麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和2年3月17日(火)9時21分~9時34分)

【質疑応答】

 
問)

昨晩開催されたG7首脳テレビ会談で金融財政政策を含むあらゆる手段を動員するとの声明が出され、主要国の財務関係を強化することが確認されました。一方で国内では中小・零細企業や低所得者の負担軽減のために減税を求める声も出ていますが、日本政府として新型コロナウイルスによる経済影響を緩和するために今後どういった方針をお考えでしょうか。

答)

まず昨夜11時でしたか、G7の首脳間でテレビ会議を行って首脳声明を発出されていると思いますが、この会議において首脳の間でこのウイルスの経済に与える影響、またその対応策について率直な意見交換がなされたんだと聞いておりますが、首脳声明を見ましても下方リスクに対して備えるためにあらゆる政策的手段を用いると。そしてその方策を調整して、できる限りの対応を行うということが改めて確認されたところだと思っています。改めてというのは財務大臣会合でもほぼ同様のことを言っておりますので。政府としても今回の新型コロナ感染症というものが経済に与える影響に対して、いわゆる海外発の下方リスクを確実に乗り越えるために策定した事業規模26兆円になります「総合経済対策」を速やかに実行するとともに、今回策定させていただきました「緊急対応策第2弾」等によって、雇用の維持、そして事業の継続を当面の最優先課題として全力を挙げて取り組んでいくこととしておりますので、まずこうした各施策を確実に実施していく上でいろいろなことがあると思いますが、まずはきちんと実施するということが重要なのだと考えておりますので、感染の状況とか、これがさらに広まるのか、少し収束していくのか、それによって対応も違うと思いますが、対策をそれなりに講じてまいりたいと思っております。

問)

市場についてなのですが、先程始まった取引市場では日経平均が続落して、今1万6,000円台で推移しています。さらにニューヨークダウ平均も2,997ドル安と過去最大の下げ幅を記録しました。一方で為替相場は現在1ドル106円22銭程度で推移していますが、水準そのものについては言及いただけないとは存じておりますが、為替については他の指標と比べると安定しているというお考えは変わりないでしょうか。

答)

為替については毎回お答えするとおりなので特に申し上げることはありませんけれども、株価が非常に、3,000ドル近く上がったり下がったりするという事態は少なくともあまり安定しているという状態とは言いがたいので、私共としてはこの動きに対して対応を間違えないようにしてよくしっかり見ておかなければいけないという感じがしておりますけれども。そういった状況の中で我々としてもいろいろな政策手段を用いていろいろなことをやるのですけれども、日本銀行も昨日いろいろ方針を示しておられますので、私共としてはこういった話と別に、まずは日本の場合は雇用の維持と事業が継続されていくというのが当面最も大事なところなので、それに対して取り組んでいきたいと思っております。日本銀行の昨日の対応も、潤沢な資金供給とかETFはじめ、いろいろな施策をやっておられますので適切な対応がなされているのだと考えておりますから、市場動向等には緊張感を持ってG7、G20の合意に沿って適切に対応してまいりたいと考えています。

問)

昨日の首脳会談で財務相間での会談を今後定期的に行っていくということでしたけれども、第1回目はいつごろ開催されるご予定か。

答)

今晩ぐらいかな。

問)

金融危機のときはIMFに対して資金サポートを行ったと思います。昨日IMF専務理事は現在1兆円の融資能力があるというふうな発言をされていらっしゃいましたが、日本としてさらにIMFの能力に対して金融的なサポートを行っていく、あるいはG7で行っていくという考えはありますでしょうか。

答)

リーマンブラザーズのときにIMFで何が起きたか。金がなかったんです、IMFは。今は違うでしょう。何で金が要るの。

問)

例えば新興国で、浅い考えかもしれないのですけれども、観光立国になっているところなどが資金が枯渇するということがあり得るかと思います。

答)

金がなくなっていくという話と全然違って、客が来て踏み倒しているという話でもないでしょう。客が来ないという話ですから。そういった意味では被害というものは少し違うように思いますし、今IMF自体にゲオルギエヴァ専務理事が言うように今すぐ目先、金が逼迫しているという状態にはIMFは今ありませんから、そういった意味では今すぐIMFに何かしなければならないという状況にはないと、私共もそう思っています。

問)

先日の会見で景気刺激策としてどのような手が考えられるかという話の中で、今されているプレミアム付き商品券ですとかキャッシュレスのポイント還元の話を挙げられた中で、キャッシュレスのポイント還元というのは今一番効果があるのではないかという話をされていたと思います。現行制度では、例えば対象店舗が中小店舗ですとかコンビニのフランチャイズ店が対象であって、これは大型スーパーでは使えないとか、もしくは電子決済をする人には効果がないという、そういう課題も指摘されていると思うのですが、このあたりの課題について大臣としてどのようにお考えでしょうか。

答)

金はない人は使えないんですよ。金を持っている人が使ってもらわない限りは消費は伸びないのですよ。一番基本じゃない。持っている人が使ってくれるような刺激策を考えてもらわないといけないところでしょうね。それが基本ですよ。持っていない人に配ったら効果があると書いてあったけれども、前回のときには。あちらのほうは予算は余ったんじゃなかったっけ、結果としては。もう学習しようよ。僕は基本的にそう思いますけれどもね。私の意見です。

問)

EUの入国制限についてお伺いいたします。先日EUが30日間の加盟国内で入国の制限を発表いたしました。ビジネスには必ず人の行き来が必要でなくなった時代とはいえ、人の移動の制限というのがどんどん今後広がっていく可能性もあります。その点についての経済的な影響への見解についてお聞かせください。

答)

こういうのはあまり例がありませんから、いろいろな意味での影響が出るんじゃないんですかね。EUの場合の中の制限をドイツが始めたり、今日フランスがやっていますし、いろいろな話で移動ができなくなっていく、そしてパリ等でレストランが閉鎖等の話が起きていますから、それは少なからぬ影響が出るのだと思いますけれども、それが直ちにどういった形で出てくるか、ちょっとそれはよくわかりませんけれども、過去にあまり例がありませんので、こうなるんじゃないのなんていう予想屋みたいな話をしても始まりませんので、今の段階でどれくらいになるのかよくわかりませんし、第一これがどれくらい長く続くかがわからないから何とも言えませんね。

問)

一部報道で17日朝、アメリカのムニューシン長官と電話会談されるというお話がありましたが、差し支えなければどんなお話をされたかなどお伺いできますでしょうか。

答)

個別の話の内容については言わないことになっているので、相手が何と言ったかも言えないのですが、今朝会談はしていませんから。

問)

今晩にもお考え中の財務大臣間での会談についてですが、これまで累次にわたって財務大臣間、G7でも電話会談などが行われてきましたが、今後の会談が行われる際にはどういったことに留意されて日本からは情報発信をされていくのでしょうか。

答)

多分今回のコロナの一連の話の中では日本が一番対応を先進的にやっているところなんじゃないの、結果としては。随分いろいろなことを書いてありましたけれども、結果として船の対応でも日本の対応は結構よかったんじゃないか、学校を休みにしたときも何かいろいろ言われていましたけれども、ほかのところがみんなやっているんじゃないの。あれをもしやっていなかったら今頃何で日本はやらないんだと書くのだろうね。そういう程度の話なんですかね、この種の話は。もうちょっと真剣にこういったものを考えた方がいいなと私は思っているのですけれども。少なくとも向こうは、船の中の対応はどうしたんだと聞いてきますから、今同じようなことがサンフランシスコで起きているわけですから、それに対応してどうしたのこうしたのという経験があるのは日本が一番ということになりましたから、アメリカも聞いてくる。学校の休みの話にしてもいろいろ対応をみんな聞いてきていますから、それに対して丁寧に答える、情報交換する。アメリカが今度さらに広まっていくのか、収まるのか、非常事態宣言までしていますから、それなりの対応をしていくのだと思いますけれども、どういった内容をされるのか、そこらのところをよく聞かなければいけないところでしょうね。だから情報交換というのは極めて緊密にやっておいた方がいいということだと思いますけれども。

問)

頻度としては開催はどのぐらいをお考えでしょうか。

答)

こういうものは毎日することもあるでしょうし、1週間に一遍のときもあるし、それは別に日にちをきちんと毎日決めて、この日の定時になんてやっているような話ではありませんね。

(以上)

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