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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣記者会見の概要

(令和3年6月5日(土)14時37分~15時04分)

【冒頭発言】

この2日間、G7の財務大臣会合が開催されております。議題としてデジタル課税、経済政策、気候変動、保健、また低所得国支援等について議論をさせていただきました。先週5月28日に会合を、これはウェブによる会合の話ですけれども、先週やらせていただいていますので、この会合を含めてG7会合の成果はお手元に配付をさせていただいた声明に取りまとめられております。細かい字で恐縮ですけれどもこれです。
主なポイントだけ説明したいと思いますが、まず世界経済のパラの1番のところですけれども、G7として世界経済の回復のために必要な限りの政策支援というものをやっていくということをうたっておりまして、次に経済の再開に従って支援の対象について的を絞っていくということを話しております。回復が確かなものになれば財政の長期的な持続可能性を探求することが必要だと、そういうことで合意をされております。
また為替について従前の、昔からのという意味ですけれども、G7のコミットメントを再確認しております。
気候変動・環境につきましてはTCFDの枠組に沿って、いわゆる義務的な気候関連財務等の開示を、国内の規制枠組みに沿う形で、やっていこうじゃないかという話を合意しております。これは日本においてもプライム市場の企業に関してはTCFDの提言に基づいて開示を求める予定とさせていただいております。
低所得国支援、これはパラの10から15になりますけれども、これにつきましてはSDR、スペシャル・ドローイング・ライツ、特別引出権の融通に関する様々な選択肢の探求というものをIMFに求めることにさせていただきました。債務問題については、これは債務者と債権者の定期的なデータの突合が不可欠、片方がそれを出さないとかという話にならないようにするために、必ず突合するということを、話をさせていただいているということであります。
国際課税、パラの16については大きな進展があったと思っています。第1の柱について、大規模かつ高利益な多国籍企業を対象とする仕組みにさせていただきます。約100社ぐらいだったと思いますが、そういった枠組にすると同時に、もう1点の第2の柱についても、最低税率を15%以上とするということをコミットさせていただいております。10年ぐらいかかったことになりますけれども、よくここまで来れたと思っています。
次に、中銀デジタル通貨について、これはパラの17に書いてありますけれども、透明性とか法の支配とか、経済の健全なガバナンス、そして適切なプライバシーの重要性を強調するとともに、共通の原則に向けて作業をして、今年の後半に結論を公表しますということで、これは合意をさせてもらいました。
今回のG7というのは、今までもいろいろな問題について、価値観というものを共有する先進7カ国ですかね、そういった財務大臣がウェブと違って対面で本音の交渉を行って、G7が一致して世界の経済等をリードしていくという力強いメッセージを発信できたということで、長い間かかったもの等、いずれも結論というものが合意できたということは意義深い会合になったと、そう思っております。
また、バイ会談も空き時間に各国の財務大臣やら国際機関のトップと意見の交換を行うことができて、久しぶりのこともありましたけれども、リシ・スナク大臣をはじめ対面では初めての人もいましたので、有意義だったと思っています。

【質疑応答】

問)

国際課税ルールの今回の合意内容について伺いたいんですけれども、今回、最低税率で15%という具体的な数字で合意できた理由、背景について大臣のお考えを。具体的な15%という数字について合意できた理由、背景について大臣のお考えをお願いします。

答)

最低税率の水準というのは、よく言われるところでアイルランドあたりが12.5%かな、ケイマンアイランドはゼロ、日本の場合は29%、アメリカが21%、イギリスが19%かな。いろいろな国がありますけれども、バラバラになっていますから、ゼロにするという極端なところもあります。法人税というものを払わないというようなことをして物を配送して届けるわけですけれども、技術が進歩して別に日本の中に工場等を置かなくても、飛行機で空輸してきてそのまま配送できますというような宅配のサービスが進みましたから、そういった形になると日本の国内で日本が払った税金等を使って港湾、空港、道路等を散々使っても日本には税金は落ちないということになっているわけです。払わない企業はその分だけ利益が出る、その出た利益のものはアメリカが21%かかるところがケイマンに持っていけばタダだとか、アイルランドに持っていたら12.5%だとか、いろいろな国によって違いますけれども、そういったようなことは最低15%は払ってもらおうというのが今回の合意なんですけれども、これをもっと下げるべき、もっと上げるべき、いろいろ意見がありましたけれども、長いことかかりましたけれども、ほぼ15%で決着をしたということです。

問)

関連してもう1点お願いします。その15%という今回の合意内容に沿って制度がつくられた場合、日本企業への影響というのはどのようにお考えになられますでしょうか。

答)

第2ピラーの話だね。日本の税収の影響、これはちょっと、最低税率がまだ決まったわけじゃありませんからね。だから、そういった意味ではどれくらいになるかと言われたって、第2の柱を導入して、多分その企業はやり方を変えるよね、当然のこととして。したがって軽課税国の税率が変わると、企業行動が変化するというのは当然のことだと予測しないといけないでしょうから、そういった意味で、もちろん一定の税収は見込まれるでしょうけれども、どれくらいという数字はちょっと難しいですな、今の段階では、と思います。

問)

私も国際課税のことをお伺いしたいんですけれども、最低税率15%と明記するまでになった背景、さっきおっしゃっていましたけれども、コロナという状況がそうさせたのか、あるいは、やはりアメリカの政権交代というものが大きかったのか、大臣、長年関わってこられた国際課税の問題ですので、なぜこのタイミングでこういった明確な合意に至ったのかということを教えてください。2点目が、ピラー2の方の10%の利益率を超える、利益の少なくとも20%について課税権と、これも今回新しい水準といいますか、具体的なものとして出てきました。これが意味するところというか、こういう数字を明示したことの意味を教えてください。

答)

最初の質問ですけれども、初めて出たときはイギリスのバッキンガムシャーというところでG7が開かれたとき、8年前の5月だと思うんですけれども、そのときはアメリカはジャック・ルーに代わっていたかなと思うんですけれども、その頃の時代の話ですけれども、この話を日本が最初に持ち出したときにアメリカの反応はゼロです。会議で一言もこれについて発言をしていません。これに即反応したのがドイツ。ショイブレというドイツの財務大臣の人でしたけれども、この人が即反応して、これはやるべきということを言って以来、日本がOECDの国際課税の委員長を選挙でとって、それでOECDの中で根回しを開始して、最初に京都で会議をしたときに43カ国ぐらい出たかな、アメリカはもちろん欠席、出ていません。そういったような状況で長く続いて、その頃のアメリカの財務長官はジャック・ルー、それがオバマのときで、その後、スティーブン・ムニューシンに代わったのはトランプ政権になってから。税金を払わせられるであろう大きな企業というのはアメリカに多いわけですから、アメリカとしては払いたくないという部分もあるんだとは思いますけれども、これによって税収が増えるのもアメリカの政府ということになるという話を少しずつして、今回の民主党に変わって、民主党が税収を、法人税を、21%まで下げた税金を28%まで戻して、それに合わせて税収増を目指していくという話を、今のジャネット・イエレンになってからその話をしていますから、そういう背景でアメリカも法人税の最低税率による競争なんていうのはやめたらいいという我々の話に乗ってくるような雰囲気、税収を増やすという方向をジョー・バイデンは打ち出しましたから、増税を打ち出していますので、それに合わせてやっていくに当たってこの話は乗れるという状況に変わっていったという面は大きなところでしょうね。多分それが大きな背景。また、GAFAをはじめ、そういったものに対しても巨大な利益が出ていましたから、そういった利益に対するいろいろな批判等もありましたので、それも1つの大きな理由。そんなところが全部重なって出てきたかなという感じはしますけれどもね。
もう1点、2点目の話は第1の柱の話をしているんだと思いますけれども、これはいわゆる配分の詳細の話なので、パラの16に書いてあるような話なので、これを読んでもらうしかないんだと思います。

問)

2つほどデジタル課税の質問をさせてください。1つ目は先ほど大臣もご指摘なさっていましたけれども、アイルランドが12.5%とか、ハンガリーは確か9%ということで、ほかにまだ15という数字より低い国があるわけですけれども、今後OECDとかG20の議論でこういった国が障害にならないかどうかとか、またはそういった点で今回G7の議論でこういうアプローチをしていこうとか、そういったような話がもしあれば教えてください。2点目は第1の柱のピラー1ですかね、今おっしゃった10%の利益率を上回る利益のうち、少なくとも20%に対する課税権と、これはアメリカが提案した、いわゆる100社のグローバル企業が対象になるというのがおおまかに整ったということでいいのかどうか、この点を教えていただければと思います。

答)

最初の点ですけれども、G7でまずは合意して、来月イタリアで開かれるG20でこの話を合意していってもらうことになるんですが、そういった意味ではG20でいろいろな国、既に賛成しているところもありますけれども、合意を高めていけるという機運がこのG7で一致していますということを決めたのは大きかったと思います。具体的な内容については今後さらに詰めていくので、決まっているところは後で財務官に聞いてもらったらいいと思いますけれども、今の10%、20%の話というのは、主に一応100社ぐらいのところにメドをつけて、多くはアメリカの企業になりますけれども、そういったようなところが対象になるということだと思いますね。

問)

先程の説明の中で中銀のデジタル通貨について異論があったというふうに聞こえたんですけれども、どういった議論があったのか、どんな異論があったのかを教えてください。

答)

デジタル通貨については、前から議論があったので、今日特に異論があったという話じゃなくて、この数年間よく出る話になったんですけれども、セントラル・バンク・デジタル・カレンシー、CBDCというものの場合、今までプライベートの話でやっていたところからいろいろな大きな会社が個別の企業としてやろうとしていたデジタル通貨の話もありますけれども、それは中国がやろうとしているCBDC、そういうものをセントラル・バンクが出すCBDCという話になってくると、財務の裏付けがないものを信用できるかね。企業に勝手に出されるという話がバラバラ出ていたら混乱を来しますから、そういった意味では基準やら何やらはトランスペアレンシーをはっきりしてくれと。そうしないとこういったようなものは認められませんよとか、いろいろなレギュレーションをつくることは当たり前の話なんじゃないんですかというのはずっとやってきた話ですから、今回特にその話が改めて出てきたというわけではなくて、従来の話がそのままずっと続いているということです。

問)

今回の会議の内容自体から少し離れるんですが、今回のG7の議長国として取りまとめに当たったリシ・スナク財務大臣、彼は保守党の中でも次期リーダーとして非常に期待される向きも多いんですが、大臣は今回のバイ会談ですとかG7財務大臣会合を通じて、彼についてどのような印象、どのような評価をお持ちになられたか、もしよろしければ聞かせください。

答)

テレビでしか知らなくて、今回初めて会った人なんですけれども、テレビで見たらもうちょっと大きな人かと思ったら大きくないんだねと思ったのが最初の印象。それから話をしていても、理屈はきちんと整然としているし、話が一方的に話し倒すというふうな感じでもないし、人の話はちゃんと聞いてまとめようとするし、いいんじゃないんですかね。幾つだ、40ちょっとぐらいだろう。

問)

41歳です。

答)

いいと思いますけどね。政治家として、財政の話しか知りませんけれども、イエレンとかクリスタリーナとか、こういった長いこと財政とか為替とか、こういった世界にいる人達相手にあの若さであれだけきちんと普通に対応できるというのは大したものじゃないですかね。

(以上)

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