英語版はこちら新しいウィンドウで開きます

麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和3年5月25日(火)10時48分~11時05分)

【冒頭発言】

2つあります。日本公庫等の政府系の金融機関によります実質無利子・無担保の融資につきましては昨年導入したのですが、新型コロナの影響を受けている中小企業の資金繰りを支える上で重要な役割を果たしておると思っております。現実問題として通常の1.5倍ぐらいの需要があると思っております。今般足元の感染状況や資金繰りの状況を踏まえて、今年前半6月末までとしていた申込期限を、当面年末まで延長するということにしております。
もう1点、本日の閣議において、令和2年末の対外資産負債残高等について報告を行っております。令和2年末の対外純資産は、前年末と比較して460億円減少をしておりますが、約357兆円となっております。結果として30年連続世界最大の純資産国となっております。これは対外直接投資や対外証券投資が増加して、さらに日本の投資家が保有する外国証券価格等により、対外の資産残高が約55兆5,800億円増加をしたということによるものです。もちろん対内証券投資の増加とか海外投資家が保有されておられる本邦証券価格というものもご存じのように上昇していますので、そちらの方の負債は55兆6,200億円増加しておりますので、負債の方が増加しておりますけれども、総額でいきますと今申し上げたように約357兆円と対外純資産というものが世界で一番大きいという数字になっておるということです。

【質疑応答】

問)

コロナ禍で増えている大企業の減資について伺います。業績悪化を受けて資本金を税制上の中小企業に当たる1億円以下に減らす会社が増える一方、現在の税制優遇は資金調達で不利になりやすい中小企業を支える狙いがあり、実態が大企業である場合の適用には批判的な見方もあります。最近の大企業の減資をめぐる問題意識と資本金で線引きをしている今の制度の見直しの必要性について大臣のお考えをお聞かせください。

答)

中小企業税制については、これはいろいろ特典があるからとかという、昔から様々な指摘があるところなんですが、こうした中で平成29年度税制改正において大企業並みの所得を得ている企業については租税特別措置の適用を認めない、簡単に言えば法人税19%が中小企業は15%になるということになったりするような租税特別措置があるんですけれども、そういったことは認めませんよと。早い話がどういう基準かと言えば大企業並みの所得を得ている、例えば15億円超の課税所得の法人だと、そういったようなものはさせないというようなことをしているんですけれども、中小企業税制のあり方については、執行の簡便性とか公平性の観点は確かにあるんですけれども、企業の経営に与える影響とか財政的な影響とかというのを踏まえながら今後検討していくべきところだと考えていますので、今すぐこれをというのを具体的にしようとしているわけではありません。

問)

去年9月の話のことで恐縮なんですけれども、角川ドワンゴ学園というところが運営するN高政治部というところで大臣が特別授業をされたときに、麻生大臣がきちんとした教育はもう小学校までで十分じゃないか、中学まで義務にする必要があるのかと義務教育のあり方について一石を投じる発言をされて、麻生大臣のその発言が今何でかよくわからないんですけれどもインターネットで非常に話題で、いろいろ賛否両論があるんだそうです。このご発言について麻生大臣は今もそのように、義務教育のあり方というのは。

答)

もう40年ぐらい前、30年ぐらい前から言っているんだけどね。文部政務次官のときにその話をして、ちょっとその話は政務次官の間はやめた方がいいんじゃないかという話が。私は専門性の高い人を見たときに、例えば将棋のプロとかいろいろな人がいる、歌舞伎の役者さんからも同じことを聞いて、中学校に行く12歳から15歳、この間が芸人として伸びるときの勝負やと、そのときを学校にとられたらとてもじゃねえんだという話を宮大工の棟梁の三重県の人とか、だからそのときに言ったんですよ、なるほどなと思って。それで小学校・中学校9年間で、昔は義務教育は小学校4年ですからね、尋常小学校と高等小学校あわせて6年だったんで、4年にしたらどうですかという話を当時亡くなられた西岡先生が文部大臣だったんですけれども、極めて関心を示されて、ちょっとお前、政務次官のときはやめておけと言われた記憶がありますけれども、それぐらいからの話なので、それ以上特にこの話をいろいろやったことはないですけれども、義務教育というものは、高校は義務じゃなくても90何%高校進学ですから、多分中学、義務を外しても95%以上行かれるんだと思いますよ。だってそれで別に、義務というから難しいので、私はお相撲さんになりたいとか将棋指しになりたいとか、ゴルフのプロになりたいとか言えば、基本的に尋常小学校で昔卒業された方々、立派な方々がいっぱいいらっしゃいますし、そうやった方を見られるといいんじゃないかなという感じはしますけれどもね。それはそんな感じがしますけれども、それは考え方ですから、高校までやっているところで極めて義務教育のレベルが高いかと言えば、なかなかそうも言えない国もいろいろあるんじゃないでしょうか。

問)

SBIホールディングスの件でお伺いしたいんですけれども、SBIは昨日、子会社のSBIソーシャルレンディングで不正確な情報で投資を勧誘する違反行為があったことを受けてソーシャルレンディング事業から撤退すると発表しました。SBIは損失補填によって投資家の被害を回復すると説明していますが、大臣としましてはこの案件についての行政処分の是非をどうお考えでしょうか。また、この件は親会社のSBIホールディングス自体にも企業統治の面で問題があるのではないかと思うのですが、親会社の責任についてはどうお考えでしょうか。

答)

SBIホールディングスの子会社のSBIソーシャルレンディングというところが、既存ファンドの償還というのを条件にして自主的な廃業だな、これは、正確な用語で廃業するという話なんだけれども、いわゆる廃業をしてソーシャルレンディングの事業から撤収するという発表をしたというのが昨日だったかな、行ったということは承知していますけれども、これは個別の企業の話なのでコメントすることは差し控えたいと思いますが、一般論として言って、いわゆるこういった金融機関において事案の経緯とか重大性とか悪質性とかいろいろありますけれども、再発防止策の検討とか実施状況等の精査をした上で必要な対応をすると、役所で言えばそういうことになるんだろうとは思うんですけれども。同様に一般論として言えばですよ、金融商品取引法、これは銀行法じゃありませんからね、金融商品取引法ということになりますから損失補填というのは禁じられているんだと思うんですね。一般論としてはそういうことになるんですが、金融商品取引をやっている業者の方が違反をした場合、投資しているあなた自身が損したからといって補填なんかしたらおかしなことになりますけれども、業者がやった場合は証券の事故としての申請等が行われますと当局、金融庁が確認をして損失を補填する、これはあり得ますということは確かなんですけれども、これは適切に対応していかないといけないということだと思います。もう1点の質問の話ですけれども、SBIソーシャルレンディングにおいて投資家保護に欠ける行為があったということは甚だ遺憾なところなんですけれども、今ご指摘の親会社の話をしておられるんですが、個別の事案についてこれ以上コメントは、親会社がどうだと言われたらという話は控えたいんですけれども、金融庁として金融商品取引法に基づいて監督をしているのはソーシャルレンディングの話だからね。なので、その親会社のSBIホールディングスではないんですよ、金融商品取引法は。親会社の方は銀行法でやっているから。そういうことになりますので、この話は別に考えないといけないところだろうとは思います。

問)

冒頭の無利子・無担保のところについてお伺いしたいんですけれども、無利子・無担保で厳しい企業の資金繰り支援というのは必要だというところは非常に感じるところなんですけれども、一方で去年から再構築ということも促されるような補助金をつくったりもしているかと思います。リーマンの直後だと円滑化法などがあって企業の新陳代謝が遅れるというような指摘も一部であったりする一方で、こういう無利子・無担保であったりとか資金繰りをどこまで支援するかというのは非常にバランスであったりとか、いつまでやるんだというのもいろいろ考えていきながら進めていくものなんだと思うんですけれども、このあたり麻生さんの考えを伺えたらなと思って1問お願いします。

答)

日本公庫等に関する資金需要が通常だと100として、今150を超えるほどになっているというのはやっぱりちょっと、少々そういったものが必要なんだと思うんですね。これは借金が増えるということになりますから、無利子とはいえ借金が増えるということはその会社にとって、貸方・借方の話でいけば、資金繰りがついても資産勘定というものが割れる可能性が出てくるということは債務超過になり得るという可能性を意味していますから、そういった意味では経営者としてはなかなか判断の難しいところなので、だから私共としては資本収支というものを考えるときちんとしなきゃ駄目ですよということから、それでもというのでいろいろな意味で資本の方に投資しますという形で、その会社にしてみれば金融機関が資本として入ってくるというのをよしとするか、それをされたら自分の経営権が脅かされると思うか、それは経営者によって判断されるので、それをやるくらいだったら会社はやめちゃった方がいいとかという人もいらっしゃるでしょうし、いろいろな考え方がありますので、そこのところは何とも言えませんが、成り行きの話もよくよく聞いた上で判断しないといけないところでしょうけれども、コロナが永久に続くわけでもありませんし、そういった意味では今回のような特殊な状況に合わせてそれなりの対応をしてきています。何となくコロナの話も少し落ち着きつつあるような、ワクチンのおかげでそういったことになってきているかなと思ってはいるんですけれども、今の段階ではそういったものの利用、需要、そういったものが多いのでそれなりに対応させていただいていますけれども、それによって債務の超過等をやって資本性の劣後ローンじゃなくて資本金の方に投資してくれというのも、金融機関にそういう話が来ていることもまた事実ですから、そういったものをよくよく見て、別にこっちは株主をやりたいわけじゃない、ちゃんと配当も出ないような株を持ったってしようがないんだからと思いますから、そういった意味ではちゃんと返してもらう方に私共としては、もう用が済んだらお役に立ちましたので後は、ということになれれば一番いいなとは思います。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る