麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣ぶら下がり記者会見の概要
(令和2年3月3日(火)21時35分~21時45分)
【冒頭発言】
先程まで新型コロナウイルスの感染症の拡大が世界経済、金融市場に与えるリスクに対してとり得る政策対応を議論するためにG7の財務大臣と中央銀行総裁において電話会談をさせていただいております。この電話会談において日本からの働きかけもあって「G7財務大臣・中央銀行総裁声明」を発出することを決定しております。間もなくアメリカの財務省、G7の議長をやっていますので公表されることになっています。具体的には中央銀行総裁・財務大臣等の間でコロナウイルスの感染拡大にかかる下方リスクから経済を守るため、すべての適切な政策手段を用いるとのコミットメントを再確認、併せてタイムリーかつ効果的な施策についてさらなる協力を行う用意があるということなどが確認されております。この電話会議で私の方から、日本では既にこの問題に迅速に対応しているということ等を紹介して、G7各国に対してもさらなる対応を進めることを働きかけております。引き続き、政府として世界経済の成長と金融市場の安定に万全を期すため、他のG7諸国とも連携をしつつ、対応してまいりたいと考えております。
【質疑応答】
- 問)
-
今回の声明の意義について改めてどのようにお考えでしょうか。また、政府・日銀として今後具体的にどのような対応を検討されていきますでしょうか。
- 答)
-
G7だからこの声明をこれだけ短期間で電話会談という形でできた。財務大臣・中央銀行総裁共同でG7がまとまって対応しますというメッセージを出せたというのは極めて大きくて、そういった意味では意義は極めて大きかったと思っています。日本がやっている話等は皆さん方よく、私共が常に述べている話を説明してあります。
- 問)
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具体的な協調行動について、その声明文にはどういった文言が書かれているのか。
- 答)
-
あと2~3分でわかるから、そっちを待った方が堅いですよ。
- 問)
-
今日の電話会議は日銀の黒田総裁も出席されていたのでしょうか。
- 答)
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しました。
- 問)
-
黒田総裁から何か発言はありましたでしょうか。
- 答)
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いいメッセージができてよかった、という話をされましたね。
- 問)
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今回の新型コロナ肺炎の経済に対する影響ということなのですが、原因はウイルスの感染拡大というところが根本の問題かと思うのですけれども、G7各国が協調して取り組む姿勢を打ち出すことによってどのような今後経済の影響というんでしょうか、どの程度好影響が出てくるというふうにお考えでしょうか。
- 答)
-
少なくとも今までアジアのウイルスだとみんな思っていたんじゃない。イタリアがわっと出たものだから、ヨーロッパで出たものだから、えらいこったということになった。多分アメリカとかヨーロッパの対応というのはそういう反応だと僕には見えますけどね。それで一挙にやるということになっていったのだと思いますよ。イタリアなんかはかなり影響が出たと言っていますから、事実だと思いますけれども。だからそういった意味では、1週間前に会ったときは関係ないというふうな顔をしていたのが一挙に出ましたと言ってきましたから、何となくそういった意識が出てきて、これに対してみんなでやるという意識が共有された、しかも極めて短期間の間にというのは極めて意義は大きかったと思います。
- 問)
-
大臣、常々今の世界経済については貿易よりも内需のセクターが非常に大事になっているということをおっしゃっております。今回あらゆる政策を各国がとるということで協調声明を出されたことで、今後ウイルスが終息していく段階において、そういった内需の拡大策が世界経済に寄与していくとお考えでしょうか。
- 答)
-
国によって違うと思いますね。少なくとも財政に余力があるドイツ、あまりないイタリアというのは、置かれている状況というのはかなり違うんじゃないかなと、これは想像ですけれども、それはそんな感じはします。したがって国によって対応が違ってくるだろうなという感じはしますけれどもね。いずれにしても、観光客が減ったとか、そういったことになってきているのは、観光の比重が大きいイタリアとかギリシャとかポルトガルとか南ヨーロッパの方なんかは観光による影響というのは極めて大きいだろうな、というのは想像に難くありませんから、そういった意味では北の方は今観光なんてそんなにないでしょうから、少しは違うのだとは思います。国によって違いますから何とも言えませんね。
- 問)
-
日本に関しては影響というのはかなり抑えられてくるとお考えですか。
- 答)
-
日本について、今私共が見ている範囲で、いろいろな意味で拡散というのがどういった形で収まるかというところが一番勝負だと思いますけれども、この拡散が止まれば基本的にそれほど大きな、内需がガタンと落ちるというふうなことはなくなるでしょうけれども、ただ現実問題として、会合もみんなやめているということになれば、それは会合をやっているような場所は皆軒並みキャンセルになっているのだと思うね。そういった意味ではそれは影響は出ますよ、間違いなく。そういった意味で自宅にいる比率が高いからというのでティッシュペーパーがやたら売れたりなんかするという話だから、へぇと思ったけれども、いろいろな形であんまりこれまで経験したことがありませんから、どういったところにどういったものが出てくるかというのはよく見ておかないとわかりませんね、今の段階で。
- 問)
-
コロナウイルスの感染拡大を受けて、世界の金融市場がこのところ大きく変動していたわけですけれども、今回G7として協調して対処していくというふうな姿勢を発信されたことで、この金融市場の動揺というのも鎮めることができるというふうに見ておられるのでしょうか。
- 答)
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少なくとも日銀総裁等の発言等が出たり、ほかでも各国ばらばらで出ましたけれども、そういっただけでどれくらい変わった。株価も変わったろう。だからそういった意味では影響が出たんですよ。それははっきりしている。それがまたG7でまとまって出るとなれば、ほかの国ともいろいろな影響が出ますよ。僕はそう思いますけれどもね、いい意味でね。安定しているというのは大事なことですから。
- 問)
-
先程大臣、すべての適切な政策手段という言葉がございましたが、そこには金融政策というのも概念としては入ってくるのでしょうか。
- 答)
-
何でも入りますね、金融も財政も両方です。
- 問)
-
今回の会議の中では金融政策に対する言及等はそれぞれの中銀総裁や大臣からありましたでしょうか。
- 答)
-
どこかの総裁がしゃべっていましたね。
(以上)