麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣ぶら下がり記者会見の概要

(令和2年3月24日(火)22時09分~22時20分)

【冒頭発言】

先程まで、今回出されましたG7の首脳声明を受けて、このウイルスが世界経済や医療に与える影響に対して、G7で連携して対応を策定していくための財務大臣の間の電話会談というのを行っております。細かいところは間もなくアメリカから公表されるG7財務大臣・中央銀行総裁の声明を確認していただきたいと思いますが、議論のポイントだけ簡単に申し上げます。まず信認及び経済成長の回復、雇用、ビジネス及び金融システムの強靱性を守るために必要な全てのことを行うこととして、その具体的な施策として、医療について感染した患者を治療し、更なる伝染を防ぐための取組みを推進するために必要な資金の提供、経済対策について企業が事業を継続し雇用を維持するということを支援するための取組み、国際金融機関との協議についてIMF及び世銀による加盟国の経済・医療ニーズに対処するための取組みの支持及び開発途上国を支援する多国間の取組みへの更なる資金貢献などが取り上げたところなので、あとは、詳細は事務方に聞いてください。声明としてはよくまとまっています。

【質疑応答】

 
問)

先程G7じゃないんですけど、オリンピックについてですけれども、オリンピックで延期が決定された、ほぼ事実上合意されたわけですけれども、今後その延期に伴う資金負担等もどんどん乗っていくと思いますけれども、受け止めとそういった財政面の対応はあり得るのか。

答)

それがG7の会話に出たわけではありません。

問)

大臣個人としては。

答)

それをどうするかという話ですか。これは東京で基本的にはなさっておられる話ですから、基本的には東京都が主におやりになるのだと思いますけれども、詳細については、検討が今後進められるとは思いますけれども、組織委員会とか東京都とか関係者にそれは聞かれたらどうです。

問)

先程、もう1点戻りまして、G7の声明の件ですけれども、感染した患者の治療とか伝染を防ぐための資金の提供とありましたけれども、例えばどういったところに資金を提供されるということですか。

答)

基本的に債務の返済ができないからというような国に対して、ただただ債務をチャラにしても、また債務が増えるだけというのはよくある話ですから、基本的にそういったようなことをきちんと指導できるIMF等の組織を使う、いろいろなものがIMFの中に組織がありますから、そういったものを使ってやるというのが基本だと思っていますけどね。

問)

先程、声明がG7の財務大臣・中央銀行総裁というお話でしたが、今日会議には黒田総裁は出席しましたか。

答)

今日は出席しておりません。

問)

G7の首脳会合では週に一度財務大臣の間で政策を調整するように要請されていたかと思うのですが、今後も週に一度程度電話会議をしますか。

答)

これはG7は主にアメリカがやっていますから、基本的にはアメリカにおいてやることになるとは思いますけれども、週に一遍とか必要に応じてやるということになるのだと思いますね。G7なんていうのは数が少ないですから、意外と電話も皆そこそこつながりますし、電話は音声が悪くてというようなこともありませんし、いいんじゃないですかね。

問)

OECDのアンヘル・グリア事務総長が今後もコロナウイルスについて、経済的な影響が数年かかる可能性もあるというふうに発言されています。G7ではその影響がどの程度続くかといったような見通しは、今いかがでしょうか。

答)

それはいろいろ意見があるのですけど、アメリカのスティーブン・ムニューシン長官あたりは、これはもうリーマンの時とは全く話が違うと。これは経済の話じゃないと。これは病気の話なんだから。病気は治れば自然とあとは治る話だと。それはどういった影響がどれぐらい続くかよくわかりませんけれども、少なくともアメリカは全然違います。

問)

あと、すみません、医療への資金提供の話なのですが、今、欧米で非常に死亡者も拡大している中で、人工呼吸器が足りないためにイタリアなどで死亡しているという例が報告されています。こういったその重点分野を絞って、そういった分野に資金を財政として各国が投入していくといったことはあるのでしょうか。

答)

あれ今1個幾らしているの、人工呼吸器って。大体300万から350万円ぐらいするはずだけどな、あれ。今、最近のはよく知らないけど、ドイツだとシーメンスとかで作って、日本にも東芝やら日立やらが作って、今東芝は作っていないね、キヤノンが作っているのかな。それぐらいするはずなので、そんな安いおもちゃみたいな機械とは少し違いますから、そういった意味では、急に増産できるかねという問題を含めて、ちょっとそこのところはどういった対応ができるのか、日本でもうそんなに余っているわけじゃありませんから、今作っているものがどれぐらい回せられるか、ちょっと今はわかりません。

問)

先程、日銀の黒田総裁が出席されなかったというお話でしたけれども、中央銀行総裁で出席されなかったのは黒田総裁だけなのでしょうか。

答)

いや、ほかのところも。

問)

今まではG7は全ての政策手段を使う準備があるということまでしか言っていなかったと思うんですけど、今回はそれが一歩進んだと、そういうふうな意義があると考えていいのでしょうか。

答)

今回のことで聞いていて、やっぱりドイツは、ほとんど財政出動というのは、私はちょっとこの7年間ぐらいしか知らないけど、7年間に財政出動をやるなんて言った記憶はないね。そのドイツがやっぱり財政ということを言っているぐらいだから、それは珍しいことだね。あれが株に与えた影響も大きかったのかなと思うぐらい、ドイツがいると言ったら、さすがにほぉと思いましたけれども。それでほかの国も何となく乗ってくるようなところもあったんだとは思いますけれども。具体的な方向を出してきたというのは、いいことだと思いますね。結構みんな目先、ちょっと生き死にかかっている話ですから、対応が早いというところがあるんだと思いますけども。少なくとも今、全くニューヨークのタイムズ・スクエアで人が歩いていない、夜の10時のタイムズ・スクエアなんて。サン・ピエトロ広場ほとんど人がいない、日曜日に人がいない。そして、スペインの何とか広場、あそこもガラーンとしている。その後に銀座が出てくるんだよ、人いっぱい。世界中どんな反応するかね。こんなに人がいても大丈夫なのかよというぐらい、日本だけ先にえらく進んじゃったのか、全然対応が悪いのか。あれ、非常に不思議な映像に映るだろう。どうやって外国人は思って見るかなと思うぐらい、あまりにも対照的だったんだけど、ほぼ同じ時間で。みんな各国時間が出ていたけれども、日本は夜の9時ぐらい、ふだんに比べれば少しは少ないかもしれないけど、やっぱりガラーンとしたニューヨークのタイムズ・スクエアのところなんかは、見たことないから驚くね、ああいうのを見ると。カリフォルニアで4,000万人、自宅にとどまっているという状況って、なかなかちょっと考えられないよね。日本で人口の半分が自宅にいてくださいなんていうことが何日間できるのか知らないけど、えらいことだなと思って、昨日のCNNしか見ていませんけど、そんな感じですから。今言ったように、具体的なことをやらなきゃ間に合わないということになってきているほど、追い込まれているんじゃないでしょうかね。

問)

先程声明のポイントをご紹介いただきましたけれども、麻生大臣のほうからどのような主張なり、意見等を。

答)

私らの方は、今予算をやっている最中ですから、どんな具体案を出すつもりなのか来週でも説明できるようにしておきます、我々は具体的な案をずっと細かく言うつもりはありませんから。ただ一つだけ、今、新興国がえらいことになるはずですよと。その時に新興国救済のために、すぐ借金をチャラにしましょうなんていうことはしないようにしようと。きちんとしたプランを作って、それをやって対応していくということをしないと、また、元と同じというので財政やら何やらというものをきちんとしていくというのは、IMFでしっかり考えてという話をしました。

(以上)

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