鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和4年11月4日(金曜)9時16分~9時28分)

【質疑応答】

問)

10月31日に防衛力強化に関する有識者会議の第2回会合の議事要旨が公開されました。その中で防衛費増額の財源について幅広い税目による国民負担が必要なことを明確にして国民の理解を得るべきだなど、国債発行に頼らず増税など国民負担を求める有識者の意見が多く紹介されています。こうした有識者の発言の受け止めと、また防衛費の財源についてどのように確保することが適切か、大臣のお考えをお聞かせください。

答)

ご指摘のように、10月20日に官邸におきまして開催されました第2回有識者会議では、防衛費増額の財源を含めまして、防衛力強化をめぐる幅広い検討事項について、委員の皆様から様々なご意見を頂戴したところであります。
私からも、総合的な防衛力強化に向けた論点といたしまして、我が国の限られた資源を最大限有効活用するために、防衛省と関係省庁が連携する枠組みを構築すべきではないかといったことや、有事であっても我が国の信用や国民生活が損なわれない経済財政の在り方について議論をするべきではないかといった発言をしたところであります。
その上で、お尋ねの財源確保の在り方につきましては、一般論といたしまして、防衛費は恒常的に必要となる経費でありますので、歳出・歳入の両面から検討を進めて、必要な安定財源を確保していくことが重要であると思っております。
引き続きまして、防衛力強化を支える経済財政や財源確保の在り方につきましては、有識者会議において議論が進められていくものと承知をしています。総理からも、次回の有識者会議におきまして、総合的な防衛力体制の強化に必要な財源確保の考え方にかかる検討状況について報告をするようにという指示がありました。財務省としてしっかりと議論に貢献していきたいというふうに思っています。

問)

防衛費に関して、今日一部報道で23年から今後5年間で48兆円が必要という防衛省の試算がまとまったというような記事も出ていますが、このことについての受け止めといいますか、お話を伺えたらと思います。

答)

そういう報道があったということは承知をいたしておりますけれども、防衛費については、今現在、何ら決まったものはございません。
政府といたしましては、防衛費については、規模ありきではなく、新たな国家安全保障戦略等を策定して、これらを基に予算を編成していく中で、内容、規模、財源、こういったものを一体的に検討していくという方針、これは常々申し上げているところでございます。
また、こうした点については、官邸に設置されました有識者会議においても議論が進められているほか、今後、与党間の協議も進められるということでございますので、そうしたこともしっかりと踏まえなければならないと思っております。
こうした検討に当たりましては、想定されます具体的な脅威に対して、実効的に機能する抑止力強化に集中すること、防衛省自身も自己改革と合理化に取り組んでいただくこと、国民的な議論をしっかりと積み上げて国民の理解と納得を得ていくこと、これが大変重要なことであるというふうに考えています。財務省といたしましても、防衛省、国家安全保障局などとの緊密な連携を行って、防衛力強化のために真に必要な施策の積み上げ、規模、財源の一体的な検討を進めていきたいと考えています。

問)

このほどFRBであったりとか、あるいはBOEが0.75%の利上げを決めております。経済対策の中でも欧米の金利の引下げなどによって、今後の海外経済のリスクというのが、日本経済にとっても先行きに影響を与える可能性があるというような話もありますけれども、その影響を現在、鈴木大臣どのようにご覧になっていますでしょうか。

答)

FOMCが11月1日、2日に開催されまして、政策金利を前回9月の会合に続きまして0.75%引き上げることが決定されたということは承知をいたしております。
米国の先行きにつきましては、緩やかな持ち直しが続くことが期待されますけれども、一方におきまして、金融引き締めに伴います影響等による下振れリスクが高まることにも留意していく必要性を強く感じるところであります。
米国のインフレの動向や金融政策の変更によりまして日本経済や世界経済にどのような影響を与えるのか、そういうことを引き続き注視をしていく必要があると考えております。

問)

為替介入をめぐって、大臣は常々、投機的な過度な変動は容認できないということをおっしゃっていますけれども、この間、国内の金融機関からも日本の個人が相当円を売ってドルを買っているというふうに言われているわけですけれども、これは投機筋かどうか、どういうふうに判断していて、そこに日本のそういう個人も含まれるんでしょうか。

答)

為替の相場というのはいろいろな要因で動くわけでございまして、市場を通じてファンダメンタルズに基づいて安定的に推移するということが基本であるというふうに思っております。
しかし、そういう様々な要因の中には、例えば実需もあると思います。海外との関わりの中で仕事をされている方々にとりましては、円が強くなったときにドルを確保したいということもあると思いますし、また一方において、今ご指摘のございましたデイトレーダーみたいな方がいろいろな為替で円を売ったり買ったりされるという、これはもちろんあると思います。様々な要因によって決まっていくわけでございますが、我々といたしましては、やはり為替介入に当たりましては、何かこの水準が望ましくて、そこに誘導するというのではなくて、あくまで過度な変動、特に投機筋によります過度な変動、これは家計や企業のいろいろな計画等にも影響を及ぼしますので、それは容認できない、そしてそういう動きがあるときは、必要な対応をとるという従来の考え方でこれからも臨んでいきたいと思っています。

問)

今おっしゃった中で、はっきりおっしゃらなかったんですけれども、デイトレーダーというお話がありましたけれども、国内のデイトレーダーは投機筋に当たるということでよろしいんですか。

答)

それはそのときの規模とか、そういうものにもよるんだと思います。

問)

債券市場のことを伺いたいんですけれども、この前の会見でエネルギーの、ガソリンの補助金の出口戦略の話があったと思うんですけれども、債券市場、10月から、9月からそうですけれども、10年もの国債の取引が成立しないと、一種市場が壊れているというような指摘もあって、実際そうだと思うんですけれども、また住宅ローン金利をそうした中で日銀はイールドカーブコントロールで金利を抑えているわけですけれども、大手3社が11月から住宅ローン金利を上げると。これも国債市場が働いていない証拠だと思うんですけれども、大臣こういった状況をどうご覧になっていて、国債市場で日銀がそういった買入れをやめた場合に急激に国債価格が下がって混乱になるというのはマーケットの共通認識だと思うんですが、それに対する出口戦略というのは何か考えていらっしゃらないんでしょうか。

答)

まずは金融政策というものは、日銀の独立性のもとで任せられるべきものであると、そういうことが大前提でありますが、その上で、足元で長期金利が上昇しているというご指摘でございますが、国債の金利は経済財政の状況でありますとか、海外の市場の動向等、様々な要因を背景に市場において決まるものであります。
その動向についてコメントすることは、市場に無用の混乱を生じさせるおそれがございますので控えますけれども、政府といたしましては、今後とも国債の安定的な消化、これが確保されるように適切な国債管理政策をしっかりと進めていかなければならないと、そのように感じております。

(以上)

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