麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和3年4月27日(火)11時23分~11時32分)

【冒頭発言】

昨日、浅川アジア開発銀行総裁、本年11月までの現在の任期が満了になりますので、再選を目指す意向を表明されておられます。浅川総裁は昨年1月に就任をされておりますので、それ以後のコロナ対応等、迅速に取り組まれておりますし、アジア開発基金の増資の交渉にも成功裡に取りまとめられるなど多くの実績を上げてこられております。今後アジア太平洋地域がコロナからの復興を目指していくに当たって、引き続き浅川総裁のもとでADBが中心的な役割を果たしていく必要があろうと我々は考えております。こうした観点から日本としては浅川総裁の再選を支持すると同時に昨日財務大臣談話を発表させていただいております。
もう1点、新しい五百円硬貨の発行というものを予定していますが、本年1月に2021年度上期を延期する方向で検討する旨を公表しておりますが、その後金銭機器メーカー等に市中の改修状況や今後の見通し等を確認した結果を踏まえて、本年11月を目途にすることにしております。

【質疑応答】

問)

緊急事態宣言が発出されまして今回も休業要請などに応じて事業者向けの協力金など財政支援策が用意されております。一方でコロナ禍が長引くことで昨年度は100兆円を超える国債を発行しておりますし、今年度の当初予算でも11年ぶりに前年を上回る新規国債の発行が見込まれております。今回3度目の緊急事態宣言が発表されたこのタイミングを受けて、麻生大臣に改めて財政健全化、あるいは増発された国債の償還の財源をどこに求めるかなどについてお考えをお伺いできればと思います。

答)

我々財務省としての基本的な考え方というのは、コロナ危機というんですかね、これを乗り越えつつという、乗り越えるために各国財政出動をやり、第二次世界大戦後ほとんど財政出動をしたことがないというドイツですら財政出動を今回は大きくやってなどして、私共それだけで約90兆ぐらいですかね、新しく財政出動というのをやらせていただいておりますけれども、これだけ財政を出動すると、普通、財政に対する信認というものが問われるというところだったと思いますけれども、幸いにしてマーケットとのあれもうまくいきつつあって、金利も大きく変化はせず、為替も大きな変化もなく、私共としては財政健全化というものと経済再生との両立をやっていかなければいけないという立場をずっと貫いておりますので、その意味では今回の対応は今までのところ、次の世代につなげていくということに成功していると思っております。ただこのコロナ、これはいつ終わるのかね。これまでウイルスで撲滅されたウイルスは天然痘だけだと思うね、知っている範囲では。天然痘だけがなくなったので、あとはSARSだってMERSだってみんな残っているんだから。それでうまくみんな付き合ってきている。ウイルスだって自分達が生き残るために変異していろいろやっていくわけだから。そういった意味でもいろいろな意味でこれからどうやってうまく付き合っていくかということなんだと思います。我々としてはこの財政の問題は少子高齢化という国難を抱えていますので、今のままでいくと少子の方が、若者の方の受益と負担で言えば負担が大きくなって、とてもじゃないけどということになりかねませんから、そういった意味ではどういった形で受益と負担の話をうまくバランスとりながらやっていくのかというのが厳しい財政状況を考える上で一番肝心なことだと思っています。引き続き2025年のプライマリー・バランス、これでやっておかないと延び延びになりますので、何となくいろいろなことがあり、プライマリー・バランスのターゲットが少しずつ延ばされてきています。今回も2025年という目標を立てて何としてもやろうというので、今回いろいろな対策をすればきちんと2025~2026年にはできるんじゃないかというところまで来ています。今後も、歳出だけじゃなくて歳入の面も含めていろいろ考えていかなければいけないということだと思っていますので、こういった目標はきちんと立てて、それを達成していくような努力をみんなでしていかないとしようがないでしょうね、これは。そうは思います。

(以上)

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