鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和4年5月24日(火曜)9時42分~9時49分)

【質疑応答】

問)

物価高について伺わせてください。4月の消費者物価指数の上昇率が2%を超え、デフレ脱却に向けた2%目標を突破しましたが、現状では資源高や円安といった側面が強く、肝心の賃金の伸びが鈍く、家計への負担となっています。現状の物価上昇をどう評価され、また今後も続くと見られる物価高に対してどのように対応されていくか、お考えを伺わせてください。

答)

今ご質問にありましたように先日20日に公表されましたが、4月の消費者物価指数の前年同月比、総合でプラス2.5%、生鮮食品を除く総合でプラス2.1%となったと承知しています。この現状の物価上昇の評価ということでありますが、こうした最近の物価上昇につきましては、主に原油をはじめとする世界的な原材料価格の高騰などを背景としたものと認識しておりまして、食料品価格や原材料価格の高騰がマインドの悪化や実質購買力低下を通じて、民間消費や企業活動等に影響を与える可能性があると考えます。
今後の対応につきましては、政府としてはウクライナ情勢に伴う原油価格や物価の高騰によります国民生活や経済活動への影響に緊急かつ機動的に対応するため、先月26日に総合緊急対策を策定したところであります。また、明日25日には補正予算を提出することとしております。これまで使用した金額相当の予備費を確保することで今後の予期せぬ財政需要に迅速に対応し、国民の安心を確保したいと考えております。こうした措置はもちろんでありますけれども、令和3年度補正予算を含む前年度からの繰り越しや令和4年度本予算を迅速かつ着実に執行するということに力を入れることも重要だと考えます。物価高への対策を含め、しっかりと対応してまいりたいと考えています。

問)

2点質問があります。先週、岸田首相はクリーンエネルギー戦略に関する有識者会合で脱炭素加速に向けて必要な政府資金20兆円を確保するために新たな国債、GX経済移行債を発行することを表明しました。どのような制度設計で、いつ発行し、どのように償還財源を確保していく予定でしょうか。 
2点目は昨日、バイデン大統領と首脳会談の後で日本の防衛力を抜本的に強化するために裏づけとなる防衛費の相当な増額を確保する決意を表明しました。自民党の安倍元首相は防衛費6兆円台後半が必要とおっしゃっているようですが、鈴木大臣はどの程度の増額が必要で財源をどのように確保していくというふうに考えていますか。

答)

まずクリーンエネルギー戦略有識懇談会における総理のご発言でありますけれども、脱炭素社会の実現に向けては、総理の発言のとおり、裏づけとなる将来の財源をしっかり確保しながら対応していくことが重要だと考えます。経済成長と二酸化炭素の排出抑制の双方を最大化するという観点から各国の財源確保策の状況等を踏まえ、今後、年末までに政府全体として結論が得られますよう検討を進めてまいりたいと考えております。現段階において具体的に財源確保について決まっているものはございません。
それから昨日の日米首脳会談における防衛力抜本的強化についてでありますが、岸田総理はかねてより、防衛費についてはまず行うべきことは国民の命や暮らしを守るために何が必要なのか、具体的かつ現実的に議論し積み上げていくことであり、その結果、必要とされるものの裏づけとなる予算をしっかり確保していくとの考えを表明されているところであります。日米首脳会談においてもこうした考えを説明したものと承知をしております。私も同様の考えでございます。

問)

あまり質問したくない案件なんですけれども、総括審議官が逮捕された件について、ドイツの方では事実関係を確認中ということでしたけれども、その後、本人とお話とかはできたのかとか、どういうことが確認できて、どういう対処を今されているのか、またお気持ちについてお聞かせください。

答)

組織として規範となるべき幹部職員の方が逮捕されたということは遺憾でありますし、大変私としても残念に思います。世間をお騒がせしたという点についてお詫びを改めてさせていただきたいと思います。
国民から極めて厳しい視線が向けられている中でこうした事態が起こったということで、二度とこういうことが起こらないようにしなければいけないと思います。そのため昨日、朝でありますが、私から事務次官を通じて幹部職員に対して職員一同、現在財務省が置かれている状況を十分認識し、緊張感を持って職務に取り組む必要があること、より一層の服務規律の徹底に努めるよう幹部として肝に銘じることということを文書をもって申し渡したところでございます。
なお、本人のことにつきましては今捜査当局による捜査が継続しているところでありますので、その経過途中において私からのコメントは避けたいと思います。

(以上)

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