鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣臨時閣議後記者会見の概要

(令和4年7月29日(金曜)18時06分~18時22分)

【冒頭発言】

先程の臨時閣議におきまして、令和5年度予算の概算要求基準が閣議了解されました。
令和5年度予算では、骨太方針2022や新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画等を踏まえ、我が国が直面する内外の重要課題への取組を進めてまいります。
新型コロナウイルス感染症対策、原油価格・物価高騰対策等を含めた重要政策については、必要に応じて今回設けた重要政策推進枠や事項のみの要求も含め、各省庁において適切に要求・要望を行っていただける仕組みといたしております。
また、新たな中期防衛力整備計画、少子化対策、子ども政策、GXへの投資に係る経費につきましては、骨太方針2022で示された方針を踏まえ、予算編成過程において検討する旨を明記しております。
こうした仕組みによりまして、令和5年度予算では、我が国が直面する内外の重要課題への取組を進めるべく、予算の中身を大胆に重点化してまいりますので、各省庁においては、8月末の期限に向けて、予算の内容を抜本的に見直していただきたいと考えているところであります。
財務省といたしましても、予算編成過程におきまして、各省としっかり議論を行いまして、歳出改革を進めながら、経済再生と財政健全化の両立を図ってまいります。

【質疑応答】

問)

概算要求基準なんですけれども、防衛費をはじめ予算編成過程で検討する項目が多くなっておりまして、歳出が大幅に膨らむのではないかといったことも懸念されるところであると思います。財源の確保を含めてどのように持続的な財政を保っていくのかと、この点について改めて考えをお伺いしたいです。

答)

本日開かれました経済財政諮問会議でも示されました中長期の試算では、力強い成長を実現し、今後も歳出効率化努力を継続した場合は、2025年度にプライマリーバランスが黒字化するという姿が示されたところであります。
我が国が直面している様々な課題に対応していく基盤として、健全な財政が不可欠であると考えております。財政は国の信頼の礎であって、引き続き責任ある経済財政運営を進めることが重要であると考えております。
政府といたしましても、骨太方針2022において、財政健全化の旗を下ろさず、これまでの財政健全化目標に取り組むとされておりまして、財政健全化に取り組む姿勢に変更はありません。
来年度予算編成は、重要課題が山積する中で難しい編成となりますけれども、経済・財政一体改革を着実に推進いたしまして、歳出の中身を精査するとともに必要な財源も確保するなど、しっかりとした対応をしてまいりたいと考えております。

問)

1点目が概算要求基準なんですけれども、コロナ対策、原油・物価高騰対策等を含めた重要政策と、「等」が含まれておりまして、重要政策の定義が曖昧になっているとの見方もあります。何が重要政策と考えていらっしゃいますでしょうか。また、事実上、目安がなくなっているとも言えまして、関係性の乏しい事業の要求も許すことにつながりませんでしょうか。まず1点目、お願いします。

答)

概算要求基準の閣議了解文に記載しておりますコロナ対策、原油・物価高騰対策、これは例示として挙げているものでありまして、重要政策の対象はこの分野に限られるものではございません。骨太方針2022や新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画などを踏まえた重要な政策は全て対象になり得るものと考えております。
その上で申し上げますと、ご指摘のいわゆる目安でありますけれども、これは秋以降の予算編成過程を経て、最終的に決定される予算の水準に関するものでありまして、概算要求基準は、目安の在り方について定めているものではございません。最終的な予算の姿については予算編成過程において検討されることとなります。
いずれにいたしましても、令和5年度の予算編成につきましては、骨太方針2022及び骨太方針2021に基づきまして、経済・財政一体改革を着実に推進をする、ただし重要な政策の選択肢を狭めることがあってはならないという、この方針に沿って対応してまいりたいと思っております。
各省庁は、概算要求の段階から歳出全般にわたりまして施策の優先順位を洗い直して、無駄を徹底的に排除しつつ、予算の中身を大胆に重点化していただきたいと思っておりまして、その旨を先程の臨時閣議におきましても、私から各大臣に申し上げたところでございます。

問)

関連してもう1点ございます。今回の概算要求基準の骨子では自民党から要求のあった食糧安全保障も特別枠に含めるなど与党の要求をかなり踏まえた形で落ち着いているかと思います。こうした中でも財政健全化に向けた歳出改革が可能というふうにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。

答)

様々な意見が、与党の政調の取りまとめに当たっての議論の中で出てきたということは事実でございます。
そうした議論も踏まえて、各省庁は、この概算要求するわけでありますので、概算要求の枠はあくまで先程申し上げました基準の中で行っていただくと。
その進め方も先程申し上げたとおりでございまして、そうしたものについて、財務省として関係省庁とよく協議をしながらしっかりと査定をしていく、そういうことになるんだと思います。

問)

全国知事会が大型の補正予算の編成を求めていますけれども、現時点で補正予算についての鈴木大臣のお考えをお願いします。

答)

これは総理も述べておられるところでございますけれども、昨年11月の79兆円の経済対策、それから過去最大の当初予算、今年4月の13兆円の総合緊急対策、そしてその後の補正予算、切れ目なく対応を講じてきているところでありまして、これによってこれまでの新型コロナ感染拡大という予測困難な事態、またウクライナ情勢に伴う原油価格や物価の高騰等に対応していきたいと思っているところでございます。
これから先のことは、まずは先般の補正予算で確保しました5.5兆円の予備費、これをまず機動的に活用していくことが第一であると思います。物価・景気の両面の状況を見て、必要な対策はしっかりと行っていきたいと思っております。

問)

こういった概算要求基準という考え方は例年示されているものだと思いますが、今回事項要求の幅がかなり広がったという印象を持っております。例えばですが、中期防に関する対応が明記されたのは初めてだと承知しております。そうした意味で何か1つの過渡期になるといった印象、認識を大臣としてお持ちでしょうか。

答)

1つの過渡期と言いますよりも、実態として、年末に向けまして国家安全保障戦略、それから防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画、こういう3文書を年末に向けて決めていく、その中でどういうようなものが防衛力整備として必要なものかというものが今後決まっていくわけですね。今時点ではまだそれが決まっていないわけですから。
しかし一方において、我が国を取り巻く厳しい安全保障環境の中で国民の安全、国の独立を守るという要請は大変強いわけですから、それは行うということ、これは総理も表明をされているところでございます。
今現在、そうした3文書もこれからですし、それに基づく中身もまだ定まらないわけでございますから、これは事項要求ということになるということだと思います。
事項要求というのは、別に今までもあったことでして、例えば社会保障の関係でも、制度改革などで来年度の通常国会にこれを提出するということで、まだその中身の法案その他、どういうことを法案にしていくのかということを、まだこの夏の段階では議論をしているというようなものについては事項要求をして、そういうものが詰まってから予算編成過程で決めていくという、こういう手法は今までもとられてきたものでございますので、別にここが大きな転換点になるという認識は私は持っておりません。

問)

先程、大臣が必要な財源は確保するということでおっしゃったかと思うんですけれども、増税などの歳入改革の議論というのは現時点では乏しいと思います。来年度の予算の議論の中で財源の確保に増税も選択肢になり得るのかどうか、大臣はどう考えていらっしゃいますでしょうか。

答)

何らかの事業を行うためにはそれなりの財源が必要になる、これは当たり前のことでありますけれども、その際どこかの歳出を削減するか、それとも増税をするか、どちらかということではなくて、歳出・歳入両面からの検討を進めて、それぞれの政策に必要な安定財源を確保していくこと、そういうことが重要なんだと考えております。しっかりとこの点、議論してまいりたいと思っております。

問)

今の入ってくる方、歳入の方なんですけれども、防衛費などは5年以内というふうに期限を区切って強化するという話をしているかと思うんですけれども、そういう増税であるとか負担増についても例えば5年以内に何らかの恒久財源を見つけるとか、そういうふうに年次を切って負担について決めるというお考えはありますでしょうか。

答)

私の認識としては、まずは来年度の予算編成ということだと思います。
総理も国会でもたびたび答弁されておられますけれども、先程申し上げた防衛3文書、そういうものを1年前倒しで今年中につくると。その中で防衛力整備の必要な部分は何なのか、それにはどれだけの予算が必要なのか、そしてその財源をどこに求めるのか、そういうものを一体的に年末までに決めていきましょうというのが総理のたびたびの国会での答弁でございまして、そういうことで進めていくと。まずは来年度に向けてということだと思います。

問)

為替相場なんですけれども、FRBの利上げやアメリカのGDPの統計が出た後に円安だったのが足元132円台まで、一時急激に進んでいた円安が円高に戻ってきている状況なんですけれども、足元の為替状況について大臣どうご覧になっていますでしょうか。

答)

円安に大きく振れたり、円高に振れたり、大分変化があるわけでございますが、日々の為替の相場の動きについて1つ1つコメントしないということになっておりますのでコメントはいたしませんが、いずれにいたしましても為替相場はファンダメンタルズに沿って安定的に推移することが重要であると考えておりますので、政府といたしましては日本銀行と緊密に連携をしつつ、為替市場の動向でありますとか、あるいは経済、物価等への影響、こういうものを緊張感を持って注視してまいりたいと思っております。

(以上)

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