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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和2年3月13日(金)11時04分~11時20分)

【質疑応答】

 
問)

新型コロナウイルスの感染拡大に関連してですけれども、金融市場の動揺が続いております。ニューヨーク、過去最大の下げ幅になった後、東京市場でも下落が進んでいる、1万7,000円を割り込むという状況ですけれども、こうした動揺の状況、マーケットの状況についてどういったご認識をお持ちか、お願いします。

答)

今上げたり下げたり、1,000ドル単位で動いたり、日本の方も1,000円単位で下がってみたり、また翌日上がってみたり、今風の言葉で言えばボラティリティが激しいような感じがしていますので、先行きについて不透明なところが高まっているから景気の気の部分で上がったり下がったりしているのが大きな動きの要因の1つなのだと思います。だからといって今日本の企業が財政的に見て、内容はそんなに悪くありませんからね、みんな。株が上がっても下がっても企業の本質自身はそんなに内容が猛烈具合が悪くなってきて財政内容が、指数が悪いとか、自己資本比率がどうたらという話は全然ありませんから、そういった意味では企業としての動きというのはいずれ落ち着いてくるのだと思っていますので、そう目先の話で右往左往しているという感じは我々としてはありませんけれども、こういったものを注意深く見ておかなければいけない。特に海外の方がいろいろ大きな話になって、それに釣られているという話もありますし、株が下がると日銀のあれがとか言うけれども、日銀は何も株だけではありませんから、米国債も持っていますから、金利が下がれば米国債は上がるわけで、その分だけ日銀の資産は増えますから、いろいろな意味でこういったものは全体で見ないといけないところだと思っています。

問)

こうした動揺した状況に対して対応、何か考え方、コメントが現時点でございましたらお願いします。

答)

私共としては予算の成立を3月末に控えていますので、まずはこれをきっちり上げて、これから後どんな動きが出てくるかよく見ておかなければいけないところですから。ただ、日本で今後どうなっていくかというのは予想の範囲を超えませんけれども、中国で収まったと言っている話を見て、本当に収まったのかよと。あれをそのまま素直に受け取る人の方が少ないと思うけれどもね。急に建った病院を壊して今から広場に戻しますとかという話を、現実を扱う方からいったら本当かよという感じになる方が大きいので、ちょっと正直あの種の話が本当かどうかわかりませんけれども、もしそうだとするなら武漢に国家主席が出かけていって大丈夫ですというのをやっていますから、そういうニュースが本当だとするならば自然と影響も出てきて、いろいろな話が収束していくのだろうと思いますので、1つのウイルス性風邪が基本ですから、これは。だからそういった意味ではそれが落ち着いてくれば、こちらに対しても影響というのは、景気の気の部分というのは収まったとか、終わったとか、この風邪対策の薬が出たとか、そういった形で状況は変わってきますので、そこまでは見ていかないとよくわからないところですから、迂闊なことは言えないところですけれども、収束していく方向に行くだろうとは思っています。

問)

政府内でもそうですし、与党からもですが、追加のさらなる経済対策、大規模な対策を求める声が相次いでいますけれども、今後のさらなる対策について現時点でのお考えをお願いします。

答)

今いろいろな声が出ているということについては知っていますし、与党内からでもいろいろなお話がありますし、いろいろな国がというけれども、感染症それ自体が経済に与える、景気に与える影響に関して、海外発の下方リスクというのがもう1つくっついたような形になってきていますから、そういった意味ではそれを乗り越えるためにまずは、出したばかりの事業規模26兆円の「総合経済対策」もまだ全然スタートしていないぐらいのところですから、速やかに実行していくと同時に、今回対応させてもらった緊急対応策の第2弾の話もまだ出したばっかりですから、基本的には雇用の維持ということと事業の継続という、この2点に置いていますので、企業の指標の内容が悪くなったわけでも何でもない、いわゆる外からの話でこういうことになっていますので、そういった意味ではリーマンブラザーズのときみたいなこととは全く違いますので、私共としてはそういった急な、予期しがたい、外からの話で急にお客が来なくなったというような話ですから、それは基本的にはその商売を継続させていくための資金繰りという、ストックとフローで言えばフローの話ですから、そういった意味ではそのフロー対策をきちんとやっていくということが、銀行に対して要請し、銀行協会も各傘下の銀行に銀行協会として要請を出しておられると思いますけれども、そういったような形が続いていきますので、対応としては細かい詰めをやっていかなければいけないところだと思っていますので、大きなところはまだ内部留保等でいろいろなものができるでしょうけれども、中小・零細のところが資金繰り等が一番きつくなりはしないかなというのが、私共が地銀、信組、信金、第二地銀等に特に細かい対応をしていただきたいという要請をあえてさせていただいた理由もそこですから。

問)

株価が大幅に下落している一方で為替の動きは少し緩慢なようにも見えますし、債券市場は大幅に下落しているというような状況になっています。通常株価が下がるときというのは債券の価格、債券が買われるという方向になると思うのですけれども、今の市場の動き、株だけではなくてほかの市場の動きも含めてどう見ていらっしゃるのかについて、ご意見を伺わせてください。

答)

株とか為替とかそういったマーケットの話を財務大臣がコメントするということはないのですよ。だから今の話に関して言わせていただければ、コメントは差し控えさせていただきます、その一言しかないのですよ。だけど、今言われたことは、そういう実態を、事実ですという話をしているので、そのとおりですよ。株価の割に円は104~105円で何となくというところになっていません、今。だからそういった意味では、ある面安定しているといえば安定しているんですよね、そこのところは。動きがくちゃくちゃになって、上がったり下がったりするけれども、またスッとそこに戻ってきますから。そういったところが大事で、いきなりこれが昔みたいに、79円95銭だったかな、あのころは。民主党内閣のときだったかな、あのときは79円95銭、89円95銭か、ちょっと忘れてしまったけれども、そういったところまで行ったような事態でありませんし、逆にボーンと上がって120円まで行っちゃうなんてこともありませんしということで、大体このところ105円前後でずっと来ましたから、そういった意味ではおたおたしなくてはいけないというような話でもないような感じもしますので、私共としては注意深く見ていくという以外に今の段階で申し上げることはありません。

問)

景気刺激策として減税というやり方があり得るのかどうかという点を伺いたいのですが、大臣、先日、参議院の財金委員会で景気対策として減税が1つの案であるということは世界各国どこでも考えることで、それ自体には反対するつもりはないというご答弁をされています。コロナウイルスの感染拡大で景気の失速懸念が強まっている中、まずは感染の封じ込めが優先であるということは理解していますが、その後経済活動を正常化する段階で景気刺激策としての減税を検討されるお考えはあるのでしょうか。

答)

景気刺激のために、いわゆる金をばらまくというのはよくある話よね。アメリカもトランプ大統領が似たようなことを言って、ムニューシン財務長官とマイク・ペンス副大統領が何となく否定して、何となくあの話はなくなっていますけれども。この間の景気刺激策、いろいろ政府がやったけれども、何が一番効いたと思うよ。あのときいろいろ、お買い物券か何か出したじゃん。やれやれってみんな言ったじゃない。あのときクレジットカードで5%というキックバックみたいな話をしていたときがあったろう。あれ、反対していたじゃないか、とんでもないと言って。だけど、結果どっちが効果あった。キックバックの方が後から金が足りなくなるぐらい使われたんじゃないの。あっちの方が景気刺激策になったんだよね。だってみんな、お金を使ったら返るという話。片方は違ったろう。だからあっちの方が余っちゃった。だからそういった効果のあるものにしないと意味がない。ついこの間やったばっかりなのだから、我々は経験というものを大事にしてそういったものの対策を考えるということは大事なところだろうね。だから一律減税しても刺激にはならないね。僕はそう思うな。持っている人が使ってくれなければ意味がないんだよ。持っていない人に使えと言っても、ないのだから。当たり前のことだよね。だからそこのところを考えてどうやってやるかというのを、景気だから、経済というのは景気を刺激するという気の部分だからね、そこのところは。知恵が要るだろうね。

問)

それに関連して消費税の減税を求めるような声も与野党から出ていて、自民党の若手有志の方も実質ゼロというふうな提言をまとめておられますが、それについての大臣のお考えというのは。

答)

そういう話があることは知っています。それだけです。我々は財政というものを預かっていますので、そこらのところも両方考えながら常にやっていかなければいけないところでしょうね。

問)

G7の共同声明後、FRBとかイングランド銀行、昨日は欧州中銀が金融緩和策を相次いで出しているのですが、各国の株安が止まらない状況なんですけれども、各国が金融政策の上で対策を打ちながらマーケットの動揺が収まっていないという状況について大臣のお考えをお聞かせください。

答)

ECB、欧州中央銀行がいろいろ追加緩和を決定されたとかという話は、ラガルドさんのところでやられたのでしょうけれども、それは聞いていますので知らないわけではありませんけれども、それに対して具体的なコメントと言われてもなかなか申し上げられませんけれども、少なくとも今各国中央銀行いろいろやられて、日銀の方も対策をしておられましたので、みんな連絡をしておられますから、いろいろやっておられるのだと思いますけれども、こういった点は気分的にある程度落ち着いてくるところまで少々時間がかかると思いますよ。だけど急に金融の内容が悪くなったとか、リーマンブラザーズの破綻のときみたいに、いきなりマーケットからキャッシュがゼロになったんだからね。オーバーナイトコールの金利が5%、あの頃。一日で。だから日本から1,000億ドルという融資をIMFにということをやらせてもらったのだけれども、今回はそういうのとは全然訳が違いますからね。そういった意味では、経済が、人の動きが、物の動きが停滞していることによって起きているわけだから、気分的な問題で。だからレストランへ行ってもえらい空いているとか、いろいろなイベントが中止になるとか、そういったことによっていろいろな経済の中での景気の気の部分も大きく足を引っ張られているんだと思いますけれどもね。

(以上)

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