鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣繰上げ閣議後記者会見の概要

(令和4年4月28日(木曜)9時01分~9時15分)

【冒頭発言】

26日火曜日の関係閣僚会議におきましてコロナ禍における原油価格・物価高騰等総合緊急対策が決定されたこと等を受けまして、本日の閣議におきましてコロナ予備費1兆1,170億円、一般予備費3,940億円の使用を決定いたしました。本対策によりまして、ウクライナ情勢等に伴う原油価格や物価の高騰による国民生活や経済活動への影響に緊急かつ機動的に対応し、コロナ禍からの経済・社会活動の回復を確かなものとしてまいります。なお、予備費使用に関する詳細についてご質問がありましたら、事務方へお尋ねをいただきたいと思います。

【質疑応答】

問)

政府の総合緊急対策が26日に決定しましたが、財源として予備費を積み増した補正予算案が今国会に提出されます。予備費については国会の議決を経ずに内閣が使途を決めることができるなどの課題が指摘されておりますが、岸田総理は26日の記者会見では使途は新型コロナウイルス、原油・物価高対策に限定しており、国会に諮り、丁寧に説明をしていくと述べております。財務省としての考えをお聞かせください。

答)

今国会に提出する予定の補正予算については、燃油価格の激変緩和事業の6月から9月分を計上するとともに、今後の災害、新型コロナの再拡大や原油価格・物価のさらなる高騰など、いかなる事態が生じても迅速に対応できますように5.5兆円の予備費を確保するものであります。国民生活を守り抜くために必要なものであると考えておりまして、国会審議の過程におきまして丁寧に説明責任を果たしてまいりたいと考えております。

問)

ガソリン補助金など、燃油対策激変緩和事業など物価高騰対策なんですが、今後長引いた場合にはいつまでも続けられず、物価の高騰に対する補助金ですとか給付金頼みには限界があるのではないかという指摘もあるんですが、大臣のお考えをお願いいたします。

答)

足元ではウクライナ情勢に伴います原油価格の高騰が過去にない水準で推移していると、そういうことを考えまして、その激変を緩和すること、これはコロナ禍からの経済回復の下支えをするという観点から意義のあるものであると思っております。一方でご指摘の点でございますが、中長期的な低炭素社会、また低炭素産業への移行といった観点を踏まえますと、本事業については今後、原油価格の推移なども踏まえつつ、出口に向けた検討も同時に進めていく必要があると考えております。このため今回の総合緊急対策においては燃料油価格の激変緩和事業の延長・拡充を行うと同時に、事業終了時に大幅な価格変動が生じることがないように、一定期間経過後、基準価格の見直しを検討するとしているところでありまして、これに沿って対応をしていきたいと思っております。

問)

先程の大臣のご発言で確認なんですけれども、補正予算で埋め戻す予備費の総額、5.6兆円とおっしゃいましたでしょうか。

答)

5.5兆円ですね。

問)

ありがとうございます。その上で今回の対策の財源の在り方について質問なんですけれども、予備費の使用と補正というのをセットで見た場合、予備費で計上した詳細な事業の審議というのを国会で飛ばして、その後1カ月もたたないうちにパッケージで予備費で埋め戻すという、少々乱暴な手法に見えるんですけれども、この点、大臣いかがお考えでしょうか。

答)

これはよくいろいろなところでご指摘がある点でありまして、予備費をもって予算措置を行うこと、これは財政民主主義の軽視ではないかという御趣旨のご質問であると思います。今般の緊急対策において、新たな財源措置を伴うものについて予備費を活用することといたしましたのは、直面する危機に緊急かつ機動的に対応するため、まず迅速な対応を優先したためであります。現下の情勢が国民生活や経済活動に大きな影響を及ぼして、コロナ禍からの経済・社会活動の順調な回復を妨げないためにも、今般の予備費使用は緊急性があり、適切なものであると考えております。
今般使用することとする令和4年度予備費、これは今日決定したものでありますけれども、これにつきましては令和4年度予算の一部として国会で議決いただいたものであること、そして予備費の支出については憲法、財政法の規定に従って事後に国会の承諾を得る必要があること、そういうことを考えますと財政民主主義の観点から問題があるとは考えておりませんが、総理の発言にもありましたとおり、丁寧に国会の場等において説明をしていくということが大切であると思っています。

問)

1つ1つは恐らくそうだと思うんですけれども、パッケージで見た場合、当初、総理の指示からすると予備費の使用ということだけだったと思うんですけれども、1カ月後の補正予算というのがついたことでパッケージ、2つをセットで見ると予備費の事業の審議を飛ばして、ある種、箱に入った形の予備費で埋め戻すという、そこのパッケージで見たときの評価というのをお伺いしたいんですけれども。

答)

それは今日決めた予備費の使用のことをおっしゃっているんですか。それとも、これから先の補正予算にかかることをおっしゃっているんでしょうか。

問)

端的に申し上げると、この手法を繰り返すことで政府が、事業の費用というのを政府が決めて、事後に国会の承諾を得るということはもちろんあると思うんですけれども、政府が決めて、決めたそのお金は予備費という子細に事業費がない状態で埋め戻すという、これを繰り返すと、端的に言うと特に詳細の補正予算をつくらなくても、この手法を繰り返せば政府の好きにお金を使えるんじゃないかという、そういうふうな批判があると思うんですけれども、その点についてのご見解を伺いたいということです。

答)

そういうご批判はあると思いますし、そういうご批判を招かないようにやらなければならないと思います。予備費につきましては先程申し上げましたとおり緊急な、今後、例えばコロナ予備費も元に戻すわけでありますけれども、これも大分コロナの状況というものがわかってきたわけでありますけれども、今までの経緯を振り返ってみますと、変異を繰り返してきたということもございます。そういうことも含めて緊急に必要になったときのための備えとしての予備費であります。ですから予備費を組みましても、それがまるで何かポケットの中にあるもののように自由に使えるというものではもちろんなくて、そうした目的に沿ったものにしっかりと特定して使っていくということで、予備費があるから最後全部使い切っちゃえばいいと、そんな思いは全くないわけであります。

問)

同じく予備費についてなんですけれども、今回の対策の中ではコロナ予備費がコロナと原油・物価高騰対応の予備費として使い道が拡大されることになっていますが、年度の途中で予備費の使い道を拡大するというのはかなり異例のことかと思います。この予備費の使い道の拡大について、大臣のご見解をお願いいたします。

答)

今般の対策におきまして、コロナ予備費を新型コロナ感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費へ改組することといたしましたのは、コロナ禍の中で原油価格・物価高騰について、予測困難な事態の急変に対して迅速に対応するための万全の備えを行うためであります。これは予期せぬ予算の不足に充てるための予備費を確保することとした上で、国会の予算審議権にも配慮して、あえて予算総則によって使途を限定する特定予備費としたものでございます。

問)

本日、日銀の政策決定会合があるんですけれども、日銀の大規模緩和が最近の円安の一因とされているんですけれども、改めて日銀の金融政策について大臣のご所見をお伺いしたいと思います。

答)

日銀の金融政策決定会合、昨日から引き続き議論が行われているところでありまして、今何か申し上げることは控えたいと思いますが、今後とも日銀には経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、適切な金融政策運営を行われることを期待しているところでございます。
また、為替につきましては様々な要因によって市場において決まるものでありまして、一概に申し上げることは困難でありますが、たびたび申し上げておりますとおり、政府といたしましては為替の安定は重要であって、特に急速な変動は望ましくないと考えているところでございます。いずれにいたしましても、日銀において適切に金融政策運営が行われることを期待しているところでございます。

(以上)

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