Englishopen new window

鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和5年3月14日(火曜)9時36分~9時43分)

【冒頭発言】

本日、金融庁提出の2法案につきまして閣議決定をいたしました。
岸田内閣におきましては、貯蓄から投資へのシフトを進め、成長と資産所得の好循環を生み出していくことを重要課題として位置づけておりまして、特に本年は資産所得倍増プラン元年として、実現に向けた環境整備を進めることとしております。
今回の2法案では、そうした環境整備の一環といたしまして、金融機関や企業年金に対する、顧客の最善の利益を勘案しつつ業務を遂行すべき旨、これの義務づけでありますとか、国民の金融リテラシー向上に向けた、金融経済教育推進機構の創設、魅力ある我が国市場の構築に向けた、資本市場の効率化と活性化を図るための所要の措置などを盛り込んでおります。
また、四半期開示につきまして、効率化の観点から取引所規則に基づく開示に一本化するため、法律上の義務を廃止することとしております。
両法案の国会におけます早期のご審議をお願いしたいと考えております。

【質疑応答】

問)

ここ数日で米国のシリコンバレーバンク、シグネチャーバンクが立て続けに経営破綻しました。FRBの利上げで債券の含み損が膨らんだこと、取引先が預金の引き出しに動いたことなどが要因として挙げられていますが、政府としてはこの原因をどう分析し、また金融市場や国内の金融システム、今後の日銀の金融政策などにどのような影響があると認識しておられますか、教えてください。

答)

米国の個別の銀行の経営状況について、詳細を知り得る立場にはないものですから、情報収集に努めているところでありますが、シリコンバレーバンクについては、ご指摘もございましたが、そもそも、資金流出が起きやすい、大口の法人預金が多いという預金構造があったところであり、保有債券の売却損と急激な預金流出が生じる中で資金繰りが行き詰まり、経営破綻に至ったものと、そのように承知をしております。
また、シグネチャーバンクについても、シリコンバレーバンクと同様に、大口の法人預金に偏った預金構造であったところ、シリコンバレーバンクの破綻を契機として、急激な預金の流出に直面したことが指摘されているものと承知をしているところでございます。
その上で、金融市場、金融システムへの影響でありますが、足元の金融市場では、リスク回避的な動きが指摘されておりますが、米国当局は、信用不安を拡大させないための措置を迅速に講じており、また、現在の日本の金融機関は、総じて充実した流動性・資本基盤を維持しておりまして、金融システムは総体として安定していると評価をしております。
このため、現時点では、今回の破綻が、日本の金融システムの安定に重大な影響を及ぼす可能性は低いと考えています。
いずれにいたしましても、金融庁としては、今後の国内外の経済・金融市場の動向でありますとか、それが日本の金融機関に与える影響等について注視をしていく必要があると考えております。
また、日銀の金融政策につきましては、金融市場等の状況を含め様々な要因を考慮しつつ実施されるものと考えておりますが、その具体的な手法は、日銀に委ねられるべきものでありまして、金融政策への影響についてコメントは控えさせていただきたいと思います。

問)

金融教育について質問させていただきます。これまでも金融経済教育については日銀の金融広報中央委員会や民間事業者を中心に取り組まれてきたと思います。今回あえて機構をつくって国を挙げて取り組まれる狙いについて教えてください。

答)

資産所得倍増プランには7つの柱がありますが、その中で金融経済教育の重要性は1つの大きな柱であります。
ご指摘の従来日銀の中にあった組織を中心にやっていたわけでありますけれども、今後、この金融経済教育推進機構の方に移管・承継しまして、いろいろな立場でやっていたものを統合しながら、より充実した金融教育を進めていこうと、そういう趣旨であります。
今回、閣議決定をいたしました法案にも書かれているわけでございますが、我々としては、この金融教育をさらに充実したものにしていきたいと考えています。

問)

今週、韓国の大統領が来日されますけれども、財務省関係で何か議論を期待されている部分ですとか、大臣として進展を期待される部分があればお願いいたします。

答)

先日、外務大臣が記者会見で述べましたとおり、今回の韓国政府の措置、これは日韓関係、最近では最悪な状況という評価もございましたが、それをより健全な関係に戻すために重要であると評価をしているところであります。
そして、ご質問のございました財務省関連の今後の対応につきましては、現時点では決まっておりません。
いずれにせよ、日韓は国際社会における様々な課題への対応に協力していくべき重要な隣国同士でありますので、今回のこの動きを契機として、日韓関係が健全な形で発展していくことを期待しておりますし、その中で、財務トラックにおいても、様々なことが、今後前に進める1つのきっかけになるのではないかと思いますが、現時点では具体的なことが決まっているわけではありません。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る