麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣、黒田日本銀行総裁ぶら下がり記者会見の概要

(令和2年3月23日(月)21時09分~21時20分)

【冒頭発言】

大臣)

今日は20時から新型コロナウイルスの世界経済へ与える影響とその対応についてG20の財務大臣・中央銀行総裁によりますテレビ会議が開催され、私と黒田総裁がリードスピーカーとして発言をし、日本としての考え方を説明しております。私の方からは今回のウイルスの世界的流行は極めて異例なグローバルな課題。人道的な悲劇に加えて感染拡大による市場や経済への影響についても深く憂慮している。このような中、G20の果たす役割は極めて重要。感染拡大防止、医療提供体制の維持、治療薬・ワクチンの開発が重要であり、これらに支援を集中させる必要がある。併せて、各国は、必要かつ十分な経済財政政策を実施するべき。日本も労働者の雇用の維持、企業特に中小企業等への強力な資金繰りの支援などの措置を迅速に講じてきている。さらに大きな困難に直面する新興国とか途上国を支援するため、IMFや世界銀行などの国際機関に対し緊密な連携に基づく支援を要請したい。今G20としてなすべきことは足元の保健・経済の危機を乗り越えるためにタイムリーに躊躇なく万全な対策をとっていくということの決意の表明、このように申し上げております。本日の会議は今週にも予定されているG20の首脳によります電話会議の前に財務大臣・中銀総裁間での世界経済の観点からこのウイルスの対応について議論するために開催されたものでありまして、今回の会議の後に共同宣言を出すことを予定されているわけではありません。事務方に詳しいことは聞いてください。

総裁)

G20テレビ会議の模様については、今、麻生副総理が言われた通りです。私からは、先週の月曜日に金融政策決定会合を前倒しして金融緩和の強化を図ったことについて、第一に、市場の流動性を従来のやり方に加えて更に潤沢に供給していくこと、特に6中銀の間のドルのスワップラインを使ってドルの流動性も供給することにした点を説明しました。第二に、やはり企業金融の万全を期すことが重要ですので、特別な企業金融支援の仕組みを新しく作り、それに加えてCPや社債の買入れを更に増やすこととしました。第三に、マーケットのリスク・プレミアムに働きかける観点から、ETFとJ-REITについて、従来の2倍のペースで積極的に買い入れることを通じて、企業金融がしっかりと回り、更にはマーケットが十分機能し、そういうことを通じて企業や家計に安心感を与えるということを行っていることを申し上げました。

【質疑応答】

 
問)

市場において新型コロナウイルスの影響が拡大していく過程で、ベーシススワップ取引において米ドルの調達のプレミアムがかなりはね上がりました。これに対して、今総裁がおっしゃったように、ドルを供給するということで6 中銀が連携していますが、いずれこのキャッシュへの選好がもう少し落ち着けばドルについての見方も落ち着いてくるというふうにお考えでしょうか。

総裁)

マーケットのことですからあまり予断を持って言うことはできないと思いますが、このバックアップのシステムがある限り、ドルの流動性が十分に供給されるということですので、マーケットはいずれ落ち着いてくれるとは思います。しかし、単に待っているというのではなく、こういったものを積極的に活用してドルの流動性を確保することができます。日本の金融機関はかなり前広にドル資金の手当てをしていますので、足許非常に大変だということではないですが、金融機関としても更に手厚くドルの流動性を持っておきたいということで、ドルのオペにも参加したのだと思いますし、これはバックアップとして非常に重要だと思います。

問)

麻生大臣に伺いたいのですが、リーマンショックが起きた直後に麻生大臣が当時総理としてG20もあのときでき上がっていた中で、日本としてはIMFの支援などを次々と打ち出されて、日本としても過去最大級の経済対策を打ち出されました。今回は当初リーマンショックとは違った面もあった一方で、2月のサウジアラビアでのG20のときから環境が激変していますが、今回日本からは過去の教訓も踏まえてどういった提案などを世界に対して打ち出されているのでしょうか。

大臣)

日本としてリーマンとこの話と一番の違いは、あのときは金融危機により、大きな騒ぎになったんですけれども、今回は金融が別にマーケットからドルがなくなっているとかというような状態ではありませんから、一番の根本のところは全く違いますよ。その上で経済活動が止まった。カリフォルニアの昨日のCNN見ていたら、人が1人も歩いていない、ロサンゼルスのあの大通りに。イタリアのサンマルコの広場に人が1人もいないとかというような状況で、日本は原宿が映ったけれども人がいっぱい、日本も本当にコロナやっているのと。ほかの国から見たらそうですよ。あのときとは、だけど全然違うでしょうが。世界中、金がなくなっちゃったんだから。という状況と今回と、我々としてはあのときとは前提条件が違います。しかし、それでも経済が今回は人が動かない。物が動かないのだから。金が動かないんじゃないよ、物と人が動いていないという状態があのときと全く違うことによって経済に大きな影響が出ているわけでしょう。だからそういった意味でこういったようなのが基本的に回復するためには薬ですよ。薬ができない限りには安心は人間買えない、不安ですからね、みんな何となく。80歳以上の人が亡くなるという話になっていますし、人込みだとか、そこ以外だったら別に感染した人もおられないようですから、そういった意味では普通にしておけば何てことはないんじゃないのと常識的に考えてくれる人がいればいいですけれども、トイレットペーパーを買いに走ったりしているわけでしょう。どう考えても何となくあおられているという感じが僕もしますけれども。リーマンのときと全く違う感じのものが不必要にあおられている感じが正直しますよ。しかし、冗談抜きにして今の状況というのは少なくとも薬の開発が最大の問題だから、とにかくいろいろな薬をやるところに、薬の金を出すという国があるといったら、それをみんな集めて、バラバラにやらないで一番できそうな国に金を集中してそこでやった方がよほど早く薬ができるというのは、誰が考えてもそうでしょう。そういったようなことをみんなで考えるのがG20なんじゃないのという話です、簡単に言えば。だからみんなでG20で一緒にやっていこうというのはそういうようなことを考えなければいけないので、薬の開発が全くできないというところがお金を出すと言っているのだったら、ありがとうございますと言ってそれをもらって、薬の開発ができる国でそういったものの薬を何種類か、いろいろな今ウイルスを研究していますから、そこのところに集中させられたら非常に効率よくいくんじゃないの、これはみんな合意ということです、簡単に言えば。

問)

薬の開発については具体的にどうやってスキームをつくっていくかというのはこれからでしょうか。

大臣)

そうです、これからの話。

問)

各国事務方になりますか。

大臣)

そうです。

問)

G20としては、財務大臣・中央銀行総裁の会合を定期的に開かれることはこれからお考えでしょうか。

大臣)

サウジが仕切っていますからね。我々ではないので、去年までは日本ですけれども、今年からはサウジアラビアですからサウジの仕切りになりますから、サウジに聞いてもらわないとどうにもなりませんね、それは。G7はアメリカですよ。

問)

これから経済対策としてもオリンピックが非常に重要になってくるかと思いますが、今回G20では何か言及はございましたでしょうか。

大臣)

オリンピックに関する言及はありません。

(以上)

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