麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和2年2月18日(火)8時45分~8時51分)

【質疑応答】

 
問)

昨年10-12月期の実質GDP速報値が昨日発表されまして5四半期ぶりのマイナス成長となりました。14年4-6月期の落ち込みよりは小さかったとはいえ、消費増税、台風、暖冬の影響などによる個人消費の低迷、世界経済の減速が響き、民間予想よりも落ち込みが大きくなっていると思います。1月の月例経済報告では国内の景気判断について政府は「緩やかに回復している」という認識を示されておりますけれども、10-12月期の指標の受け止めと先行きの見通しについて大臣のご見解をお聞かせください。

答)

昨日発表された10-12月期の話ですけれども、公共投資がプラスに寄与しましたけれども、消費税引上げ後の一時的な影響はもちろんですけれども、台風、暖冬、いろいろな影響で、個人消費が減少したことというのがあります。それから設備投資については高い水準にありますものの一部に弱さが見られる中で、前期比マイナスになったということで、5四半期ぶりのマイナス成長になったということは確かだと思っております。個人消費の減少幅は、台風はもちろんあったでしょうし、暖冬で冬物が売れないという話、これは12月に寒くならないとなかなか売れないのですけれども、その中で前回の消費税率引上げ時と比較すると小さいものだとは思っていますけれども、今回の駆け込み需要と反動減は、前回ほどではなかったと見られますけれども、全体としてマイナスになったというのは事実です。日本経済については製造業を中心として世界経済の減速等の影響が見られますけれども、雇用環境、所得環境、高水準の企業収益の背景を受けて、内需の支えであるファンダメンタルズとしてはそこそこなものだとは思っているのですけれども、先行きについてはまだ新型コロナウイルスの感染症による経済への影響というのはよくよく見ていかなければいけないところで、引き続き経済の動きをきめ細かく分析して財政運営に万全を期していかなければいけないところです。

問)

先程のGDPに関連してなんですけれども、コロナウイルスの影響で不要不急の集まりについて自粛を求めるというような呼びかけもされていらっしゃいますが、それによって国内消費、あるいは内需を中心にした景気回復への影響というのを、いま一度ご見解をお聞かせください。

答)

どういったところに影響が出ているかという話で、今中国の港に海外から入ってきている、最近出ている話でチリからスモークサーモンが大量に入っているのですけれども、港につけられないのですよ、船が。港湾が動かないから。そうすると沖合で船が沖待ちする。沖待ちすると、そこに電源がなかなかとれないでしょう、港から。そうすると船を走らせてチャージする以外ないのだけれども、港湾の外でうろちょろできないから止めて、電力が足りなくなる、中に積んであるスモークサーモンが駄目になってくる、簡単に言えばそういう話ですよ。中国まで行ってそんなことを調べている人はいないけれども、業者はわかるのですよ。そこの業者あたりの話をよく聞かないと、この種の話はお役所の話だけ聞いていると何となくそこに挙がってくる話しか聞けませんけれども、現場というのはそういうものですよ。そこらのところを見ていると、どういう影響が今後出てくるかというのは、今挙がってきているような話だけではなくて、もっと目に見えないところ、気がつかないところで意外と現場としては大変になっているんじゃないのか、結果として経済にどういう影響が出てくるのかというのは注意深く見ておかなければいけないということなのだと思います。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る