鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和4年9月16日(金曜)10時42分~10時52分)

【質疑応答】

問)

為替市場の動きについてです。一昨日、大臣は為替介入も含めたあらゆる手段を排除しない姿勢を示されましたが、為替相場、引き続き1ドル143円台を推移しています。来週には日米の中央銀行の金融政策決定会合もあり、会合の内容によっては投機的な円売り圧力も強まる可能性もありますが、大臣は現状の為替市場の動きをどのように見ているのかというご所見や今後の対応方針についてお願いいたします。

答)

一昨日、記者会見もさせていただいたところでありますが、改めてという問いでございますので、改めてお答えさせていただきますけれども、常々申し上げていますとおり、為替相場というのはファンダメンタルズに沿って安定的に推移する、これが重要でありまして、急激な変動というのは好ましくないということを申し上げているところであります。
最近の為替市場を見てみますと、投機的な動きというものも背景に、急速で一方的な動きが見られまして、過度な変動というものに憂慮をいたしております。
一昨日も申し上げましたけれども、政府といたしましては、為替市場の動向を高い緊張感を持って注視をいたしております。そしてこういうような動きが継続する場合には、あらゆる措置というものを排除することなしに、為替市場において必要な対応をとっていきたいと思っております。
ご指摘のように、これからもいろいろな動きがある可能性もございますので、しっかりと注視をしていきたいと思っております。

問)

物価高と円安についてお伺いします。大臣は4月の記者会見で円安で企業が十分に価格転嫁できず物価上昇が賃金の伸びを上回る状況が起きれば、それは悪い円安だとおっしゃいましたけれども、実際に足元では企業物価上昇への円安の影響が強まっており、また消費者物価の上昇率が名目賃金の上昇率を上回るという状況が4カ月連続で続いております。大臣は今の円安は悪い円安だとお考えでしょうか。

答)

一般論で言えば、円安もプラスの側面それからマイナスの側面、両方ございますから、一概にいいか悪いかということは言いにくい面がございます。そうしたことを申し上げた上で言えば、最近の輸入物価につきまして、これは原材料価格の上昇、それと円安の進行、これが要因となって上昇しているということを思ってございます。今、政治にとりましても、物価高騰対策というのは大きな課題になっておりますので、このような動きが物価や景気に与える影響についても最大限の警戒感を持っていく必要があると思います。
この物価高騰につきましては、先週、9日に物価・賃金・生活総合対策本部を開きまして、切れ目のない対応を行っていくということで政府としてもしっかりと対応していきたいと思っています。

問)

円安に関してもう一つお伺いさせていただきたいと思います。岸田総理は14日の経済財政諮問会議で円安メリットを生かした我が国の稼ぐ力を強化する取組が重要だというふうに述べましたけれども、それはつまり政府としては今の円安に抗うのではなく、円安を甘受して、それに適応していくというような、そういう方針をとるということなんでしょうか。為替政策を所管する鈴木大臣にお伺いしたいと思います。

答)

円安の状況にあるという現実を踏まえて、そうした現実の中でむしろ円安のメリット、先程プラスとマイナスがあると申し上げましたけれども、そうしたプラス面をいかに大きくしていくかということを総理はおっしゃったんだと、そういうふうに理解をいたしました。
インバウンドについて言えば、上限を拡大しておりますけれども、それを撤廃に向けてこれからも検討するということも聞いてございます。それから条件も自由に旅行できるというようなことも目指していくということを聞いておりますので、現状、そういう円安の状況にあるという現実を踏まえた上でプラス面を大きくしていきたいと、こういう趣旨だと理解をいたしております。

問)

10月に策定する経済対策で、与党からは30兆円が発射台など規模感に関する意見も出ていますが、こうした規模感ですとか経済対策に対する大臣の所感を教えていただきたいのと、そもそも財政出動がインフレ対策として有効なのかについて大臣のご認識をお聞かせいただけますか。

答)

まず経済対策について申し上げますと、9日の先程申し上げた物価対策本部で、総理から、10月にも経済対策を打ち出して、そしてそれを補正予算にというような言及もございました。
そして、経済対策をまとめるに当たっては、やはりこれは政府と与党がよく連携をしながらつくっていくものだと理解をいたしております。額というものが結果としてどの程度の規模になるのかということはあると思いますが、まずは必要なものを積み上げていって、その結果が額としてどうなるかということなんだと思います。
それから財政出動について言えば、影響を受ける弱い層にピンポイントに支援をしていけば、これはインフレ対策にも有効なのではないかと考えます。

問)

防衛費の定義について1点お伺いします。先日の閣議後会見で大臣、NATO定義について1つの考え方である旨おっしゃいました。そしてそこからさらに報道もされておりますが、サイバーですとか港湾の整備ですとか幅広に防衛費にカウントしていくというアイデア、検討もあろうかと思うんです。この点について財務大臣としてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。

答)

NATO定義というお言葉がございましたけれども、ご指摘のNATO定義、これは外国の国防省を含めた政府全体の軍事支出を参照するための1つの考え方であると先般この場で発言をさせていただいたと思っております。
骨太の方針には、NATOにおいて2%に増やしていくということが例示的に書いてありました。それはまさにNATO定義の中での話だということですね。NATOにおいてGDP比2%増やそうと、こういうことですから。まさにいわゆるNATO定義というものも1つの目安として考えられるのではないかと思っています。

問)

そこからさらに幅広にカウントするということについてはいかがでしょうか。

答)

いずれにいたしましても、防衛費については、年末に向けまして防衛3文書を策定し、それに合わせて必要な防衛力の規模、そしてそれに係るお金が出てくるわけでありますから、それを踏まえながら財源も合わせて決めていくということでありまして、これからの議論の中でどういうような整理をしていくのかということが決まっていくんじゃないかと思います。
いずれまだ防衛3文書も決まっていない段階ですので、これからの年末に向けての議論であると理解します。

(以上)

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