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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和元年7月9日(火)10時36分~10時54分)

【質疑応答】

問)

まず消費増税関連についてお伺いいたします。先般、日本記者クラブであった討論会で安倍首相が今後10年程度は消費税についてこれ以上上げる必要は、未来永劫ではないけれどもないのではないかという見解を示されました。これについて大臣のご認識や妥当性についてお伺いできればと思います。

答)

消費税についてはこれまでも申し上げてきておりますが、全世代型の社会保障制度というものの構築というので、少子化対策とか社会保障に関しますいろいろなものに対応するためには、安定財源をつくり上げるために、リーマンショックみたいな大きなことがない限りはという形でこの10月に10%に引き上げる予定なので、その後について、これは国会でも答弁をさせていただいていますけれども、今特に検討しているというわけではありませんし、それに関して特にあれはありませんけれども、年金とか医療とか介護とかいろいろありますけれども、社会保障給付が大きく増加しているという状況にありますので、少なくとも次世代に向けてきちんとした財政というものを持続可能なものにしておかない限りは、こういったきちんとした社会保障制度を維持できなくなりますので、我々としてはそういったものをやっていくために10%のほかにもいわゆる債務残高と対GDP比率というものを安定的に引き下げていくというのを目指しているという状況なので、そういった状況なのだということでしょうね。

問)

今後10年は必要ないという総理の見解とは一致しているというふうにとらえてよろしいのでしょうか。

答)

安倍総理の発言について、これをよく読んでみますと、「私が責任を持てるのは安倍政権なのですが」ということを言って、「例えば今後10年くらいの間、私は上げる必要がない」と、「私は思っています」というように答えていますね。これ、「私」で言っていますね、一人称で。まずその点は大事なところですよ。その後に少なくとも安倍総理が答えたのは、責任を持ってできる機会と決定できる機会は21年までですが、それまで上げる考えはございませんと。その後については私の考え方として述べているわけでありますがということを述べて、2025年度までにプライマリーバランスを黒字化していく中において私は上げる必要は恐らくないのではないかというように答えられているということです。

問)

イラン情勢についてお伺いいたします。核合意で定められた濃縮上限を超えたものについてイランがしたということを、声明を出しました。それに対して日本に与える、アメリカ側の反発もありますが、日本に与える影響についてどのようにお考えかお聞かせください。

答)

そういう報道があるというのは事実として知っていますけれども、その報道に対して1つずつコメントするということは控えさせていただきたいと思いますが、今後ともアメリカによるイランへの制裁というものが、経済制裁に限らずいろいろなことが考えられるのだと思いますけれども、そういったものが日本にどういったような影響が与えられるかということについて、進出している企業もありますし、いろいろあるのだとは思いますけれども、どういった影響が出てくるか等、これは今の段階で何とも言える段階にありませんので、いずれにしてもきちんと対応をできるようにやっていかなければいけないところだと思っていますので、その内容について今少しどのような形になってくるか見えてからでないと何とも申し上げられませんね。

問)

参院選が始まりました。先程大臣おっしゃったように次世代の財政の持続可能性のための負担増をお願いするかと、それがもしくは負担増は時期尚早でむしろ給付だというところが各政党の争点が分かれている1つになっていますけれども、大臣としては一方の旗頭のお一人としてこのことについての有権者の手応えについてはどのように受け止めていますでしょうか。

答)

それはどこか別の機会で聞いてもらわないとですな。財務大臣として、これは財務省での記者会見ですから、別の機会にしてもらった方がいいと思いますが、参議院の選挙というのに関していろいろなことに関心があるのだとは思いますけれども、その中の1つに今言われたような問題がありますので、私共としては不安というものが解消できるというのが大事なところだと思っていますので、そういった点は十分に説明をしていく機会があればなと思っています。

問)

同じく参院選の中で、麻生大臣が金融審議会の報告書を正式な文書として受け取らなかったことについての是非、これについて野党は非難・批判しているわけですけれども、このことの有権者の受け止めについて、麻生さんとしてはどのように受け止めかお聞かせください。

答)

少なくとも世間に広がった不安、例えば1,000万円ないと駄目なんじゃないかとか、2,000万円ないと駄目なんじゃないかとか、月々何とか不足するとかというのを、平均値を出した話のものがいろいろな形での不安というものを招く形になっていますので、そういった意味では、その不安を払拭するために私としては必要な措置だったと思っていますけれども、いろいろなご意見があるのだとは思いますけれども、そういったものに対して丁寧な説明を今後とも続けていかなければならないだろうなと思っています。

問)

かんぽ生命保険の不適切販売についてお尋ねできればと思います。2016年以降、乗り換え契約の際に新旧の保険料を二重払いさせられた件数が約2万2,000件、一時的に無保険状態になったケースが約4万7,000件あったことが、本日の一部報道でもありましたが、西日本新聞の取材で明らかになっています。販売を担当した郵便局員が乗り換え契約の事実を隠すために意図的に解約時期をずらしたことが原因と考えられていて、社内では乗り換え潜脱と呼ばれて、新規契約時に受け取れる手当金目当てで横行していたということです。金融担当相としてこうした実態を把握していますでしょうか。また、かんぽ生命から報告等はあったのでしょうか。

答)

個別の金融機関の問題についてコメントすることは差し控えますが、一般に、保険会社とか、それを頼まれている募集人が保険を契約する契約者の利益を害したり、信頼を損ねたり、そういうことが起きると、これは適正な募集というもののための態勢を確立するという点から考えても、これはどう考えてもいかがなものかということになりますので、こういったような情報に我々金融庁が接したときには、ヒアリング等を通じて事実確認をするなど実態把握を行った上で、その結果、保険の募集業務の適切性というのが今の問題なのだと思うのですが、それが問題だというように認められた場合は、まずは発生原因とか、また改善対応策について必要であるということを理解すればこの説明を求めて、必要な改善というものをさせる、促すということにしているのですが、金融庁としては、今申し上げたような考え方のもとで、本件についても今後適切に対応していくということになるのだと思いますね。

問)

現時点では詳細は把握されていないけれども、これからしっかり調べると、そういう理解でよろしいでしょうか。

答)

詳細という定義が難しいけれども、個別の情報が上がっていないと言えば、個別は幾つかぱらぱらと上がってきていることは確かですけれども、詳細をきちんと詰めた上できちんとやらなければいけないということだと思います。

問)

今回のケース、局員の都合で顧客に不利益を与えたことになっていて、保険業法に抵触する疑いが強いと思われるのですが、個別のケースということなのですけれども、現時点での大臣の受け止めを教えていただけますか。

答)

それが制度としてそうなっているのか、その局員が個人的にやったのかとか、その局でやっているのか、その人でやっているのか等いろいろケースがあって、全体をよくつかんだ上でないと答えられないと、先程からそう申し上げています。

問)

消費増税の関係で先程のやりとり、念のための確認をさせていただきたいのですが、大臣、冒頭に次世代へツケを回すようなことではなくて、財政は持続可能な形で次世代に回していかないといけないというお話をされた後、総理の先日の党首討論での発言をご紹介されて、個人的な考えとしては、10年間は上げる必要はないのではないかと思っていると、総理の発言をご紹介されたと思います。その後、記者とのやりとりで、総理の発言に対してそのとおりですというふうなことをおっしゃったと思うのですけれども、大臣としても今後10年間は10%超上げる必要はないというふうなお考えということで理解してよろしいのでしょうか。

答)

大前提をもう1回言わなければいけないからね、そうすると。長くなりますよ。少なくとも安倍総理のあの発言の内容をもう1回読んだ上で、この分を全部足した上でいけばそういうことになります、同じことになりますということを言わないと。肝心のところは飛ばされるかもしれない。だから丁寧にこの話をした上で、この前提をつけた上でということを申し上げているということです。

問)

重ねて質問します。端的に聞くのですが、総理は、私は今後10年間と、私はというふうにしています。大臣は私はという主語にした場合、今後10年間、10%超に上げる必要はあるかないかという点でいくとどのようにお考えなのでしょうか。

答)

私は極めて総理と同じで、責任を持てるのは安倍政権が続いていて財務大臣をしている間はというふうにしか申し上げられませんね。それ以後のことについては、どういうことが起きるかは予想がつきませんから、総理のこの答えと同じ答えです。

問)

大臣が3月12日の衆院財務金融委員会で韓国の徴用工問題に関して、実害がでれば対韓報復も考える必要があるという趣旨の発言をされていらっしゃいましたが、現状、韓国側が差し押さえた日本製鉄の資産売却に向けた手続きに入っている状況ですが、実害が出ている段階という認識をお持ちでしょうか。

答)

これはちょっと今の段階で、徴用工の問題なのですけれども、これは今、今回の措置というものに対抗する措置だというような話がよく日本の新聞では、そういう書き方をしているところもありますが、少なくとも韓国政府に対して、我々としては仲裁に応じるという協定上の義務を負っているのではありませんかと。仲裁に応じるというようになさったらいかがですかということを我々申し上げてきているのですが、全く返答はありません。この日が期限ですねということを再三申し上げてもいまだに返答はないということになりました。したがってあらゆる選択肢を視野に入れて今後とも対応していくということになりますが、今の話がどういった形になってくるか、今制裁を取り下げろとか一方的に言っておられますけれども、その前の話の、前提の話が全く韓国のムン・ジェイン大統領の口からは聞かれませんし、この間のときにもいずれもそういった話は韓国のどの閣僚からも我々の耳には入ってきませんでしたから、返答なしという状態が続いているという状況な上での判断だということにご理解いただければと思います。

問)

かんぽ生命の件に関連してなんですけれども、明らかに事案を見れば顧客本位ではないなというふうな印象を受けるのですが、ここ数年、森長官の頃からフィデューシャリー・デューティーということで顧客本位の徹底を追求してきたにもかかわらず、こういう事案が起きているというのは、金融機関に対して、特に末端に対してこの顧客本位の考え方というのは浸透していないということなのか、大臣としての認識があれば教えてください。

答)

これはその銀行なり、そこの担当している本人なり、いろいろな人の考え方なのだと思いますけれども、顧客本位でないというような方向で営業しろというように会社が言っているかと言えば、それはちょっとないのではないかなという感じはしますけれども、いずれにしても顧客本位とか利用者の保護というのを考えないと、こういう金融というものは人様のお金を預かるわけですから、そのお金を預かった上での対応ということになりますから、そこらの対応というものをきちんとしてもらうような社員教育、そういったようなものをより徹底していかなければならないというので、何となく会社がきついからとか何とかというようなことでやる形というのは、よくある形だとは思わないでもありませんけれども、いずれにしても信用とかというものが非常に大事な金融業界の中にあっては、今言った、聞いている話だけだと、少々この種の話はいかがかねという話になっているのは確かですね。

(以上)

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