麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣記者会見の概要

(令和2年4月17日(金)11時49分~12時01分)

【質疑応答】

 
問)

緊急経済対策に関連して安倍総理大臣が昨日、補正予算を組み替えて国民に一律10万円の現金給付を行う方針を示しました。麻生大臣はリーマンショックの際の定額給付金のご経験も踏まえて一律の現金給付にこれまで慎重なお考えを示されてきたかと思いますが、改めてご所見と現在の検討状況はいかがでしょうか。また、財源についてはどのように確保するお考えでしょうか。

答)

言葉を大事にされるマスコミだと思いますので、今予算の組替えと言われましたけれども、まだ組み替えるも何も予算ができていませんから、組み替える元がありませんので、そこの単語は間違いなので、概算予算というものを閣議決定したというところまでですから、概算予算の変更ということであって予算の組替えという単語は違いますので、もしそれを使っておられるのだったら、まずその単語から改めておかないと間違いということになると思います。今の話ですけれども、今度のコロナの話によって対策本部において感染状況を踏まえて緊急事態宣言の対象を1都6府県から対象が拡大されたということで、総理の発言は今回の緊急事態宣言により外出自粛をはじめ様々な活動が制約されることになりますので、全国すべての国民の方々を対象に一律に1人当たり10万円の給付を行う方向で与党において再度検討を行っていただきたいというご指示があったということなので、私共はそういった総理の指示を受けまして与党で検討が行われるものなんだと思っておりますので、政府として財務省としてはこの検討状況というものを見守りつつ、適切に対応していくということだと思います。

問)

今回の一律の現金給付ということに関してですけれども、昨日総理がそのように発言されたということですが、実際に今回のこういった10万円給付するということになれば、11年前のときのリーマンショック後の定額給付金のときと何かしら異なる効果が出てくるというふうに大臣は考えられているのでしょうか。

答)

今回は手を挙げる方、挙げていただく方に1人10万円ということになるということで、それは大分違うと思いますね、反応は。どういう違いが出てくるかはわかりませんけれども、少なくともこれによって1人世帯の家庭が30万円来るはずのものが10万円になっちゃうところも出ますよ。また、お子さんが2人おられて奥さんとということになると40万円いただけるということになるんだと思いますので、いよいよご家庭によって差が出てくるとは思いますけれども、少なくとも私共としてはスピードを持ってやるのが一番大事だと思っていますので、これによって少し時間がかかることになろうかとは思いますけれども、それでもできるだけ早く5月にはという感じはしておりますので、それでやれるように対応をしなければいけないというところだと思います。

問)

今回のようなことになりますと高所得者ももらえるのはおかしいのではないかという批判もどこかで出てくるかと思うのですが、こういったものに対して、例えば後程確定申告ですとか年末調整だとか、そういった税制で取り返せばいいのではないかという、そういう意見も出ていますけれども、実際にこういった後程税制によって高所得者からは取り返すといったようなことは何かしら考えられることもできるのでしょうか。

答)

まず誰から高額所得にされるという案ですか、それは。幾らだったら高額所得者になるの。

問)

そこはまだ。

答)

ものすごい手間暇がかかる話ね、今の話は。ちょっと今考えているわけでありませんけれども、そういう案が少なくとも私共のところに正式に上がってきているわけではありません。

問)

話は変わってしまうのですけれども、靖国神社の春季例大祭が来週21日から始まるのですけれども、期間中に大臣は参拝されるご予定はありますでしょうか。また、参拝されない場合に供え物の真榊などの奉納をされる予定などはありますでしょうか。

答)

いつものとおりです。

問)

一律10万円の話に戻るのですけれども、どこからが富裕層なのかという議論は当然別にあるんでしょうけれども、富裕層も含めて一律に払うぐらいであったら本当に困った人に手厚くすべきだという、そういう発想もあるかと思うのですけれども、その点を踏まえてなぜ一律なのかということと、この時期に消費を刺激するような策というのは感染封じ込めに逆行してしまうのではないか。一律10万円もらうと人によっては、それをパーッと使いたくなる人もいると思うのですけれども、そういうふうに消費を刺激するような策をこの段階で打つというのは感染封じ込めの努力をしている中で、それと逆行するのではないかという見方もあると思うんですけれども、その点いかがお考えでしょうか。

答)

消費といったって今、10万円もらって、それをすぐ消費に回せるかと言えば、19時以降は飲めないし、買い物もデパートは閉まっているんじゃないの。だから、この10万円によって消費が急に拡大するというように思ってやっておられるんじゃなくて、これは基本的には緊急事態宣言が出ていますので、それによっていろいろ影響を受ける人達の迷惑等を考えて一律10万円という話になってきたというのがいろいろな方々のご意見を見ると強くて、これによって消費を喚起するというご意見は僕はなかったように思うんですね。30万円のときも非常に生活が厳しくなっておられる方々に対して行くという話が主たる目的なので、少なくともそれによって消費を喚起するという観点はあまりなかったんじゃないのかなと思っていますけれどもね。

問)

富裕層に配ることの必要性についてはいかがお考えでしょうか。

答)

富裕層の方々はこういった非常事態というのは受け取られない方もいらっしゃるんじゃないですかね。私の友人に聞いた話では、これはちょっとこういうのをもらっちゃいかんのじゃないのかなという人は何人かいらっしゃいましたけれども、それは人によって違うでしょうから何ともわかりませんね。

問)

今回の財源なのですけれども、一律10万円ということになると単純計算でも12兆円以上必要になると思うのですけれども、これは赤字国債の発行を増やすということなのか、それとも今回既にでき上がっている予算案の中から何か削って付け替えるということがあるのかどうか、いかがでしょうか。

答)

12兆6,000億円かかるという計算だろう、1億2,600万掛ける10万円なんだから。それに対して今までのは30万円掛けるということで、あれは確か4兆円弱だったと思いますから、差額は約8兆、9兆円出るはずだと思いますけれども、それがほかのところから削って回せるかと聞いているのですか、あなたのご意見は。できると思う。

問)

例えば予備費を減らすとか、そういう発想も発想としてはあり得るかと思うのですが。

答)

予備費は幾らです。

問)

1兆5,000億円です。

答)

それで12兆円賄うわけ。それはとてもじゃありませんな。ほかの分を削って、何を削るんです、12兆円。できないと思いますよ。

(以上)

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