麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和3年2月9日(火)8時45分~8時55分)

【冒頭発言】

本日の閣議において総額1兆1,372億円の新型コロナウイルス感染症対策予備費の使用を決定しております。具体的には「地方創生臨時交付金」について緊急事態宣言の延長を踏まえて時短要請に応じた飲食店への協力金支払いを、引き続き支援するための必要な経費として8,802億円、「飲食店の時短営業等の影響により売上の減少した中小事業者に対する一時支援金」、この支給のために必要な経費として2,490億円、感染拡大の早期探知のため緊急事態宣言が解除された地域の繁華街でのモニタリング検査を実施するために必要な経費として81億円等を計上しております。今後、新型コロナウイルス感染症への対応に引き続き万全を期してまいりたいと考えております。

【質疑応答】

問)

G7の財務大臣・中央銀行総裁会議についてお伺いします。12日に開かれると報道されていますが、今回英国が議長国となり、米国も新政権で初の会議となりますが、G7として今年はどのような議題に取り組み、どのような発信をしていくべきとお考えでしょうか、大臣の所見をお願いします。

今年からイギリスがG7の議長になりますので、この人はまだ新任というか、去年なったんですけれども、1年間会う機会がありませんでしたので電話等で何回かやった以外あまり知っている人じゃありませんから、リシ・スナックという若い人、俺の半分ぐらい、40歳ぐらいじゃないかな、話をして、とにかくコロナウイルスからのよりよい復興というので「Build Back Better」というのを標語に掲げて主に4つ言っていると思うんですが、世界経済の回復をリードして将来のパンデミックへの備えというものを強化するというのが1点。2つ目が自由で公正な貿易を掲げて将来の繁栄を促進する、これが2つ目。3つ目、気候変動に対処して生物多様性を保全する、これが3番。4番目がG7の共通価値観というものをさらに支持していきたいというのをプライオリティ、優先順位として掲げているんだと思います。私が参加する財務大臣・中央銀行総裁会議においては、このプライオリティのうち財務トラックが扱う問題について、今週金曜日の会合を皮切りに、6月のサミットに向けていろいろ議論を行うということを考えています。日本としては特に3つ、途上国の債務問題については昨年のG20で合意した「債務支払猶予イニシアティブ」、DSSIや、「DSSI後の債務措置に係る共通枠組」を着実に実施しようじゃないか。2つ目、デジタル課税について2021年半ばまでのグローバルな解決策の合意、これを確実に実現したい。3つ目、中央銀行が発行するデジタルカレンシーに関する議論等が重要であると考えているんですけれども、デジタル課税の問題に関してはこの1年新しいメンバーに代わったりしていますけれども、この問題に関しては各国の合意がそこそこでき上がっているというような感じがしますので、少なくともG20まで入れたところで、約半年遅れていますので2021年半ばまでにこの結論を得たいなと思っています。

問)

来年度にも開始する大学ファンドについてお伺いします。運用益を大学支援に回していくという仕組みについて大臣から見た意義についてご見解をお願いします。また、運用方針の決定に当たってはGPIFと同じように財務大臣との事前の協議が入ると聞いています。財政融資を多く活用する同ファンドについて現時点で財務大臣としてどのような収益率、ポートフォリオが望ましいと考えていらっしゃいますでしょうか。

答)

欧米の主要大学というのはご存じのように、大きなところでハーバードとかイェールとかプリンストンとかそういったようなところの持っている大学の基本的なファンドというのは兆単位です。そういった大きなファンドというものを保有して、その運用利益でもって人材育成やその他のもの、いろいろ使っているという意味で研究やら教育に関するものに、イノベーションとかというようなものに充てる、回しているというのが海外における大学の強いところです。こういった自律的な仕組みというものを構築する観点から大学ファンドを創設して、その運用益を活用することで、世界のトップレベルの研究基盤を構築するために支援をしていくことをもくろんでいます。この運用については財政融資の償還確実性を確保しつつ、長期的な観点から安全かつ効率的に行うことを基本とするものだと承知しているんですが、GPIF、ガバメント・ペンション・インベストメント・ファンドですけれども、あの例でわかるようにうまくやっているときは安倍内閣以降は何十兆円の利益が出ていますけれども、ちゃんとこういったものは渡したら回せるようにして、利益を上げてもらわなければいけない。文科省にそんな能力があると思うか。明らかにないという顔をしているだろうね。ないと思うよ、私も。文科省がやったって儲けられるわけねえじゃないかそんなもん、と私はそう個人的には思っていますので、この資産の運用に関しましては確実にということが一番大事。だからそういったようなことで少なくとも短期的な市場の動向よりも長期的な観点からリスクをきちんと抑制しつつ収益を得るという確実なことを考えてもらわないといけないのであって、今利益がなかなか上がらなくなってきている。なぜなら株価が安倍内閣がスタートした頃は、民主党の時だと8,100円まで下がった、今2万9,000円まで来ていますから、かつて3万8,915円、ああいったところまでは行っていませんけれども、少なくとも2万9,000円まで戻してきていますからね、これからさらに上がるというようなこと、いろいろな運用を考えるときに、上がる幅は少なくなってきているということは思っておいた上で硬めに運用してもらわないと、甘いことはあまり考えてはいけないのじゃないのかねと。もっとわかった人にこのお金の運用というのを、確実な人にさせるというようなことを考えて、運用方法についてはぜひ適切な考え方を内閣府とか文科省で検討していただきたいというのが我々の話です。

(以上)

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