Englishopen new window

鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和4年11月11日(金曜)9時22分~9時46分)

【質疑応答】

問)

8日に投開票が行われた米中間選挙について、現時点では大勢は判明していませんが、上院は拮抗し、下院は野党・共和党が優勢とされています。民主党のバイデン政権と議会の支配等異なるねじれに陥ることも想定される中、そうなった場合に日本の経済、金融市場に与える影響について大臣の見解をお聞かせください。

答)

アメリカの中間選挙でございますが、まだ最終的な結果というものは出ていないようでございます。
その中間選挙を受けて日本経済や金融市場に与える影響についてでございますが、今回の選挙結果や今後の動向をよく見つつ、引き続き注視してまいりたいと思っております。
その上で足元の世界経済、これはロシアによるウクライナ侵略を背景とした国際的な原材料価格の上昇が続いておりますし、また各国地域における中央銀行が金融引締めの動きを加速している、さらには中国では不動産市場低迷やゼロコロナ政策による経済の下振れ懸念がある、こういう中、世界的な景気後退懸念が高まっているというふうに認識をいたしております。
こうした足元の難局を乗り切るためにも日米二国間関係の重要性というものはいささかも変わることはないわけでありまして、選挙結果のいかんによらず、引き続き緊密に連携しながら課題の解決に取り組んでいくことが重要であると考えております。

問)

外国為替相場は本日アメリカのCPIの影響を受けてかと思いますけれども、急速に円高に振れています。大臣のご所見と今の外国為替市場、円相場をどのように見ているか、あらためてお伺いできればと思います。

答)

為替相場の動きについては様々影響もございますので従来どおりコメントは控えますけれども、いずれにいたしましても政府としては為替市場の動向を高い緊張感を持って注視をするとともに、必要な場合には適切な対応をとりたいというふうに考えております。

問)

9日、官邸で開かれた防衛力の有識者会議で財務省としても財源確保の基本的な考え方を示されたと思いますが、不足する財源については税制含めて多角的検討が必要とされていたと思います。参考として各国の湾岸戦争とか東日本大震災のときの財源フレームの例なども示されていたように思いますけども、改めてなんですけれども、どのような財務省としての考え方か、同様にしっかりとした財源を確保していくことが必要か教えてください。

答)

ご指摘のとおり、一昨日、国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議がありました。私から総合的な防衛体制の強化に必要な財源確保の考え方について報告をいたしたところでございます。総理からは令和5年度予算編成、税制改正において、所要の結論を得られるよう与党と連携して引き続き検討を深めるようとの指示があったところであります。
防衛費の財源確保の在り方につきましては現時点においては具体的な方向性が決まっているわけではないわけでありますが、新たな国家安全保障戦略等の策定でありますとか、予算編成を通じまして与党ともよく連携をして防衛力強化の内容や規模とともに一体的に検討してまいりたいというふうに考えます。

問)

もう1問だけ別の話題です。G20の財務大臣会合も間近かと思いますけれども、大臣の出席の予定を教えてください。いずれにせよ来週にはサミット、首脳会合も控えますけれども、足元の国際情勢を踏まえてどのような議論を期待するか、お願いします。

答)

まず来週開催予定のG20サミット、これは岸田総理が出席されるということでございます。
私自身につきましては、これまでのG20サミットと異なりまして、今回各国の財務大臣レベルによるセッションが予定されていないということ、それからG20各国の財務大臣とは7月、そして10月のG20会合等で既に十分な、必要な意見交換を行っていること、そしてまた国内におきましては補正予算、それからただいまご質問いただきました防衛力強化に基づくことも含めた来年度の当初予算、税制改正といった課題がありまして、常に関係部局と相談しているというような状況でございますので、そういうことを考えまして今回私自身は出席をせずに、私の代理として神田財務官を派遣したいと考えています。

問)

どのような議論を期待したいですか。

答)

サミットにおける首脳間の議題については、これは主催するインドネシアの方で最終的に決めるということでありますので、私から予断をもって申し上げることはできないと思います。

問)

円相場のことでご質問なんですけれども、以前から為替介入を行った際は公表するときもあれば、しないときもあるということでしたけれども、昨日の円の急騰に関して為替介入を行ったかどうか、コメントをお願いします。

答)

基本的に為替介入を行ったか、行わないかについては申し上げないということにさせていただきたいと思います。

問)

2問ありまして、1つ目は先ほどの防衛力の強化の有識者会議での財務省の考え方なんですけれども、5年の中期防以降も継続的に歳出水準を維持していくことも考えなくちゃいけないというようなお話が資料の中でも提示されていたと思うんですけれども、当面5年と、さらにその先を見据えた防衛歳出というものを支えてくための財源の考え方ですね、この資料の意味するところも含めて、少しお話を伺えればと思うんですけれども、例えば税目とかが仮に税になった場合には税目みたいなのが変わっていくような形になっていくということなのか。もう1つが、昨日の夜に暗号資産の取引交換所のFTXジャパンに対して業務停止と業務改善命令が出たんですけれども、かなり遅い時間の発表でもあったので、そこら辺の判断に至った背景、何か緊急性みたいなものがあったのか、そこら辺についてお伺いできますでしょうか。

答)

まず5年間と、それからその先ということで、財源ですね、どういったようなものになっていくのか、変化が、また税目なんかが変わるのかとかというような、そういうご趣旨だったと思いますが、いずれにいたしましても、防衛費の財源確保の在り方については、現時点で具体的に方向性が決まっているものではなくて、これから与党とも十分連携しながら決めていく、こういうことでありますので、今のご質問についてもこれから決めていくということでご理解をいただければと思います。
それから、FTXジャパン社に対して関東財務局が業務停止命令を含む行政処分を行ったということでありますが、そのことについて申し上げますと、FTXジャパン社の親会社でありますFTXトレーディング社におきまして信用不安が生じておりまして、その資本・取引関係を踏まえれば、当社に対して速やかに利用者の新たな取引を停止させるとともに、当社の資産が国外の関連会社等に流出して利用者の利益が害されるといった事態が生じないよう、万全を期す必要があるというふうに考えております。
FTXジャパン社において明確な理由の説明もなく利用者による出金等が停止されるなど、業務遂行に関する体制不備が認められることにも鑑みまして、昨日、当社に対し業務停止命令等の行政処分を行ったところでございます。
こうした事態に至りましたことは大変遺憾なことだと思います。当局としてFTXジャパン社において利用者資産の保全など、利用者の保護に関する措置が適切に講じられますように、今後ともしっかりとその推移をモニタリングしていきたいと思っております。
発表の時期が遅くなったということは多分、特に遅らせたとかそういうことではなくて、結果としてそうなったんだと思います。

問)

2点よろしくお願いします。1点目、米国の昨晩発表された為替報告書についてなのですが、内容に関しては基本的に日本に対してあまり変更はなかったかと思うんですが、まず受け止めをよろしくお願いします。2点目、FTXジャパンについてもう1点なのですが、海外ではFTXの資産を凍結する動きが出ていますが、国内ではそういったことは今検討はされていらっしゃいますでしょうか。

答)

まずアメリカの財務省が為替報告書を公表したところでございますが、個々の記載についてはコメントすることは控えますけれども、いずれにせよ、為替にかかる問題について今後とも米国を含む各国通貨当局と適切に意思疎通を図っていきたいと、それが基本的な考えでございます。
そして為替介入にかかる報告書の指摘の表現につきましては、近年の報告書で繰り返し使われてきた表現を踏襲したものにすぎず、何か新たな見解が加わったものではないと承知をしているところでございます。為替報告書の監視リストでございますけれども、日本もこの監視リストに含めているところでございますけれども、これにつきましては、経常黒字額や対米貿易黒字額などを一定の水準に照らして機械的に評価した結果にすぎないものであると、そういうふうに認識しているわけでありまして、これによりまして米国が日本の為替政策を問題視しているといったことを意味するものではないというふうに理解しております。
それからもう1つ、FTXジャパン社の問題に関しまして、我が国の資金決済法、それから金融商品取引法では、暗号資産交換業者は利用者の資産を事業者自身の資産から分別管理、保全をすることなど、利用者保護のための措置が義務づけられております。
まずは、FTXジャパン社に対してしっかりとモニタリングをしていくとともに、引き続きまして暗号資産交換業者における利用者保護のための体制整備の確保に取り組んでまいりたいと思っております。日本においてはこの2つの法律によって一定の利用者保護の措置が義務づけられているということであると、そういうふうに認識しています。

問)

まず1点目ですね、防衛力の有識者会合の話で先週、この前の会見でSMBC日興証券の金融庁の処分の話のやりとりがありましたけれども、有識者会合は金融界からの唯一の委員は三井住友FGの國部さんなわけで、三井住友に対してはこの前の金融庁の処分の際に改善措置命令、本体にも出ているわけですね。そういった大手証券による株価操縦という前代未聞の重い事件の一番の責任者の1人である実力者の國部さんがこの有識者会合に出ているというは適切じゃないと思うんですけれども、特に財務省官房副長官補を通じてこの会合にもかなり関わっていると思うので、國部さんがいるというのは適切ではないんじゃないでしょうか。

答)

1つのお考えだと思ってお聞きしましたが、有識者会議の回し、人選を含めまして、内閣官房の方でこれを決めておりますので、財務省は直接的にそれには関与していないということでありまして、内閣官房のことでありますので、私からコメントすることは控えなければならないと思っています。

問)

もう1点、ひろゆき氏の金融庁の動画の問題ですけれども、この前からお聞きしていることで、まず内容として適切なのかどうか、ほとんどリスクがないということを金融教育として、NISAについて金融教育としてほとんどリスクがないということをあの動画で言っているわけですけれども、この前もお聞きしましたが、それは適切なのかということと、大臣この前の会見で、ひろゆき氏が言っている30億円踏み倒しとか借金を踏み倒そうということは自分の価値観と大きく反するとおっしゃっているわけで、それでも今も動画は流れているわけで、大臣はその価値観を度外視しても動画は流して構わないと。大臣この間、今後の金融庁の広報としてよりよくするということをおっしゃっているので、その点はもう結構ですので、この1点に対して、なぜまだひろゆきさんの動画について公開を続けるのか、大臣の社会的な通念上の価値観というのがそこでないがしろにされていいのか、まさに価値観はその程度のものなのかというのをお聞きしたいと思います。

答)

ひろゆき氏をなぜこの対談の相手として選んだのか、私もその経緯は存じませんでしたので聞いてみましたら、やはり若者に対する一定の彼に対する認知度でありますとか、そういうことがあるからというようなことで選んだということで、別に過去の発言とかその後の発言とか、そういうことに関わりなくということだったと聞いております。
対談した方はたくさんいらっしゃるわけでありまして、そういう方がどういう発言をしたのか、対談に出た後も含めてどういう話をしたのかということ、それについてはその内容を金融庁として、別にそれを認めるとか、支持するとか、そういうことにはならない、これは当然のことであると思います。
先程もうそこは答えなくていいとおっしゃいましたけれども、やはりここはきちっとお答えしなければならないと思いますけれども、やはりこういった金融リテラシー、これが重要だという今の状況でありますので、金融リテラシー等に関する金融庁の広報活動について、今後、NISAの抜本的拡充でありますとか資産所得倍増プランの策定を進める中で抜本的に見直しをして、よりよいものにしていく必要があるというふうに考えてございますので、今回いろいろなご指摘がありますけれども、今回の事例も参考にして国民の皆さんに広く共感されるような効果的な広報の在り方を検討するようにと指示をしたところでございます。
様々なご意見があるということを真摯に受け止めながら、改善すべき点は改善していくことが重要だと、そういうふうに思っております。

問)

ご自身の価値観と異なることは、もういいということなんですか。

答)

それは私が個人的に私の価値観と違うということであるわけでありまして、何か私がひろゆき氏のそういうことにお墨付きを与えるとか、支持するとか、そういうことでは全くありません。

問)

自動車安全特別会計の繰戻しについてお尋ねします。昨年ですけれども、国会の財政金融委員会で秋野公造議員が積立金の取崩しを危惧して大臣にこんな話をしています。この取崩しが少なくともゼロになるような状況までは頑張っていただきたいと改めて大臣にお願いしたいと思いますと。秋野先生は今、財務副大臣なんですけれども、同じことを鈴木大臣が問われたらどんなふうにお答えになりますでしょうか。

答)

一般会計からの自動車安全特別会計への繰戻しでありますが、今の財政事情を考えますと1回で全てお返しするということが無理な状況であります。これは申し訳ないと思っておりますが、そういう中で着実に確実に繰戻しを進めていくこと、誠意を持って進めていくことが大切なんだと、そういうふうに思っております。
そういう考えのもとで、昨年12月の国土交通大臣との大臣間合意によりまして、令和4年度当初予算におきまして一般会計から自動車安全特別会計に54億円、前年度比プラス7億円の繰戻しを行うとともに、さらに加えまして、今般の補正予算におきましても12.5億円を積み増しをしてお戻しする、そういう予定にしているところであります。まだ提出していませんし、国会も通っていませんけれども、そういうふうにする予定でございます。
令和5年度以降の一般会計からの繰戻しについて、大臣間合意では令和4年度の繰戻額の水準を踏まえること、繰戻しを継続的に取り組むことなどとしたところでございまして、財務省といたしましても、この合意に基づきまして被害者保護にかかる事業が安定的・継続的に実施されますように、令和5年度予算編成を含めまして国土交通省と真摯に協議をしながら一般会計からの繰戻しを着実に進めていきたいと、そういうふうに思っているところでございます。

問)

大事なところは積立金の取崩しがゼロになるというポイントだと思いますが、この点についてはどんなふうにお考えでしょうか。賦課金制度が始まって新たな財源は出てきていますけれども、それとは別に財務省の姿勢を教えてください。

答)

さきの国会で成立いたしました自賠責法改正によりまして新たな賦課金が導入されたということは承知をいたしておりますが、一般会計からの繰戻しについては賦課金導入のいかんにかかわらず、大臣間合意に基づいて着実に進めて参りたいと考えます。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る