリティという言葉をよく使いますけれども、そういう意味で予測の可能性等に関しては過度に反応し過ぎているのではないかなとは思いますけれども。企業というものの持っている内容というのは、その企業の置かれている健全性というものから見たら、今は間違いなく世界のマーケットでアメリカも健全に伸びてきているから金利を上げているのだろうし、日本としても間違いなく企業の収益性が上がっているという面から見た場合においては、いろいろな要素で株価というのは動きますので、そういった意味でいろいろな反応が出てくるのだとは思いますけれども、我々から見て少なくとも企業の内容自体が悪いわけでもないし、我々のやっている方針も悪くないし、米中の貿易摩擦等に対する先行きに関しての心配等が売りの材料になっておられるのかなという感じはしないでもありませんけれども、それに関して大きな心配をしているというわけではありません。

(以上)

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