麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣臨時閣議後記者会見の概要

(令和元年12月13日(金)18時28分~18時38分)

【冒頭発言】

令和元年度の補正予算の概算につきましては、本日の臨時閣議で決定しておりますので、その概要をご説明いたします。この補正予算は先日5日の閣議決定された「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」などを実行するためのものであります。具体的には「災害からの復旧・復興と安全・安心の確保」に2兆3,086億円、「経済の下振れリスクを乗り越えようとする者への重点支援」に9,173億円、「未来への投資と東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた経済活力の維持・向上」に1兆771億円、合計約4兆3,000億円を計上いたしております。また、経済対策実行のための歳出とは別に、国際分担金等の追加財政需要として1,692億円も計上いたしております。これらの歳出の追加の財源につきましては、既定経費の減額、前年度剰余金、建設公債の追加などによって対応するということにいたしております。その際、財政法第6条で公債の償還財源とされております前年度剰余金の2分の1を活用するため、来年の通常国会冒頭に補正予算関連法案として剰余金の処理の特例に関する法律案を提出する予定であります。一方、令和元年度税収につきましては外需の落ち込みの影響を受ける製造業を中心に、企業収益が下振れしているということなどを反映して税収の減額補正を行いますが、これにつきましては特例公債2兆2,297億円を追加発行することにより対応することといたしております。今後、来年の通常国会の提出に向けて作業を進めてまいりたいと考えております。

【質疑応答】

問)

先程閣議で決まりました補正予算なのですが、税収の下振れということで赤字国債の、特例国債の追加発行をすることにもなりました。財政再建に向けてどのように進められていくのか、大臣のお考えをお願いします。

答)

今般の経済対策においては、世界経済の見通しが下方修正され、輸出が弱まり、製造業を中心に企業の景況感が弱含んでおりますので、海外経済を要因とした先行きの下降リスクに対して強靱な経済構造というものをつくり上げて、経済の力強い成長軌道を確実にするということが日本経済にとって最も重要との考え方から様々な経済の下方リスクを確実に乗り越え、未来の安心を確保するべく思いきった財政政策を講ずることとしております。一方で急激な高齢化等を背景として年金、医療、介護等の社会保障給付費が大きく増加しております。国民の安心を支える社会保障制度を次の世代に引き渡す責任がありますので、財政の持続可能性を今後とも維持するというのも当然重要なことであります。したがいまして現在令和2年度の当初予算の編成というものもやっているところですけれども、令和の時代に着実に財政健全化を進めていくためにも、令和2年度の予算においても経済再生と財政健全化の両立を図ることとして、引き続き「新経済・財政再生計画」に基づいて本格的な歳出改革を進めるということであります。2025年度のプライマリーバランスの黒字化、同時に債務残高の対GDP比の安定的な引き下げは引き続き目指していきたいと、従来どおりその方針に変わりはありません。

問)

今回、税収減の部分で赤字国債を出す一方で経済対策の財源としては特例公債、赤字公債を出していませんよね。剰余金の活用という形で特例法案を出す、これは政府として経済対策の財源として赤字国債は使わないというような意思というか、努めたようなものがあったのでしょうか。

答)

いろいろな考え方があったことは確かですけれども、1つの考え方として少なくとも剰余金があるのにあえてまた国債を出してというのは、何だそれはということになりますから、そういった意味では少なくとも剰余金を使わせていただいた上でということですけれども、剰余金というのはご存じのように2分の1は繰り入れなければいけないというルールになっていますから、その分をいただくことになりますので、法律の改正案、そちらの方を選ばせていただいて、剰余金というものをそちらに充てるということをもって赤字公債というものの発行を控えたというように理解してもらえればと思います。

問)

今日の補正予算と直接関係はないのですが、今日海外経済の方でブレグジットの選挙なり、米中貿易摩擦、貿易交渉の進展などあったようなのですが、これについて大臣の受け止めをお願いいたします。

答)

少なくともあそこは650だったな、全体が650。325が過半数。それで今360幾ついったのでしょう、確か。残り2議席だか1議席だか決まっていないようにBBCが言っていたけれども、そこのところは知らないのですが、363、364、それぐらいいけるんだということになると、325に対して大幅に超えていますから。だからそういった意味では、360を取っていますから、この場合はどうだろうね、少なくともあの人達は、ボリス・ジョンソンという人に対してちゃんと約束をして、ブレグジットに賛成します、保守党原案に賛成するという前提で公認をもらっているから、そういった意味ではそのルールに従えば、少なくともこの12月何日かに国会を開始しますので、1月には、ブレグジットが決まるのだと思いますけれども、確か1年間ぐらいの移行までの時間があったよね。だからその間にどういう動きがやってくるか、そしてその間にEUと、新しい内閣がEUと交渉するのだと思いますけれども、その交渉した結果がどうなるかという話で、当面は今のルールそのままということでいくことにしているんですが、その後どうなってくるかというのはちょっと今の段階でどこをどう触ってくるのか、またそれをEU側がのむのかという話がなかなか難しいところで、ドイツとイギリスと意見が違ったりいろいろしていましたから、いまいちよく読めないので、今の段階でどうなるかと言われてもなかなか難しいところかなという感じはしますけれども、国民投票をやって壮大な時間が使われて、その間イギリス国会はほとんど機能せずみたいなことになっていたのですけれども、政権が安定しないとこういうことになるんだなと思って、他山の石と思ってよく見ておかなければいけないところだなと思いますけれどもね。我々もつい7~8年前まで似たようなことをやっていたと言われればそれまでのことですけれどもね。

(以上)

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