麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和3年7月6日(火)11:29~11:49)

【質疑応答】

問)

2020年度の国の一般会計税収は過去最高となりました。大臣の受止めと今年度の見通しをお願いします。

答)

去年11月頃、みんな55兆円ぐらいに大幅に下がると書いたけど、大幅に違った。それに比べて60兆円を超えましたから、一昨年が60.4兆円ぐらいでしたから、それに比べてさらに4,000億円ぐらい増えているので60.8兆円、史上空前ということになっちゃうんでしょうけど、受け止め方、新聞が書くほど、そんな世の中、経済悪くなっていなかったということ。だから景気の悪い、大幅に落ち込んだ、例えば輸送、航空輸送、宿泊、飲食、そういったところの話だけ聞いているからすごく悪くなった。現実問題として、反対需要というようなものが出て、例えば自宅でよく言われる巣ごもりの話が出てくるけど、そこでゲーム関連、そういった自宅で生活している人達の需要が増え、いつもいない旦那がいるおかげで、それに合わせて家具を何とかしなければいけないといって家具の売上が増え、いろんな需要が増え、加えて半導体というようなものの話が出てくるけど、半導体をつくる機械をつくる機械、いわゆるマザーマシンというのは圧倒的に日本だから、そういった意味での需要が増える等、いろんな意味でのいわゆる製造業のところの部分がきちんと増えていったということなので、結果として税収というものが、そこらが大幅に伸びたということなんだと思います。昨年度特にひどかった部分もありますから、それに比べて大幅に大きく伸びたということ、昨年11月ぐらいの伸びがひどかった部分に比べれば、そういった需要が大きく出たということなんだと思っています。これがどうなっていくか、まだよくわかりませんけれども、いずれにしても景気としては悪い方向ではない、そう思っていますね。

問)

景気について1点確認したいんですけれども、原油市場で今、先物価格が少し上昇していますけれども、今後政府としてはワクチン接種が進んで景気は回復方面にあるというふうに見ているとは思うんですけれども、足元のこういう原油価格であったりとか資産価格の上昇というのが景気の下押しに当たってくるのかどうか、急にそう出てくるものじゃないとは思うんですけれども、ご認識を伺わせてください。

答)

今日WTIは75ドルぐらいか。ドバイがちょっと安いか。

問)

はい。

答)

それぐらいのもの、原油価格のマーケットでいちいちコメントすることはしませんけれども、新型コロナの影響によって抑えられていた需要、経済活動、いろんなものがあるんだと思いますが、それが正常化してくると当然のこととして経済活動が活発になる、結果として石油に対する需要も高まるという部分が1つと、もう1点は供給する側、そういった側の産油国側の供給計画というのもありますので、そういったもので様々なものが重なり合って、そのときに締めるとボーンと上がりますし、いろんな意味で複雑な仕組みができ上がっていますから、物価に対する影響とか景気に対する影響というのがどういうような形に出てくるか、ちょっと予想はつきかねます。

問)

毛色が違う質問で恐縮なんですけれども、麻生大臣もお好きと聞いていますゴルゴ13についてなんですけれども、今月5日なんですけれども、単行本で201巻が刊行されて、これが巻数としてはこち亀を超えて世界で1位を記録しています。昭和43年から連載が始まって半世紀以上の歴史がありますけれども、改めて大臣も世界1位というところでお聞きがありましたけれども、受止めのところについて聞きたいなと思っているのと、あとは201巻については暗号資産をめぐる物語が掲載されているということで、今足元で暗号資産であったりというのは話題にもなったり、世相を斬っているような、そういったトレンドの連載というのはどう受け止めていらっしゃいますでしょうか、伺わせてください。

答)

僕はこの漫画を27~28のときに見つけて読み始めたんですけど、201号という話だけど、1号というのはないんですよ。さいとうさんは1号というのを、2号、3号につながるつもりがなかったもんだから、最初に出たやつは数字はついていないんです。2号から2って出たんだね。基礎的学問としてそれだけは本人が、さいとう・たかをさんがそう言っていたんで、だから201号って誠におめでたい話なんだろうけど、僕は1989年にベルリンの壁が崩壊して冷戦が終わったときに、これでゴルゴ13という本もなくなるなと。ネタがなくなるからと思ったら、それからずっと今日までかれこれ30年まだ続いているんだけど、大したもんですな。ちゃんと企業スパイに変わってみたり、いろんなものにどんどんちゃんと内容を変えてきて、あれだけのインターナショナルな小説というのは日本で読んだことがないから、そういった意味では時代をちゃんと先取りして、今クリプトアセットの話をしているけれども、クリプトアセットの話なんかも取り入れるほど情報を提供してくれる人が多いんだろうね。さいとうさんも去年もまだ元気そうだったし、そういった意味ではこういった漫画で国際的なもの、あとは紛争でしたら八田までか。あれが最近の漫画の中じゃインターナショナルな漫画と言えると思うけれども、そういうものを含めて何となく日本の場合は小説やら何よりはコミックの方がインターナショナルであるというのは、ゴルゴ13に関して、紛争でしたら八田までも含めて両方とも、そういった小説をあまり知らないので、こういったのが出てくるというのはいいことなんじゃないですかね、と思いますけれどもね。201巻か。

問)

おととい行われました東京都議会選挙について1点質問させていただきたいと思います。大臣はじめ閣僚も応援に街頭立たれたと思いますが、選挙結果という点でいいますと自民党の議席は与党内からも厳しい受止めが出ているものと承知しています。大臣は今回の選挙結果についてどのように分析されますでしょうか。

答)

予想は相変わらず外れたなというところかな。ほかに特にないですね。そんなにいくのかねと思っていましたから。でも、50近くいくようなことを言っていたからね、テレビを見ていたら。今回自民党の場合、第1党には返り咲きましたし、公明党も公認は全員当選ということになっておられますし、都民ファーストも50何議席から30何議席まで減らしておられますから、誰も大幅に勝った人もいなければ大幅に負けた人もいないという選挙になったんですかね。そんな感じで何となく都民の気持ちがそういうことなんだろうというように考えるんじゃないですかな。

問)

ワクチンであるとかオリンピックであるとか、様々な都民の受止めがあったと思うんですが、今後の政権の課題という点では何か大臣として思われるところはありますでしょうか。

答)

オリンピック、少なくともこういった状況の中で東北の大震災から十年でこれだけきっちり復興させました、成功させましたというオリンピックをやらなければいけないということなんだと思いますけれども。昔、あなたが入社する前なんだろうけれども、東京オリンピックというのを昭和39年に実施していますけれども、そのオリンピックが決まったメルボルンだかローマだか、どこかあの辺の頃のオリンピックで日本にオリンピック開催が決まったと。考えてみれば昭和20年に戦争に負けているわけですからね。その20年から早い話が39年、19年でオリンピックですよ。だからそういった意味では大したもんなんじゃないのかなと僕はそう思いましたね。しかし、新聞を読み返してみるとわかるけど、恥ずかしいと書いてあったよね、オリンピックが決まったときに。公害が激しい、そういう時代ですから。隅田川がくさい。そういったことをいっぱい書き連ねて、東京でオリンピックをやるのは恥ずかしいと書いたと、私の記憶ではそうだね。まだ学生だったんだけど。まだ全学連が華やかな頃ですからね、その頃は。そういった時代に、終わってみればよかった、よかった。なんていい加減なものと思って、記事というのはこんないい加減なものなのかと思って、すごい印象があるんだ、それ。新聞の予想というのはこんなに、後と先では言っていることが全然違うんだなと新聞に対してものすごく不信感を持った最初の例だったので、すごく印象があるんだけどね。今回もいろいろありますけれども、きっちり最後までやるということが大事なところなので、それが国際社会の中においても、ちゃんと日本はやるというものを示せるような大会に、それが結果として皆さんの気分を明るいものに変えてくれるでしょうし、選手の活躍が感動を与えたりなんかしてくれるものだと、僕はそう思って期待していますので、きちんとした大会の成功にみんなで協力しなければいけないのだろうなと思っていますね。

問)

昨日、大臣は都内の講演で台湾で大きな問題が起これば存続危機事態に関係するといってもおかしくない、日米で台湾を防衛しなければならないという趣旨の発言をされたと報道で拝見しました。台湾に関する現状認識と日本の対応方針について、日本として台湾で有事が起きた際の対応方針について大臣の考えを改めてお聞かせください。

答)

台湾有事に関する問題についてですけど、これは当事者間というものが直接に話をしてやってもらうということで平和的な解決をすることが最も望ましい、これはずっと同じことを従来から一貫してそういう話をしてきたと思いますので、政府としては引き続き関連の動向を注視していきたいと。両岸の話ですよ、片っぽだけではなくて両岸の話をしないといけませんからね。両岸というのは台湾と反対側の大陸ということです。その上で政府として、これはいかなる事態が存立危機事態ということに該当するか、今の場合、仮定の質問なので何とも言えませんけれども、我々にとって台湾というのは台湾海峡が内海になって通れなくなるとか、いろいろな事態を考えなきゃいけませんから、そういったことを考えて我々としてはこういったようなことを、どれをもって存立危機事態になるかというのは一概にして述べることは難しいんだと思いますけれども、政府の考え方というのを踏まえた上でいろんなことを考えておかなければいけない、当たり前の話だと思います。

問)

今月9日から10日にかけてG20の会合があります。国際課税ですとかコロナからの復興などが議論されるかと思いますが、麻生大臣の意気込みとどういった発信をしていきたいというものがありましたら教えてください。

答)

今回のG20というのは前回のロンドンでのG7の財務大臣会合のときに出た話が今回のG20の財務大臣・中央銀行総裁会議でどの程度それが再確認されるかというようなところを含めて大きな論点があるんだと思っています。今、法人税の下げ競争というのが何となくこの10年間の間、少しおさまってきて、少なくとも各国皆その競争をやめて、BEPSという話に乗ってきたんだと思って、アメリカ、ヨーロッパの話もほぼ折り合いがつけたところまで来ていますので、それがその他の、いわゆる中国とかインドとか、ほかにいろいろな国々にもこの話がエンドースされるということが大事なところだと思います。ウイルスの話でいえば、これは間違いなくウイルスに対応できる国、またウイルスに対応できるだけのシステム、資金、そういったもので、そういった罹患者に対応ができる国とできていない国との問題、また今後ともユニバーサル・ヘルス・カバレッジという言葉を使っておりますけれども、そういったようなものを、日本が最初にこの話を持ち出したときにはほとんど反応がなかったんですけれども、随分コロナのおかげでユニバーサル・ヘルス・カバレッジなんてものは各国の保健大臣やら何やらが対応できる話じゃないので、財務大臣と組んで対応できなきゃ無理ですという話を国連でした話が、2年したら今何となくそういうことになってきていますので、そういったことを含めて経済等の話のついでにというわけじゃないわけでしょうけど、そういったものと一緒にこの話が出てくると思われるんだと思っています。いずれにしてもリヤドでやりましたのは2020年2月ですから、久しぶりの対面の会議になりますので、ロンドンのときもそうでしたけれども、いろんな意味で議論が非常に機微に触れるところというのはなかなかウェブじゃうまくいかないんですけれども、隣に座った人とべちゃべちゃ話を、意見を交換できる等、いろんなものが具体的に話が進められる、話が詰められるということになるんじゃないかなと思って期待しています。

(以上)

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