鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣ぶら下がり記者会見の概要

(令和4年10月12日(水曜)23時17分~23時28分)

【冒頭発言】

本日の会合の概要について説明をさせていただきます。G20では世界経済と国際金融を議論いたしました。
世界経済に関するセッションでは、ウクライナのマルチェンコ財務大臣も参加をされました。私からは、ウクライナへの連帯を表明するとともに、ロシアの行為を最も厳しい言葉で非難し、ロシアの侵略によって世界経済の抱える困難も深刻化しているということ等を指摘いたしました。
特に、食料不安について国際協調の推進の必要性を強調し、日本としても、アフリカ開発銀行と協調し、3億ドルの支援を行うなど、食料不安への対応を進めることを説明いたしました。
また、インフレを受けた先進国の金融引締めの国際的な波及効果にも注意が必要であると申し上げました。この中で、特に為替について、変動が急激に高まり、極めて憂慮していること、それからG20でも合意されたとおり、「為替レートの過度な変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得る」もので、インフレ、資本フロー、債務問題等への影響を注視し、適切に対応する必要があること、日本も、投機による過度な変動に対応するため2011年以来の為替介入を先月実施したこと、を説明いたしました。
国際金融セッションでは、SDRチャネリングにおける日本の貢献として、54億ドル相当のSDRをRSTに追加貢献する予定であることを表明いたしました。
また、G7では、ウクライナ支援やロシア非難で引き続き結束することなどを確認いたしました。
為替については、私からはG20と同様の発言をし、G7声明において、多くの通貨がボラティリティの増加を伴って大幅に変化したことの認識が書き込まれるとともに、為替相場のコミットメントを再確認いたしました。
G7では、北朝鮮による核・ミサイル開発は、国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて許容できないということも私から指摘をしたところであります。
さらに、G7では、気候変動に関するハイレベル対話、アフリカ諸国とのラウンドテーブルを開催しました。
このほか、ウクライナ支援ラウンドテーブルに参加するとともに、インドのシタラマン財務大臣と面会をいたしまして、来年それぞれがG20、G7の議長国を務めることを踏まえまして一層緊密に連携することを確認いたしました。
冒頭、私から会議の概要についての発言は以上です。

【質疑応答】

問)

2点伺わせてください。1点目は足元、円相場が147円に迫る水準となっております。今後の対応方針を含めて大臣のご認識と、先程ご発言があった9月の介入のご説明に対して各国からどんな反応があったのか、これが1点目です。2点目はG7の声明で金融引締めのペースは他国への影響に留意しつつ適切に調整する、通貨変動の大きさを認識し監視するといった趣旨の文言が入りました。日本にとっても前向きなものだと思いますが、大臣の受け止めを教えてください。

答)

まず現在の為替でありますが、水準等については私の発言が不用意なものであって影響を与えてはいけないということで、水準については申し上げないことにしておりますけれども、投機による過度な変動、これは容認できないわけでありまして、為替市場の動向を高い緊張感を持って注視をしております。そして過度な変動に対しましては適切な対応をとりたいと考えております。
そして今日の他国の反応につきまして、日本の為替介入についてのコメントはありませんでした。ただ、G7声明で、先程申し上げたとおり、多くの通貨がボラティリティの増加を伴って大幅に変化したことの認識をしつつ、為替相場のこれまでのコミットメントを再確認できたということであります。
それから何でしたか。

問)

ボラティリティの大きさと金融引締めのペースについては他国への影響に留意するという文言が入ったことへの大臣の受け止めを教えてください。

答)

会議の中身をちょっと話させていただきますと、多くの国が、世界的な金融環境の引締めがもたらす世界経済への波及効果を、注視・対応する必要性を指摘いたしました。こうした中で為替の問題に言及する国もありました。G7では、先程申し上げましたとおり、共通の認識を持つことができたということと、今までのコミットメントを再確認できたということは、1つの成果であると思っております。
私の認識といたしましても、やはり今の金融引締めの状況がいろいろな面で、為替も含め世界経済に影響を与えているということでありまして、それについて多くの国がそうしたことを注視し、対応する必要性というものが指摘をされたということでございます。全ての国ではありませんけれども、そうした課題について、そういう認識が広がっているんだなと。現実、影響を受けた国があって、こういうような発言につながっているんだなというのが私の認識です。

問)

大臣がアメリカに来られてから改めて円安が一段と進んでおりまして、明日の朝、年間のCPIが発表される見込みです。改めまして為替のレートの過度な変動に対して、介入も含めてどのような対応方針をとられるかを教えてください。

答)

これはさっきの繰り返しになります。投機による過度な変動、これは容認できませんから、為替市場の動向を本当に緊張感を持って注視をしております。そして仮に過度な変動というものがあれば、それに対しまして適切な対応をとっていくということであります。

問)

もう1点なんですけれども、先程あった各国通貨に対するドル高なんですけれども、初日の議論で途上国の債務問題についても議論だったり意見というのが交わされましたでしょうか。

答)

債務の問題については、もちろんいろいろ議論が出ました。それに対する対応、特にG20の場で決まった共通枠組がありますから、その共通枠組が動きはしていますけれども、まだ、成功事例というものがないわけでありまして、早く成功事例をつくることが大切だという意見、それは私も申し上げましたし、他の国からも、特にG7の他の国からは同様の発言がありました。
また、それとは別に、やはり先程も申し上げました各国の金融引締めというものが債務問題にも影響を与えていると、こういうような発言がありました。

問)

同じような質問になってしまうかもしれないんですが、今、市場では9月の介入前の水準よりも下回って円安が進んでいるので介入があるんじゃないかという見方が結構多いんですけれども、改めて水準になる額、動き、変動だということでよろしいでしょうか。

答)

それは前回介入したときに申し上げたとおりでありまして、どこかに水準があって、それを超えたらとかというんじゃなくて、やっぱりボラティリティのところに注目をして、特に投機筋が動いて急激な変動があるということがあれば断固たる対応をするということ、その考えには変わりありません。

問)

G7の声明の中で、先程の質問にもありましたけれども、要は金融引締めのペースを調整するという文言がありましたが、その文章に続いて金融引締めの影響、波及効果が国を越えて影響するので、そういうのにも対応して調整しましょうということだと思うんですが、これは自分の国のインフレを抑えるために中央銀行が金融引締めをするんだけれども、その一方で他国のことにも配慮して今後は金融引締めを調整していこうということをG7、アメリカを含めて合意したと、そういう理解でよろしいんでしょうか。

答)

そういう問題が提起されて、私もそのことについて発言をしましたけれども、そうした課題があるということをしっかりと声明に書き込んだということなんだと思います。そういうことが重要なことなんだと思います。

(以上)

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