鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和3年12月24日(金曜)11時40分~11時54分)

【冒頭発言】

令和4年度予算の概算につきまして、本日閣議で決定をいたしましたので概要を申し上げます。令和4年度予算は、令和3年度補正予算と一体として編成し、いわゆる16カ月予算の考え方のもと、新型コロナ対策に万全を期しつつ、成長と分配の好循環による新しい資本主義の実現を図るとともに、骨太の方針2021に示された考え方に基づいて、新型コロナの状況を踏まえつつ、メリハリのついた予算としております。具体的には、科学技術立国の観点から過去最高の科学技術振興費を確保したほか、デジタル田園都市国家構想や経済安全保障に関連する予算をしっかり手当てし、岸田内閣の成長戦略に寄与するものとするとともに、看護、介護、保育、幼児教育などの現場で働く方の処遇改善のための措置を盛り込むなど、分配戦略にも重点を置いております。同時に、診療報酬のメリハリある改定等により、社会保障関係費の実質的な伸びを高齢化による増加分に収めるなど、骨太2021で定めた取組も継続しております。税収につきましては、過去最高となる65.2兆円となり、結果として新規国債発行額は前年度当初予算と比べて6.7兆円減少し、36.9兆円となっております。令和4年度財政投融資計画につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者への支援に引き続き万全を期すとともに、科学技術立国の実現、デジタル田園都市国家構想や経済安全保障の推進、防災・減災、国土強靭化等の分野に重点的に投融資を行うこととしております。また、令和4年度税制改正の大綱も本日の閣議で決定いたしました。令和4年度税制改正におきましては、賃上げにかかる税制の拡充、スタートアップと既存企業の協働によるオープンイノベーションの促進にかかる税制の拡充、住宅ローン控除等の見直し等を行うこととしております。本日の閣議決定を踏まえまして、今後、来年の通常国会への予算案等の提出に向けて作業を進めてまいります。

【質疑応答】

問)

来年度予算案では税収の増加を見込んでいますが、依然として公債の依存度が30%を超える厳しい状況にあります。政府は25年度の国と地方を合わせたプライマリーバランスの黒字化の目標を掲げていますけれども、今後の財政の健全化を着実に進めるためには何が必要になってくるのか、大臣のお考えをお願いいたします。

答)

先程お話し申し上げましたが、令和4年度税収は過去最高の65.2兆円と見込んでおります。しかし、ご指摘のとおり公債依存度は依然として30%を超えている状況であります。財政は国の信頼の礎であると思ってございますし、当面は足元のコロナ対策に万全を期することが必要ですが、社会保障の受益と負担のアンバランスという日本の財政が抱える構造的な問題に対して引き続き全力で取り組んでいくことが重要であると思っております。令和4年度予算においては社会保障関連経費の伸びを高齢化による増加分に収めるなど骨太方針2021に定めた取組を継続することができました。また、非社会保障関係費についてもこれまでの歳出改革の取組を継続し、目安を達成することができました。財政健全化についての取組は大変重要であると思いますので、引き続きこうした努力を継続していくこと、それが重要であると考えております。

問)

予算案にはコロナ予備費、前年同様5兆円が計上されました。国会に決議を経ないで使える予備費は抑制的に使うべきですが、なぜ前年と同額を計上したのでしょうか。それとコロナに対する様々な知見・対策が積み上がる中で前年度と同じだけの金額が必要だと判断されるまでにはどのような議論があったのか教えてください。

答)

これはやはりオミクロン株という新しい変異種が出てきて、その及ぼす影響というのがいまだよく分からないところがございます。岸田総理も最悪の事態を想定して準備を整えなくちゃいけないと、そういうことで前年度と同様の5兆円という予備費を計上したものと考えております。

問)

オミクロン株の影響が大きくてというところなんですかね。これまでの知見はそれなりには。

答)

オミクロン株も出ておりますし、今後まだ不確定要因というのはたくさんあるわけですね。ですからそういうことが何か起こっても対応すること、それはどの水準でやるかといえば、一応最悪の事態というものを想定するということでございます。何もオミクロン株だけの話ではなくて、様々なことがまだ可能性としてあるわけですから、財政的にもしっかり備えなければいけないということだと思います。

問)

財政健全化に関連してですが、2025年度のプライマリーバランス黒字化の目標は引き続き堅持されるという理解でよろしいでしょうか。

答)

そのとおりでございます。骨太の方針2021に書いてあるように2025年度においてプライマリーバランスの黒字化を目指すと。今年度中にコロナが経済財政にどういうような影響を与えたかということを検証して、それを再確認するということで、骨太の方針2021の方針に従って、それを目指して進めていきたいと思っています。

問)

予算から離れますが、アベノマスクについてお伺いします。先日、総理が今在庫が残っている布マスクについて廃棄を表明しましたが、そのための費用が最高で6,000万円ほどかかるのではないかと見られています。このことについて財務省としてどのように考えておりますでしょうか。また、もっといい方法はなかったのでしょうか。

答)

1つはやっぱり今年度中ということですので、今年度中に必要な方々、希望される方々のところにお届けするということで、様々な施設等もございますから、今年度中というある程度お尻を切ることによって、そうした方々の希望を多く出していただくということにもつながるのではないかなと思います。このままずっと持ち続けますと毎年毎年、国会でも指摘がございましたけれども、保管費用が年々かさんでまいりますので、この際やむを得ないのではないかと。俗な言葉で言えば損切りをするというようなことなのではないかと思います。

問)

先程出たプライマリーバランスの話で1点確認なんですが、先程大臣も2025年度の黒字化を目指して進めたいというふうにおっしゃっていまして、令和4年度の予算案でも税収の伸びなんかがあって、これについて財務省としては再確認のプロセスというのはあるんだけれども、結局見直す必要性はないと、再確認のプロセスを経ても現状見直す必要性はないと、そういうふうにお考えなんでしょうか。

答)

今のところ、そう思っています。

問)

予算と関連のない質問を1つお願いします。森友学園に関する決裁文書に関与されて自死した赤木俊夫さんの件なんですが、裁判終結について先日、妻の雅子さんが抗議文を出されて、胸を締めつけられる内容だったと思うのですが、これ読まれての受け止めと、あと世論調査を見ていますと8割の人が再調査を求める、8割近い人が再調査を求める声が出ています。これについても大臣の受け止めをお聞かせください。

答)

赤木さんからの手紙は拝読をいたしました。そこには大変強い抗議、それから謝罪を求める、そういうことが記されていたところでございます。この手紙を読みまして改めて赤木雅子さんの思いというもの、それをしっかり受け止めているところでございます。国会でも答弁をいたしましたが、公務の中で結局自死をされるという大変不幸なことが起きてしまったわけでございまして、改めて財務省を代表して謝罪を申し上げたいと、そういうふうに思っております。また再調査につきましては、これまでも第三者の目、これは会計検査院とか検察でも、第三者的な目が入っているわけであります。財務省としても真摯に報告書を取りまとめました。そしてまた今回の裁判の過程におきましても、訴訟指揮に真摯に対応して、いわゆる赤木ファイルというような文書も提出する等やってまいりました。今また別途、情報開示の別の訴訟がまだ係属中でございます。その別の訴訟におきましても、そうした訴訟指揮には誠実に向き合っていきたいと思っています。

(以上)

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