麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣記者会見の概要

(令和2年4月20日(月)18時16分~18時29分)

【冒頭発言】

先般、総理からのご指示がありましたので、与党において再度ご議論いただいた結果、1世帯30万円の給付金に代わって、全国すべての国民の各位を対象に所得制限なしで、一律1人当たり10万円の給付を行うことになりました。このため4月7日に決定しておりました令和2年度補正予算の概算につきましては、本日の持ち回り閣議でその変更を決定しておりますので、概要を申し上げます。既に聞いておられるとは思いますが、具体的には、歳出面では今回の変更によって、経済対策関係経費が9兆円弱の増加となり、総額25兆6,000億円となります。これに伴って国債整理基金特別会計への繰入れが約300億円の増加となります。この結果、一般会計の歳出追加額は、これまでの補正予算のいわゆる追加額を大きく上回る25兆7,000億円ということになります。また歳入面では、今般の変更に伴う歳出の増加分9兆円弱になろうと思いますが、すべて特例公債で賄うこととなります。この結果、今回の補正予算における公債の追加発行額は総額で25兆7,000億円となります。今後、速やかに補正予算を国会に提出させていただいて、早期成立と迅速な執行を目指してまいりたいと考えております。

【質疑応答】

 
問)

2点お願いします。先程の閣議で決定された補正予算案では、減収世帯などに的を絞った30万円給付が一律1人10万円の給付に変更になりました。このタイミングでは、一律給付にしても給付のスピードが早まることはないという見方が多いようですが、麻生大臣は第1弾の対策として一律給付の方が良かったというふうにお考えでしょうか。また、減収世帯など本当に困っている世帯に向けた手当というのは、これは改めて別途考えるということなのでしょうか。

答)

今回の現金給付につきましては、これは緊急事態宣言というものを、一部の地域、1都6府県だったかな、7都府県のものではなくて、全国に拡大するということで、総理から与党に対して1人当たり10万円の給付を行う方向で、再検討してもらいたいというご指示がありましたので、与党でご議論をいただいた結果、国民みんなで連帯してこの難局を乗り切るために、簡素な仕組みで、かつ迅速・的確に家計への支援を行うという観点から10万円の給付を決定されたと理解しております。今回の緊急事態宣言を全国に広げましたけれども、感染症の影響が長引いてすべての国民の皆様には、極めて厳しい状況に置かれておりますので、長期戦等も予想されるということを考えますと、ウイルスへのこの戦いを乗り切るためには、何よりも国民の皆様との一体感が大切ということから、このような決定になったと理解しております。従いまして、財務省としては、いわゆる早期成立を目指して、この10万円の現金給付をはじめ各種の支援が出来るように、なるべく早く国民の皆様の手元に届くように、全力を尽くしたいと思います。

問)

緊急事態宣言の対象が全国に広がり、今後は休業要請に伴う協力金といった形で、その自治体の財政負担が強まるという見方があります。今回の補正では臨時交付金が1兆円入っていますけれども、今後この拡大を含めて、新たに政府として、自治体に対して何らかの手だてを講じるおつもりはございますでしょうか。

答)

この1兆円に関しましては、私共ではなくて、これは総務省で主にやられることになるんだと思いますので、総務省の方がその点に関してはお詳しいというか、いろいろ研究しておられるのだと思いますけれども、自治体に出されるこの1兆円をどう使われるかと、いろいろ各自治体によって規模も違いますし、人口、また置かれている状況は各地域によって違いますので、これはその各県なり市町村なりで、いろいろな案を考えられるのだと思いますので、有効に使っていただければそれでよろしいので、私共としてはそれがどのような状況になるか、足りるのか足りないのか、いろいろなことを考えなければいけないところだと思いますけれども、たらればの話ですから、今の段階でそれ以上お答えすることは出来ません。

問)

麻生大臣は、もともとご自身が首相を務められていた2009年のリーマン後の定額給付金を引き合いに出されて、一律給付というものに否定的な考えをお示しになられていました。今回収入が減った世帯に対する30万円給付というものが取下げになり、一律10万円ということで決着をしたわけですが、今回施策に対する大臣としての率直な受け止めをお聞かせいただけますでしょうか。

答)

全国にこの緊急事態宣言というものを広げるという前提では、私共としては、その前とは状況が大きく変わったんだと思いますね。その上で、前回の定額給付金というのは1万2,000円だったかな、1万2,000円の定額給付だったと記憶していますけれども、あれはリーマンショックという、リーマン・ブラザーズの破綻に伴いまして、金融危機という状況で景気の悪化に対応するために、家計への生活支援といったことから、いわゆる消費の活性化を図ろうというので考えたのですけれども、所得減少を下支えする役割は果たしたとは思いますけれども、個々の世帯の状況によって消費の拡大につながるか否かというのは全然異なるので、定額給付金の消費活性化策としての効果については、実に様々な意見があって全然意味がなかったという方もいらっしゃるので、そういった意味では、今回はこの10万円というようなものを一律にということは、先程も話が出ていましたように緊急事態宣言を受けて、普通の生活をしておられる方々でも、これは都会にいようと地方におられようと、外出の自粛とかいろいろ、活動が制約される、制約が一番適切な表現か、制約されるという意味で、いろいろな意味で迷惑がかかることは間違いありませんので、これはみんなで連帯をして乗り切っていくというものに、これをやらせていただいているということだと思いますので、定額給付金の時の景気活性化策とは少し意味が違うんじゃないですかね。そう思っていますけれども。

問)

関連して、今回のこの10万円の給付というのは、大臣としては受給されるお考えはありますか。

答)

私が受け取るとか受け取らないとか、この前も似たようなことを聞いていたな。1万2,000円を何に使うんですかってしつこく聞かれた記憶があるね。今の私が受け取る、受け取らないという話より、取り急ぎこの補正予算の成立ということが一番の目指す当面の話なので、今月中にこれを是非ともと思っていますので、そちらの方に注力していきたいと思っています。

問)

今回収入が減った世帯に対する30万円の給付というのが取り止めということになったわけですが、この施策について、追加の経済対策などで改めて実施されるお考えというのはあるのでしょうか。

答)

10万円の他にプラス30万円出すか出さないかを聞いているんだね。家計への支援ということなんだと思いますけれども、これは雇用調整助成金の特例措置の拡大で、休業される中小零細企業が払われる中で固定費の中で人件費というのは非常に大きな部分なのですけれども、休業手当の最大9割は国が補償するということを申し上げております。それから緊急の小口資金というんですけれども、これも特例で最大80万円だったかな、80万円支援するということにさせていただいておりますので、金融機関を活用するなど、執行の迅速化を図りたいと思っております。また子育て世代という方もいらっしゃいますので、こちらに対しては児童手当の本則給付の受給世帯に対しましては児童1人当たり1万円を上乗せすると。それから税とか社会保険料は大胆な猶予制度というものを、いわゆる延滞税とか延滞金とかいうのをなしで創設するなど措置を講じておりますので、総額約45兆円の資金繰り支援というものやら、個人事業主を含む中小事業者への給付金等によって、事業の継続を全力で支えるということにいたしておりますので、そういったものの効果がどういった形で出てきているかというのをよく見極めないと、今の段階で申し上げる段階にはないと思っています。

(以上)

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