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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和元年7月2日(火)11時00分~11時19分)

【冒頭発言】

お手元に資料を配付しておりますけれども、先程閣議において承認を受けて7月5日に財務省及び金融庁の幹部の人事異動を行いますので、発表いたします。財務省で浅川財務官にはこのたび勇退してもらい、後任には武内国際局長を就任させ、国際局長の後任には岡村国際局次長を就任させます。また、藤井国税庁長官にもこのたび勇退をしてもらい、後任には星野主税局長を就任させ、主税局長の後任には矢野官房長を、官房長の後任には茶谷総括審議官を、総括審議官の後任には神田主計局次長をそれぞれ就任させます。さらに、美並財務総合政策研究所所長を東京国税局長に就任させ、後任には大鹿横浜税関長を就任させます。岡本事務次官、太田主計局長、中江関税局長、可部理財局長は留任。次に金融庁では、佐々木総合政策局長にはこのたび勇退をしてもらい、後任には森田証券取引等監視委員会事務局長を就任させ、同委員会事務局長の後任には古澤開示担当審議官を就任させます。また、三井企画市場局長にもこのたび勇退をしてもらい、後任には中島総括審議官を就任させ、総括審議官の後任には白川国際担当審議官を就任させます。なお、遠藤長官、氷見野金融国際審議官、栗田監督局長は留任。以上であります。

【質疑応答】

問)

29日に閉会いたしましたG20大阪サミットの首脳宣言では世界経済について本年後半からの回復を見込むという従来の見解を維持した一方で、リスクは下方に傾いているという指摘も強調いたしました。昨日発表の日銀の6月の短観では大企業製造業の業況の判断指数が前回調査から12から7へ、5ポイントの悪化を見せました。本年後半から回復するとした見通しも一部危ぶまれているところですが、大臣の見解をお聞かせください。

答)

昨日の日本銀行の、いわゆる短観の6月調査ですけれども、これは大企業製造業のDI、業況判断はプラス7で、前回調査よりは低下をした一方、非製造業は上昇しているのだと承知をしております。また、2019年度の設備投資計画を見ますと大企業全産業では対前年比プラス7.4、2019年度の経常利益計画というのは全規模全産業で対前年比マイナス4.3となったと承知をしておるのですが、今回の結果は中国経済減速などから輸出の伸びが鈍化していますから、製造業を中心に生産活動の弱さが続いているのだというのは前から申し上げているとおりですけれども、雇用とか所得環境とか企業の収益の高水準は維持されていますし、いわゆる内需というものを支えるファンダメンタルズというものは今まで同様しっかりしているので、緩やかに回復している、景気は回復しているという経済全体の傾向というのは反映したものなのだと考えているので、いずれにしても経済動向を注視しながら経済財政運営というものを引き続き万全を期していかなければいけないところだろうとは思っています。

問)

参院選が4日に公示されますが、財務省の関連では10月の消費増税、また金融庁に関しては審議会の報告書に端を発した老後の2,000万円不足問題というのが争点になると見込まれますが、この選挙戦に関しての影響というものをどのようにお考えかお聞かせください。

答)

選挙というのはいろいろな問題が全部出てくることになります。国政選挙ですから。そういった意味ですけれども、総理の発言等にありますように参議院の通常選挙につきましては、全世代型の社会保障への改革とか力強い外交、ニコ動でやっていたので見られたと思いますけれども、憲法の議論というものを現行のあれで進めていくということなのですけれども、参議院ではこの通常国会では3分、衆議院で何時間だっけな、2~3時間だったと思うのですね。だからそういった点で論点を挙げていきたいというものだと承知をしておりますので、いろいろな問題が出てくるのだと思いますけれども、与党としては財源の裏付けのある政策というものをしっかり訴えていくということになるのだと思います。

問)

フェイスブックについてお問い合わせをしたいのですけれども、フェイスブックが先日、暗号資産のビジネスに参入を表明して、彼らは自分たちでクリプトアセットと言っているので、我々も日本語に訳さなくてはいけないので暗号資産と申し上げているのですが。

答)

公文書も直った、公文書も全部、暗号資産に変わったから。

問)

どうやら今まで仮想通貨と言っていた時代の交換業者のモデルとはかなり毛色が違うことが表になっているわけですけれども、日本としてはいわゆる仮想通貨、暗号資産交換業者の実態に向けて資金決済法等の見直しを進めてきたばかりですけれども、これからフェイスブックがああいったことを打ち出してきた以上、どういった縛り、規則、もしくは規制でご対応されるのか、大臣の御見解をお聞かせください。

答)

今いろいろなものがよく飛び交っている、コインチェックはじめいろいろなものが飛び交っていましたけれども、少なくとも資産の裏付けがあるというのをステーブルコインと言うのですけれども、ステーブルコインとしてのフェイスブックの場合は、実際フェイスブックを活用している人が約27億人と言われていますから、そういう意味でステーブルコイン付きの27億という数は結構な話になりますので、これに関する直近の動向としては、G20大阪の宣言においても、クリプトアセット、いわゆる暗号資産については注意深く進展を監視していかなければいけないとか、生じつつあるリスクというものを考えなければいけないのでこれに警戒を続けるというような話が出たり、FSB、金融安定理事会その他の基準設定主体、例えばバーゼルとかそういったところを主体に必要な対応の助言を求めるといったことが新たに合意されたところなのですけれども、フェイスブックが出すとしているリブラといういわゆるクリプトアセットですけれども、G20の大阪首脳会議を踏まえてFSBその他の基準設定主体、バーゼルとかそういったところで今モニタリング等必要な対応の検討を進めていくことになるのだと思いますけれども、日本としても国際的な連携を緊密にしつつ、対応をどうやっていくか、これから詰めなければいけないところですな。今はいろいろなことがまだ、どれがどうなのだか、よくはっきりまだ見えてきていませんから、そこのところはこれからいろいろ検討させていくということで、どこを規制してどこをやっていくかというのも、今のところ同じ対応ということになりますね。

問)

ご検討ということですけれども、広く言えば金融庁なのですが、金融庁の中でもどこを窓口にするのか、今の暗号資産の担当部局なのか、資金移動業なのか銀行業なのか、そういったところもこれから詰めていくという解釈でよろしいのでしょうか。

答)

今これが資産の移動に最も速いからとか、ブロックチェーンとか、そういったようなものが大きくこれから伸びる可能性のある部分ですよね。最も日本の優れているところでもあるのですけれども、そういった意味を含めてこれが今後どうなっていくかというのに関して、中国、韓国は禁止という方向で決めていますけれども、何となくこれがきちんとしたものに化けた場合というのは極めて大きな意義がありますから。送金手数料なんかガタンと減りますから、そういった意味ではいろいろな意味で大きな意味があるということがありますので、我々としてはこれを禁止というのではなくて、注意深く見守っていかなければいけないので、それまでの間、利用している人とか、そういったものを使っている人達にとって被害が出るというようなことを避けなければいけないところが難しいところで、いきなり金が何百億か消えてしまったとか、わけのわからない話になりますから、そういったようなことになって、それに金を暗号資産として投資した人とか、そういった人達に被害が及ぶということがないようにするということを考えていかなければいけないでしょうし、同時にこれを、だから禁止というのではなくて、そこのところをどういう具合に育てていくか、化けていくか、見守っていかなければいけないということだと思いますけれどもね。

問)

金融審議会の報告書の件で教えてください。これから新体制で金融審議会が本来趣旨としていた資産形成をこれから呼びかけていくという本来の、一連の問題でストップしてしまった議論についてもこれから深掘りを進めていかなくてはいけないと思うのですけれども、今ほど発表になった遠藤長官残留ということですけれども、事態の収拾も含めて新体制にどういった、本来の金融庁のあるべきことを進めていってほしいかと、それを改めてお聞かせください。

答)

公的年金というのはいわゆる老後の生活設計の柱ですから、そういったものには将来にわたって持続可能という制度というものをつくって、これは主に厚労省を中心に政府全体としてしっかり取り組んできているのだと思っております。その上で金融庁としては、それぞれの個人の人がそれぞれの必要に応じて安定的な資産形成が行うことができるように環境整備を行っていくということが必要だと思っているので、こうした観点からまずは金融としては、顧客本位の業務運営が行われること、例えば株ということになった場合に、株の場合は株を取引する回数が増えればその分だけそれを取り扱っている業者の利益になるから、妙に売らなくてもいい株を売ってみせて、また買ってみたりというようなことになってきたと、よく昔から言われる例ですけれども、そういった意味で顧客という人達の必要とかニーズとか利益とかというものによく沿うようにサービスや金融商品の提供がされるように、これは金融庁としても進めていかなければいけないと。加えて高齢化という話がありますから、そこらのところが何となくよくわからなくなってきてしまっている人達をうまいことだませるのではないかとか、善意の者とは限りませんから、いろいろなことに対してちゃんとやっていかなければいけないということなどを我々としては考えなければいけないところなのですが、つみたてNISAの普及とかいろいろなものを通じて長期・積立・分散、そういったような投資手法を定着させていくということが重要なのだと思っていますので、金融機関に対しては投資手法の定着というのを働きかけていかないと、今、現預金の比率が、個人金融資産1,000何百兆と言われますけれども、そのうちの半分以上が現預金というのは、金利がこれだけ超低金利になっている中では金利によってなかなか資産が増えてくるわけにはいきませんから、そういった意味では安全な投資といったようなものを、我々としては老後のことを考えたら、いろいろなことで考えていかなければいけないところかなと思って、今後も金融庁としてはこうした安全な取組みというのを進めていかなければいけないだろうと思っています。

問)

いろいろご判断があったかと思うのですけれども、大臣としては遠藤長官がそれをしっかりやれというメッセージを込められたということでよろしいですか。

答)

そうです。

問)

2点ありまして、1点目が今日午後に昨年度の税収実績が発表される予定なのですけれども、事前報道では既にバブル期を超えて60.4兆円になるのではないかというものも出ておりますが、細かい数字は置いておきまして、一時期には30兆円台まで落ち込んだ税収が過去最高水準まで戻ってきているということの受け止めをお願いいたします。

答)

ようこれまで戻りましたねという感じですね。感想といえばそれが一番だ。御社のいろいろな説にもかかわらずと言った方がいいですか。

問)

ただ、前回60兆円を超えたのは平成2年度なのですけれども、そのときと内訳を比べますと、結構中身は変わっていまして、所得税、法人税は6兆円ぐらい減っているのに対して消費税が12兆円以上増えていると。こういった一見すると個人の方に負担がしわ寄せされたようにも見えるのですが、このあたりはどう評価されていますでしょうか。

答)

いろいろな見方があるのだとは思いますけれども、今の日本の場合の中において消費がGDPに占める比率が圧倒的に高いですから、そういった意味では基本的には我々は最初から、これを導入させていただいた30年前からほぼ同じことを言っているのだと思いますけれども、そういう意味では法人税とか事業税とか、そういった景気に影響が非常に大きく左右されるような税金から、それから影響の少ない税というものに変えていかないと今後とも、いわゆる財政とか税収というものが安定しませんからということを申し上げているので、そういった意味では消費がきちんとしている、消費からきちんとした税収が得られるというのは方向としては正しかったのだということだと思いますけれどもね。

問)

昨日、改正健康増進法が一部施行されまして、役所内全面禁煙ということになりまして、これまで霞が関で唯一大臣室が喫煙可能だった財務省もとうとう禁煙になったということで、麻生大臣は愛煙家としても聞きますので、受け止め、どういうふうに感想を持っていらっしゃいますでしょうか。

答)

迂闊なことを言うと御社の一番のネタにされそうだからやめておこう。

問)

今後は財務省内では禁煙されるということなのでしょうか。

答)

禁煙になったのだろう。俺、あんまり役所で吸わないからね。たばこは、やって、ガンの発生率は減るのかしら。

問)

受動喫煙は防止されるというふうに。

答)

それでガンが減ればいいね。

問)

財務省の人事についてお伺いしたいのですけれども、岡本次官が留任になりました。財務省の最近では珍しいことかなと思うのですが、続投の理由についてお考えをお聞かせください。

答)

財務省の人事が珍しい。どれくらい財務省を担当していますか。

問)

昨年の秋から担当しております。

答)

これまでどんな人事をやっていたか、どれくらい知っていますか。調べてみましたか。

問)

続投は勝次官以来というふうに承知しております。

答)

毎年3年間、同一入省の人が3年続いたという、あっちの方がよほど珍しくないですか。

問)

確かにあれは、そうですね。

答)

そんな驚くような話じゃないとは思いますけれども、私共としては少なくとも一連の問題というのがありましたので、私共としては財務省の再生というのに取り組まなければいけないということでやってきたのですけれども。少なくともこの10月に予定している消費税の引き上げをきちんとやっていかなければいけませんし、また、経済再生と財政健全化という問題はずっと我々抱えてやってきたところなので、取組を続けていかなければいけませんし、また、G20の議長国というのはしばらく、今年12月まで、次に引き継ぎますのはサウジアラビアなものですから、いろいろな意味での打ち合わせをしなければいけない等いろいろなことがあるのですけれども、それぞれのポストにふさわしい人材を配置したものだと思っていますので、岡本次官の場合もこれまでの経緯等から考えて岡本の留任というのは、私共としては適切な人事だったと思っています。

(以上)

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