鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣ぶら下がり記者会見の概要

(令和4年9月2日(金曜)21時45分~21時52分)

【冒頭発言】

本日、オンラインでG7財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されました。
本日のG7では、ロシアのウクライナ侵略への対応について議論をいたしました。
その結果、ロシアのエネルギー収入を減少させつつ、ロシアによる侵略が世界的なエネルギー価格の高騰やインフレへの圧力につながることを防ぐために、一定価格を上回るロシア産の海上輸送原油及び石油製品の輸入及び輸送のためのサービスの提供を禁止するプライスキャップ措置を導入することで一致をいたしました。
私からは、ロシアによる侵略が長期化する中、引き続きG7が一枚岩となってロシアに対し毅然として対応することが重要であること、プライスキャップはロシアのエネルギーによる収入を制限しつつ、各国のエネルギー安定供給を確保する方策として有用であり、日本としても支持することなどを説明いたしました。
今回の合意を受けまして、追って議長国ドイツより共同声明が発表される予定です。
我が国においては、関係省庁と連携して、この制度の国内措置の実施に向けた検討を進めてまいります。引き続きG7をはじめとする国際社会と連携して適切に対応していきたいと考えております。
なお、本日のG7では先日の閣議で来年の財務大臣・中央銀行総裁会議の開催地が新潟市に決まったことも紹介させていただきました。
この後、私から1~2問、質問にお答えをいたします。さらに追加のご質問があれば事務方よりお答えをさせていただきたいと思います。
 

【質疑応答】

問)

改めてプライスキャップ導入の意義ですね。それと今後その仕組み、具体的なスキームについては今日の議論では進展がありましたでしょうか。

答)

先程も申し上げましたとおり、ロシアのエネルギー収入を減少させつつ、ロシアによる侵略が世界的なエネルギー価格の高騰やインフレへの圧力につながることを防ぐということが一番の目的でございます。
これによって2つ、ロシアのエネルギーによる収入を制限する、それから各国のエネルギー安定供給を確保するという、この2つが実現することを見込んでいるところでございます。
今後でありますけれども、EUの第6次制裁パッケージの実施と足並みをそろえて実施する方針で合意をいたしました。EUの第6次制裁パッケージでありますが、原油にかかる措置については2022年12月5日、石油製品にかかる措置は2023年2月5日、こういうようなスケジュール感をもって今後詰めてまいりたいと思います。

問)

5月のG7サミットの方でG7として今後ロシア産の石油を禁輸していくということを表明されたと思うんですけれども、今後このプライスキャップを導入することで、禁輸に向けて、禁輸が完全に完了するまでにプライスキャップを導入して取引していくということなのか、それとも最終的なゴールというのが禁輸ではなくて、プライスキャップで今後も取引を続けていくという方に置き換わったのか、どちらになるんでしょうか。

答)

私の理解としてはプライスキャップというのが1つのゴールとしてあるんだと思っています。

問)

最終的に禁輸するという目的は一旦保留ということになるんですか。

答)

このプライスキャップを行うということも大変大きな事柄でありまして、とにかくこれを早く合意をしたものを形にしていくということが、当面の大きなものであると思います。
そして、例えば日本について、原油輸入にかかる立場ということについて言いますと、日本は、既にロシア産の石油輸入のフェーズアウトをコミットしております。ですから、フェーズアウトをしていくということでありますが、当面は、このプライスキャップというのが1つの大きなゴールであると考えております。

問)

禁輸というのはまだ一応残っているというか。

答)

そういうことですね。

問)

本日午前中の閣議後記者会見で為替についても日本の関心事として話をさせていただく可能性があるというふうにご発言だったと思うんですけれども、本日のG7会合で為替について議論があったのか、あった場合、日本からどのような意見が出されて、参加国からどのような意見があったのか、また改めて大臣の為替についての見解をお伺いしたいです。

答)

午前中の会見ではそういう趣旨で申し上げたのではなくて、今日の議長であるドイツの、議長の会議の運び方によってどういうものが議題になるかということでお話ししたところでありますけれども、本日の会議は、議長国のドイツの判断でプライスキャップ、このことが議題であったということで、その議論を行いました。
したがいまして、為替については議題ではなかったということで、発言は私も含め、どなたからもありませんでした。

問)

改めて大臣として、今の足元の為替についての見方を教えていただくことは可能でしょうか。

答)

為替については、水準等については申し上げませんけれども、常々申し上げていますとおり、急激な変動というのは好ましくないということです。そういうことを考えますと、最近の動きは少し幅が広い、幅が大きいというような感覚は持っております。
いずれにしても、注視をしっかりしていかなければならないと思っています。

(以上)

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