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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和2年1月10日(金)11時49分~12時01分)

【質疑応答】

 
問)

アメリカとイランの軍事衝突の懸念が後退したことを受けまして昨日の金融資本市場でも株高が進んで資本市場では好感されました。こうした地政学的なリスクとは別に世界銀行は経済見通しで世界全体で2.5%と0.2ポイントの下方修正を行いました。今後の世界経済、日本経済の動向について大臣のご認識をお聞かせください。もう1点が先程開催されました政府税調の第1回の総会です。中里実会長が再選されまして、今後国際課税などについて議論される見通しかと思いますけれども、今後の期待などありましたらお聞かせいただければと思います。

答)

デイビッド・マルパス世銀総裁のところの話ですけれども、この種の話としては回復のテンポは鈍化してはいるのですけれども、全体として緩やかな回復が続いているということについては、先行きについても全体として緩やかな回復が期待され、その傾向が続いていくということに関しては同じことを言っているのだと思っていますし、世銀は確か2.5%ですけれども、例えばほかのところ、OECDとかIMFがいずれも2.9%とか3.4%とかという数字になっていますし、そういった意味では1つの指標としてはそういった指標が出ているのだと思いますけれども。だからといって日本の経済を見た場合に、減速が見られるというのは製造業というのが主たる原因になっていると思いますけれども、その製造業のGDP、日本のGDP内に占める比率から考えても2割という点をちょっと考えなければいけないと思います。雇用とか所得環境とかというのはいずれも改善しているし、高い水準の企業収益が上がっているしということですから、内需を支える基本的なものは結構しっかりしていると思っているので、緩やかに回復しているというものに関しては我々としてはその考え方を変えているわけではありません。いずれにしても中東情勢の話というのは前の日600円下げて次の日500円上げてなんていうのは振り回されている方は大変よ。それで一々追いかけてみても始まらないし、結局アメリカはまた今日も上げて史上最高値になったか。そういった意味では向こうの対応を見てもアメリカ兵を含むアメリカ人等は1人もイランの攻撃による、どこまでどう正確かわかりませんけれども、そういったものはミサイルを使ってきちんと人のいないところを狙って撃てるだけの技術があるということは証明されたのだと思いますけれども、そういったものがありますよというアメリカはアメリカの方でああいう技術がありますよというので両方とも話をして、その後で何となく収束させようという努力をし、そして米中間の話についても中国の劉鶴副首相がサインするところまで来ていますから、ブレグジットの方もイギリスの下院が確か通ったと思いますから、そういった意味ではいろいろなごちゃごちゃした話はほぼ皆収束されつつあって、何となくこういうのにあまり一喜一憂しない方がいいですよということを申し上げてきたのだと思いますけれども。とにかく持続的な経済成長というのをそういった中にあっても日本はきちんと、急激にV字回復なんていうことはいきませんけれども、確実なもので一歩一歩やっていかなければいけないということだと思います。また、先程の税制調査会の話では新しい委員の方々、女性が随分増えているなと思いましたけれども、新しくお迎えすることができて、中里先生のところでやっていただくことになるのですけれども、我々は持続的な包摂的な経済成長と財政再建の両立で税制をどうやってやっていくかということが最大の問題なので、長期的にはこれですから、そういった意味で充実した審議を進めていっていただきたいなと思っているというのが政府税調に対しての我々の期待です。

問)

日本郵政グループについてお伺いしたいと思います。昨日、増田新社長が会見しましたが、金融庁としても処分があり、現在の新しい日本郵政グループにどのような改善を期待されているかというところのご所感をお伺いできればと思います。

答)

着任早々、記者会見をしておられたという話は承知していますけれども、日本郵政グループで言っておられるのは、簡単に言えば、行政処分を踏まえて、まずはとにかく不利益を被った利用者の不利益を被った分にきちんとした対応をしなければいけないということで、それを一番にまずは挙げるというところはまともなことなのだと思いますし、とにかく巨大な組織ですからね。地方の特定郵便局へ行ってみたらわかるけれども、あの小さいところ区切ってあるのだよ。何だこれと最初に思ったね。5~6人しかいないのに1人、2人、1人とかに分けてある。何だ、これと思った記憶がありますけれども、今は大分変わりましたけれども、そういったものでやれるわけないじゃないの、みんなでやらなきゃと思っていたのだけれども、初めてやったので、昔は一緒にやっていたものが、お前、郵便局、僕、かんぽとか何とかと言って、1人1人でやって何するんだと思って見ていたけれども、結果的に何となくガバナンスというところからいったら、ちょいとこれはやらないと駄目じゃないかなとは思っていたら、案の定ということになりました。あのとき総務大臣として、こんなことをしたら絶対駄目だと1人で反対した記憶があるのだけれども、結果的に押し切られてああいった形になって、またその後変えてもらいましたけれども、なかなか難しいのだと思います。そういった意味ではガバナンスをきっちりした上で再発防止というのをやらないと。高齢者の方々に契約更新のときの間が空いたり重なったり等はもちろんのこと、いろいろなことがいっぱい出ましたから、そういったものの態勢を整備しなければいけないということと、そういうのを募集していく人とか、職員とかに対して、もう1回きちっと研修というのを、ほかの銀行でもやっているような話をきちんとやっていかないといけないなんていう話を、いろいろこの間話をしていたのですけれども、そういったようなことをやっていくという話をああいった場で言われましたので、やってもらわなければいけないね、実際。これは言うのは簡単だけれども、意外と大変なんだよ。社風を一新しますとか、一新しますなんていう話は嘘八百、できっこないんだから。長い組織、しかも古い組織をそんな簡単に一新しますとか、リセットしたいとか、できないことを言う人、大体そういうのを聞くと、この人は経営したことがない人だなとすぐそう思うよ。だから、ああいう大きな組織をやっていくのには時間がかかるし、そういった意識が下に浸透していくにはさらに時間がかかるから、そういったのをちょっと辛抱強くやってもらわなければいけないというところだと思いますけれども、何となく現場というのがあまりわかっていない人達が言いそうな言葉になると、非常に、現場は迷惑しますから、そういった意味ではよくよくやらないとなかなか下には浸透しないだろうなと思います。ちょっとあの仕事は大変だろうなと思いますけれども、やってもらわなければいけないでしょうね。

(以上)

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