麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和2年6月5日(金)10時45分~10時56分)

【質疑応答】

 
問)

デジタル課税をめぐる国際ルールの合意形成が新型コロナウイルスの影響で遅れています。OECDが今年7月を想定していた概要の決定は10月に先送りされました。欧州や新興国ではコロナ対策の財源確保のために独自のデジタル課税の導入に動き、米国が制裁措置も辞さない姿勢を示すなど各国の足並みも乱れています。直接顔を合わせて話合いが難しい状況で年内の合意は可能でしょうか。また、昨年のG20議長国として合意形成に尽力してきた日本としてどのような役割を果たせるでしょうか、ご所見をお願いします。

答)

デジタル化という話が出てきて、デジタル課税というような言葉に何となく変わっていますけれども、もともとはBEPS、二重非課税になっているんじゃないかという話が元の元ですから、それがいつの間にか別の言葉で躍っていると話が変わってくるから注意しておかないといけないところだと思いますけれども。昨年日本がG20で議長国をやっていた6月でしたか、あのときに承認された「作業計画」というのがありますので、あれに沿って2020年末までにということでやらせていただいていたんですが、それがサウジアラビアに移って、コロナの話になってきたりしたので、そちらの話が出ていますけれども、基本的にはOECDを中心にこれまで国際的な議論というのをここまで進めてきているんだと思っていますので、それなりに随分時間がかかってここまで来ていましたけれども、よくここまで来たなと、最初に日本から振り込みましたから。一部の国で、いわゆるヨーロッパですけれども、デジタル企業への課税措置を導入するとか導入しようと検討しているのはよく知っていますけれども、アメリカがそれに対して通商法301条か、調査を開始するということを表明したので、今度はヨーロッパの方がこのコロナの間やめてもらいたいとか、いろいろな話が出ているんだということなんだと思いますけれども。この種の課税の話というのは一部の国でやっても効果はありませんから、みんなでまとまって初めて値打ちがあるんだと思っていますので、そういった意味ではグローバルな、インターナショナルな解決策が出てこない限りは少なくともそういった話というのは、役所用語で言えば暫定的なものにならざるを得ないということになりますので、日本とかアメリカとか欧州とかというのが参加して引き続き検討をしていかなければいけないということだとは思っていますけれども。いずれにしてもこういった話を2020年末までの合意に向けてという方向はこれまでも変わっていませんので、そういった方向で動きつつあるということだと思っています。

問)

現在2次補正予算案で計上されている10兆円の予備費についてお伺いしたいのですけれども、政府の方は使途について緊急を要する感染の防止策に限ると説明する一方で、野党の方は使途をより明確にすべきだと引き続き主張しております。一部報道で政府の方で事前説明を検討するというような報道も出ているのですけれども、こちらへの対応について大臣のご所感などございましたらお伺いできますでしょうか。

答)

基本的には与野党の国対委員長で協議を続けて合意をされたんじゃないの。国対委員長で合意されたと聞いていますので、その線に沿ってやっていきたいと思っています。

問)

昨日、大臣が参議院の財政金融委員会で、大臣が諸外国とのコロナウイルスの死者数の違いの理由について民度のレベルが違うというふうにご発言されたことに関して、ツイッターなどで野党議員から感染者や、諸外国をおとしめるような発言じゃないかという趣旨の批判が出ていますけれども、それについてどういうふうにお考えでしょうか。

答)

どういうような話になっているんだか知らないけれども、少なくとも今回は、日本の場合は、国民に自宅にいてくださいステイ・アット・ホームと、自粛という形でお願いをし、学校を休みにし、いろいろな人で会わないようにしてくださいということで、会社また役所等の出勤を抑えてくださいということでしょう。早い話、半舷上陸するだろう。半分ずつ上陸すると0.5だよな。0.5を掛ければ0.5が0.75だろう。ということは75%がそれで会わなくなるということだよね。半分に減らすということは7割5分会わなくなるということですよ。経産省と自治省でもどこでもいい。そういった役所と掛けてやれば0.5、0.5で0.75、だから75%の人がということで達成できると思うけれども、そういったことをやったわけだろう、財務省も皆。結果として、罰則があるわけじゃないですよ。アメリカは違反したら1,000ドルだったかな。ヨーロッパで複数回やると何十万円かになる計算だったな。そういうふうなことをお願いベースだけで日本の死亡率というのがものすごく低くなっていますから、そういった意味では緊急事態宣言というもので日本の場合、強制力を憲法上持てないということになっているわけだろう。自粛をお願いするということで、そんなもので効果があるかと書いていたな。結果、日本はできたんじゃないの。ほかの国は強制力をもってしても、できていないんじゃないの。暴動が起きたり、外に出たりしているんだから。だからそういったような話に比べて我々とすれば、日本人としてお願いモードだけでこれだけできたというのはもっと誇りに思っていいんじゃないのか、という話を基本的にはしているのであって、おとしめるという話はかなり違うと思いますよ。私共としては少なくとも基本はそこなのであって、一番大事なところなんじゃないんですかね。みんな我慢したんじゃないの、罰金もないのに、違法でもないのに。ということは僕はもっと誇ってしかるべきだと思いますというのが基本のところですね。

(以上)

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