鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣繰下げ閣議後記者会見の概要
(令和5年3月22日(水曜)8時45分~8時50分)
【冒頭発言】
3月20日、月曜日に、世界銀行の次期総裁候補として米国から推薦された、アジェイ・バンガ氏と面会し、同日、日本はバンガ候補を支持する旨を表明いたしました。
バンガ氏は、途上国での経験が豊富なことに加え、長年にわたって、気候変動や金融包摂等、国際的に重要な開発課題に取り組んでこられました。
また、面会では、バンガ氏が、日本がリードして取り組んできました国際保健、債務問題、質の高いインフラ、防災・災害強靱性強化等の分野について、引き続き積極的に取り組むことにコミットしていることを、確認できました。
こうしたことから、日本はバンガ氏を十分な資質を有する候補者と認め、世界銀行の次期総裁として支持することといたしました。
日本は、今後とも、世銀との協力を深め、途上国支援に貢献してまいります。
【質疑応答】
- 問)
-
祝日前になってしまうんですけれども、経営不安にさらされているスイス大手金融グループのクレディ・スイスを、同じスイスの金融大手UBSが買収することで合意したと発表しました。日本の金融システムの影響について大臣の見解をお願いします。
- 答)
-
3月19日、スイス当局の支援により、UBSによるクレディ・スイスの買収が合意され、またその翌日の20日には、日本銀行を含む主要中央銀行により、米ドルの流動性供給の拡充が公表されたと承知をいたしております。
足元の金融市場でリスク回避的な動きが見られる中、各国当局による、信用不安の影響を拡大させないための迅速な行動を歓迎したいと考えます。
現在、日本の金融機関は、総じて充実した流動性や資本を有しており、金融システムは総体として安定していると評価をしております。
その上で、政府としては、引き続き、様々なリスクがあり得ることを念頭に置き、日本銀行をはじめ各国の金融当局とも連携しつつ、内外の経済・金融市場の動向や、それが金融システムの安定に与える影響等について、強い警戒心を持って注視してまいります。
- 問)
-
物価高対策でお伺いしたいんですけれども、原油価格高騰のピークが過ぎている中で緊急的な対応で予備費を使うということについてのお考えと、あと統一地方選前に、統一地方選を意識した対策という見方もあると思うんですけれども、その点のお考えをお聞かせください。
- 答)
-
先程開催されました物価・賃金・生活総合対策本部におきまして、エネルギーや食料品等の価格上昇から、国民生活と事業活動を守り抜くための物価高克服に向けた追加策が取りまとめられました。
今般の追加策を国民の皆さんに迅速にお届けするため、年度内に、新型コロナ対策と合わせて、2兆円強のコロナ・物価予備費を措置する予定です。
今般の追加策によりまして、物価動向に対して、引き続き、機動的、切れ目なく対応してまいりたいと、このように思っております。
様々な、今後の物価動向につきましては、まだまだ高い水準にあって、国民生活の影響がまだ続いていると、そういう判断のもとでの今回の追加策でございます。切れ目ない対策をしなければいけないということで、統一地方選挙を前にして、それを意識してつくられた追加策とは考えておりません。
- 問)
-
物価の関連を1点、4月以降も実施される施策を今年度の予備費でやるということに対しては批判もあると思うんですが、本来、新年度予算に盛り込むべきなんじゃないかという批判もあると思いますけれどもいかがでしょうか。
- 答)
-
予算編成の段階で、まだ十分な見通しが立たないということもあったと思います。年末に予算編成をするわけでありますから。
そういう中で、物価の動向については、これまでも切れ目なく迅速に実施をするということでやってまいりました。その流れの中で、予備費を使って、切れ目なく機動的に対応するということでございます。
(以上)