鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和4年7月22日(金曜)9時46分~10時01分)

【質疑応答】

問)

月内にも来年度予算編成に向けて概算要求基準が示されると思いますけれども、現時点で財務省としての考え方、どのような姿勢で臨むのか、お伺いできればと思います。

答)

概算要求基準でありますけれども、これから各省庁の要求、要望等に関する方針を定めることで夏の要求段階から各省庁において施策の優先順位の洗い直しを行っていただいて、予算の中身の大胆な重点化を促す効果を期待してつくられるものであります。
来年度の予算の概算要求基準は今、財務省の担当部局で検討、具体的な内容を調整中です。我が国が直面する内外の重要課題にしっかりと取り組みながら経済再生と財政健全化を進めていくために各省の柔軟な要求を認めつつ、予算の中身を大胆に重点化するものとなるように検討を進めてまいりたいと考えております。

問)

先程発表があった消費者物価指数が3カ月連続で2%を超えました。これについて、よい物価上昇、悪い物価上昇なのか、鈴木大臣のご認識を改めて伺います。

答)

本日公表されました6月の消費者物価指数ということでございますが、前年同月比で総合でプラス2.4%で、生鮮食品を除く総合でプラス2.2%ということになったと聞きました。こうした最近の物価上昇につきましては主に原油をはじめとする世界的な原材料価格の高騰などを背景としたものと承知をいたしております。こうした物価高騰がマインドの悪化でありますとか、実質購買力の低下を通じて民間消費や企業活動を下押しするなど、景気の下振れリスクになることについては十分注意する必要があると考えております。
そのために政府といたしましてはこれまで、昨年11月の79兆円の経済対策、それから当初予算、これは過去最大の規模となったわけでありますし、それから今年4月の13兆円の総合緊急対策、そして補正予算と切れ目なく対策を講じてきているところでございます。
その上で先般の補正予算で用意いたしました5兆5,000億円の予備費をまずは機動的に活用していくことが第一でありまして、その後のことにつきましては物価・景気両面の状況に応じて必要な対策をしっかりと行っていくということが大切であると考えています。

問)

本日閣議決定された安倍元総理の国葬についてなんですけれども、亡くなった方に対して死を悼む気持ちというのはあると思うんですけれども、それと全額国費で行うという、この国費の費用について伺いたいんですけれども、中曽根元総理のときには約9,600万円を予備費から支出したということが過去にあるわけですけれども、今回国葬ということになると全額ということで、当時だと2億円ぐらいはかかっているわけで、それと含めて海外の要人が来る場合のホテル代ですとか警備代、こういったものも国葬の公費負担の範囲には含まれるというお考えなのかということと国民の理解が得られるかということについて、お考えをお聞かせください。

答)

まず今朝の閣議で安倍元総理の国葬儀、9月27日、日本武道館において行うということが閣議で決定されたところでございます。今のご質問はその国葬儀にかかる経費のことになるわけでございますが、それがどれぐらいになるかとか、どの範囲に及ぶかということは、葬儀の内容がこれから具体的に検討されるわけでありますので、そうしたことによって変わってくるものでありますので、葬儀の具体的な内容の具体化、それをしっかり踏まえて対応したいと思います。

問)

今の安倍元総理の国葬について関連してお伺いしたいんですけれども、費用は予備費から出るものなんでしょうか。
 

答)

それも踏まえて、過去の例を見ますと一般予備費の使用というものが想定されます。ただ、先程申し上げましたとおり内容が具体化される中で検討されるものであると思います。常識的に考えれば予備費の使用が想定されるのではないかと思います。

問)

関連で、閣議決定された国葬が行われるということについて55年ぶりということなんですけれども、大臣自身の受け止めと、あと先程の質問にもあったんですけれども、国民の理解というか、そういうことを得ていくためにはどういった点が重要だとお考えかをお聞かせください。

答)

今日閣議決定されました、政府として決まったことでありますので、閣僚として何かそれに対して意見を言うということはいたしませんが、私個人としては安倍総理のこれまでの政治的な様々な功績、それと戦後最大、長い期間の総理をお務めになったこと、それから海外での評価、もろもろ総合的に考えれば国葬儀でお送りするということはとてもふさわしいのではないかと、個人的にはそう思います。
それから国民の理解はやはり先般も申し上げましたけれども、しっかり得られるような努力を、具体的にどうしろと言われるとちょっと困りますが、そういう努力をしっかりとして心として持っていく必要があると思います。もう決まったことだからと、こうやるんじゃなくてですね。

問)

昨日発表された上半期の貿易統計が半年間の貿易赤字としては過去最大になりました。その要因としては急速に進んだ円安というのが背景にあるわけですが、一方で日銀の黒田総裁は昨日の会見で今の、円安を止めるために今の日銀の大規模な金融政策の修正については否定的な考えを示しましたが、国として円安の進行が続くことによる貿易赤字の拡大についてだとか、このあたりの見解について、円安の考え方について鈴木大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

今回の上半期の貿易統計速報を見てみますと輸出額は45兆9,378億円、輸入額は53兆8,619億円ということでありまして、差し引き7兆9,241億円の赤字であったということでございます。その背景を、いろいろ分析をするあれがあると思いますが、このことを見てみますと輸出額が鉄鋼や鉱物性燃料が増加をしたこと等によりまして前年同期比でプラス15.2%となったこと、輸入額が原粗油や石炭が増加したこと等によりまして前年同期比でプラス37.9%となったというような背景があると思っております。そして輸出入の動向は内外の経済情勢や原油価格の動向等、様々な要因、円安という話もございましたが、そういう要因も影響を受けるものでありまして、今後の動向を注視してまいりたいと思います。
金融政策は日銀の独立性に任せておくべきものでございまして、昨日の会合においても日銀において発表されたとおりの決定がなされたわけでありまして、政府としてはそれを尊重するといいますか、独立性をしっかりと見ながら、しっかりとした金融政策を引き続きやっていただくということを期待したいと思っております。

問)

今の質問に関連なんですけれども、貿易統計、上半期で数量ベースで見ると輸出の方が伸び悩んでいて、この現状について、いわゆる企業の国際競争力の低下なのか、それとも供給面のサプライチェーンの問題なのか、どういったふうに見られているのかというのが1つと、あともう一つは昨日の決定会合なんですけれども、米欧が利上げを進めていく中で日本だけ9年以上にもわたって大規模な緩和を続けている、要は正常化にかじを切れない状況が続いているんですけれども、この日本経済をどういうふうに見ていらっしゃるのか、その2点をお願いできますか。

答)

前半のご質問につきましては先程申し上げたところとかぶるわけでございますが、差引額はあくまで輸出額と輸入額それぞれの状況、それぞれあると思います。それを反映した結果でございまして、特定の要因がこれだということは一概には申し上げることは難しいと思います。ただ、ご指摘のとおり円安が進んでいる割には輸出が必ずしもその勢いで伸びていないと。そういうのがやや反映しづらいような状況に今あるのかなというようなことを印象として持ちます。それから後半の質問は。

問)

大規模緩和がずっと長引いていて、日本経済がなかなか、これだけ続いても正常化の方に踏み切れない日本経済の状況というのを今どういうふうに見ていらっしゃるかと。

答)

いろいろと金利差が拡大することでいろいろな意見があると思います。日銀の今までの状況、そのままでいいかというようなことはありますが、政府の立場から言えば先程申し上げたとおり、日銀の独立性に、金融政策をお任せをすべきことでありますから、それに対して私がコメントをいたすことはいたしません。
ただ、一般論で言えばやはり金利を上昇させれば、それが景気の、景気回復といいますか、景気の中折れといいますか、そういうことにつながりかねないわけですから、そういうこともやっぱり考えなければいけないのではないかなと、そういうふうに一般論的には思います。ただ、先程申し上げましたとおり、財務大臣という立場から言えば金融政策は日銀の独立性にお任せして、しっかりとやっていただきたいと、そういう期待をするということでございます。

問)

関連して簡潔に2点伺います。貿易統計の半期ごとの赤字が過去最大であったという、この赤字過去最大ということの受け止めをお願いいたします。もう1つは今後の見通し、懸念、何かお持ちでしょうか。

答)

過去最大ということは事実としてそういうことでございますが、先程申し上げましたとおり今後はどうなのかということも見通すにしても、これは要因がどうかということを考えなければいけないんですが、それは様々な状況が、輸出は輸出、輸入は輸入でそれぞれの状況が反映されているわけでありますから、特定の要因について一概に申し上げることはなかなか難しいんだと思います。ただ、今回のことを見てみますと過去最高額となっておりますが、品目別に見ますと原粗油や石炭などの鉱物性燃料の増加の影響が大きいことですから、資源価格高騰の影響が一因であると考えます。ですから、この資源価格の高騰が今後どういうふうに推移していくのか、そういうことも含めて今後引き続きまして輸出入の動向を注視していかなければならないんだと思います。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る