鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣ぶら下がり記者会見の概要

(令和3年12月15日(水曜)17時47分~18時04分)

【冒頭発言】

それでは、冒頭私の方から発言させていただきます。森友学園案件に関し、亡くなられました赤木俊夫さんのご遺族から提起されている国家賠償請求訴訟について、先刻の進行協議期日において、国として原告の請求を認諾する旨、表明させていただきました。本件訴訟では、赤木俊夫さんがいかなる心理的・肉体的負荷を原因として亡くなられたかについて、裁判所の訴訟指揮の下、審理が行われてまいりました。国としても裁判所の訴訟指揮に従いつつ、公務災害認定に関連する資料や、いわゆる赤木ファイルなど、訴訟審理に必要な資料を裁判所に提出するなど真摯に対応してまいりました。その上で、本年10月、これまで国が提出した資料を踏まえた原告側の主張の全体像が示され、その内容も踏まえて方針を検討した結果、赤木俊夫さんが当時、森友学園案件に係る情報公開請求など、様々な業務に忙殺され、ご自身も強く反発された本省からの決裁文書改ざん指示への対応も含め、厳しい業務状況に置かれる中、精神面・肉体面において過剰な負荷が継続したことにより、病気休職、更には自死に至ったことについて、国の責任は明らかとの結論に至りました。そうである以上、いたずらに訴訟を長引かせるのも適切ではなく、また決裁文書の改ざんという重大な行為が介在している事案の性質などに鑑み、認諾するとの判断に至ったものであります。
このたび、国の責任を認めるに当たり、財務省を代表して、高い志と倫理観を持ち、真面目に職務に精励していた赤木俊夫さんに、改めて哀悼の誠を捧げるとともに、ご遺族に対しては、公務に起因して自死という結果に至ったことにつき、心よりおわびを申し上げますとともに、謹んでお悔やみを申し上げます。
今後二度とこうしたことを起こさないよう、文書管理の徹底はもちろん、組織風土の改革などを引き続き全力で推進し、信頼回復に努めていくとともに、説明については引き続きしっかりと行わせていただく所存であります。
冒頭私からは以上であります。

【質疑応答】

問)

赤木雅子さんは、賠償金が欲しくてこの裁判を始めたわけではないというのは大臣も認識はありますでしょうか。

答)

そういう話は聞いております。

問)

であれば、上司の方がどのように赤木さんに影響を与えたのかとか、そういうことを恐らく知りたがっていると思うんですけれども、お金を払って結局幕引きになるということについて、大臣ご自身は個人としてどうお考えですか。

答)

原告の方が対応に不満を持っているということに対する私の受け止めでございますが、本件訴訟は赤木氏が公務による心理的・肉体的負荷を原因として亡くなったことに関する損害賠償請求に係る訴訟であり、あくまでこうした観点から裁判所の訴訟指揮の下、審理が行われてきたと承知をいたしております。その上で申し上げますと、国としては、これまでも裁判所の訴訟指揮に従いつつ、公務災害認定に関連する資料や、いわゆる赤木ファイルなどの訴訟審理に必要な資料を裁判所に提出して、今般の認諾に際しましても、赤木氏の自死の経緯について、国側としての認識をできる限り詳細にお示しした準備書面を提出するとともに、原告の資料等の求めにも新たな資料の提出を含め、可能な限り対応するなど、できる限り丁寧な対応に努めてきたところでございます。国としては誠意を持って本件訴訟に対応してきたところでありますが、現在、ご遺族が国に対して提起をされております別の訴訟が継続中でございますが、その訴訟につきましても、引き続き真摯な対応をしてまいりたいと思っております。

問)

大臣ご自身の、個人的にこういう形で裁判を幕引きされるということは、多分ご遺族にとってもかなり心外だと思うんですけど、大臣ご自身はどう思われますか、この終わり方というのは。

答)

先ほど申し上げましたけれども、今回の訴訟は、これは損害賠償についての訴訟でありました。そこに自死に至った経過、それにつきまして原告側の主張というものを認め、また国の非を認めて、今回の訴訟については認諾をしたということでありまして、一つの訴訟についての判断をさせていただいたというところです。

問)

2点お伺いします。まず1点目、今回財務省本省から財務局の上司を通じて改ざんの指示があった、この改ざんの指示と赤木さんの死亡の間の因果関係を国が認めたという理解でいいでしょうか。

答)

本件訴訟は赤木さんが公務による心理的・肉体的負荷を原因として亡くなられたことに対する損害賠償請求についての訴訟であります。認諾ということは、そうしたことも含めて国の責任を認めたということであります。

問)

2点目です。麻生前財務大臣は、訴訟中、係争中であることを理由に、赤木俊夫さんのお墓参りにはなかなか行けない、消極的であるとおっしゃっておりました。先程私も奥様とお話ししましたけれども、今回訴訟が結果的に終結することになるので、鈴木さんには是非墓参りに来てほしいとおっしゃっておりました。大臣の見解をお願いします。

答)

お墓参り等につきまして、ご遺族が今別途提訴、提起をされておられる訴訟の中でも、それぞれ原告と被告という立場となっておりますことを踏まえまして、慎重な検討が必要だと思ってございます。その今行われております訴訟につきましても、真摯に対応をさせていただきたい、誠意を持って対応させていただきたいと思っております。

問)

今おっしゃった別の訴訟というのは、具体的に何を指しているんですか。

答)

情報開示の訴訟です。

問)

これまで訴訟について争う姿勢を示していた中で、何で今回認諾というふうな判断になったのか、どこが変わったのかについて教えてください。

答)

先程来申し上げておりますけれども、本件の訴訟において、国としては裁判所の訴訟指揮に従いつつ、公務災害認定に関連する資料やいわゆる赤木ファイルなど、訴訟審理に必要な資料を裁判所に提出するなど、真摯に対応してまいりました。その上で、これまで国が提出した資料を踏まえた原告側の主張の全体像が示されましたので、それが本年10月でございました。前回の口頭弁論期日であったわけでありますが、国としてこの原告側の主張の全体像が出たこと、その内容も踏まえて方針を検討した結果、国の責任は明らかであると、今回の期日で認諾するものとの判断に至ったものであります。

問)

訴訟資料の提出されたものは全部国が持っていたものだったと思うので、そういった判断をできるかとは思ったんですけれども、公務災害の認定というのは19年2月、大分前のことだったと思うんですけれども、改めてそこの部分でなぜこれだけ時間がかかってしまったのかという点について、もう一度ご説明いただけますか。

答)

最後まで原告側のご主張の全体像というものを踏まえなければならないわけでありますので、その原告側の主張の全体像が示されたのが今年10月でございました。前回の口頭弁論期日であります。そうした全体像が示されましたので、その内容を踏まえて検討いたしまして、もう国の責任は明らかであるという判断に至り、今回この期日で認諾するという判断をしたということであります。

問)

10月全体像を示されたという理由をおっしゃいましたけれども、折しも政権交代がありまして、岸田総理も赤木さん、奥様からの手紙をお読みになったりですとか、向き合うという姿勢を示してこられたと思うんですけれども、今回総理の判断というのは影響しているのでしょうか。

答)

事実関係で言いますと、まず私がこの件について相談を受けましたのは12月10日でございます。そして12月13日、月曜日に財務省・組織としての意思決定をいたしました。そして総理には、12月14日に事務方を通じて事前に報告をいたしました。総理からは、事務方を通じてでありますが、ご遺族とは本件とは別途の訴訟が継続中であり、引き続き丁寧に対応するように、それから森友学園問題については、今後も様々な場において真摯に説明を尽くしていくようにという指示がございました。

問)

原告側からの請求額というのは、国としては適切な額だという認識の下で認諾をされたということでよろしいでしょうか。

答)

結論から言えば、そういうことでございます。10月に原告の主張の全体像が示されました。国としての方針を検討したわけでありますが、赤木さんが公務による心理的・肉体的負荷を原因として自死されたことについて、国の責任は明らかであるという結論に至ったわけでございます。損害賠償額につきましては、決裁文書改ざんという重大な行為が介在しております本件の事案の特殊性に鑑みれば、妥当なものであるという判断をしたところであります。

問)

裁判の過程を考えれば、これから赤木さんの上司に当たる方々が裁判所から出てきて、どのようなことがあったのかという説明する段階だったんじゃないかと思うんですけれど、やはりその前に認諾をされたということなんでしょうか。

答)

別にそのことを念頭に置いて、そのためにこのタイミングで認諾したということではありません。

問)

今回のことで、弁護士の方からもここで打ち切るのは卑劣じゃないかというような強い反発もあります。それについてこの裁判の終わらせ方、あるいは、国民もこの赤木さんが亡くなられた経緯をもう少し詳しく知りたいんだと、どういう圧力があったのかを知りたいというのを閉ざしてしまうような形になると思うんですけれども、どうお考えですか。

答)

冒頭に申し上げましたように、今回の訴訟を通じて、私どもとして新たな資料の提出を含めまして、可能な限り対応をして、訴訟を通じましてできる限り丁寧な対応に努めてきたと、そういうふうに思っております。そういう中において、かなりこの資料の提出とかそういうことで、訴訟を通じて原告の様々な事柄についても真摯に応えたというふうに思ってございます。

(以上)

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