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鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣ぶら下がり記者会見の概要

(令和5年5月11日(木曜)14時30分~14時45分)

【冒頭発言】

本日より3日間、日本の議長のもとでの3回目となりますG7財務大臣・中央銀行総裁会議を、新潟で開催させていただきます。今回の会議では、これまでの議論も踏まえまして、具体的な成果を取りまとめて、それを広島のサミットにつなげていきたいと、そのように思っております。
初日の本日でありますが、まずウクライナ情勢を議論いたします。ウクライナ支援では、これまでの財政支援やIMF支援プログラムでの大きな成果を確認しつつ、開発金融機関の連携強化や、それから周辺国支援の議論をいたします。日本の周辺国支援といたしまして、ウクライナの避難民の受け入れ支援や日本企業の投資促進等のため、JBICによります10億ドル規模の資金動員を行うことを表明する予定です。ロシア制裁の迂回対策も議論を進めます。その後、ワーキングディナーでは世界経済やマクロ経済政策を議論します。
また明日、2日目にはSNS、それからインターネットバンキングの発達といった金融分野を取り巻く環境変化、これも踏まえまして、金融システムの更なる強化に向けた議論も行いたいと考えております。
2日目の午後に予定しておりますG7外のパートナー国との対話の場では、新興国・途上国の直面する諸課題にも真摯に耳を傾けてまいります。債務問題への対応、MDBs改革などを通じた脆弱国支援といった分野で、パートナー国との連携を一層強化をして、日本議長下での議論を進めてまいりたいと思っております。
更に、こうした喫緊の課題に加えまして、世界経済の強靱化に向けた具体的な取組等についても議論したいと思います。例えば、サプライチェーンの強靱化については、4月に発表をいたしましたハイレベル政策ガイダンスを具体的行動に移すため、G7が、低・中所得国がクリーンエネルギー関連製品の製造過程でより大きな役割を果たせるよう協力する新たな互恵的パートナーシップの構想を議論いたします。
2日目のランチセミナーにおきましては、ノーベル賞経済学者のスティグリッツ氏をお招きし、多様な価値を踏まえた経済政策のあり方を議論します。デジタル化や気候変動、格差の拡大といった経済・社会の大変容を受けて、所得・富の平等や環境の持続可能性といった多様な価値の重要性が高まっています。経済成長に加えまして、こうした様々な価値にも配慮したより良い経済政策のあり方について、率直な意見交換を行いたいと思っております。
この他にも、気候変動、国際保健、国際課税といった分野でも議論を深めたいと思います。今回の会議で、G7の結束をより一層強固なものにするとともに、世界経済の難局を乗り切るための国際協調を加速させていきたいと思います。
なお、今日は、これから最初のイベントとして、コーポレートガバナンスに関するラウンドテーブルをOECDと日本とで共催します。G20首脳にも承認された唯一のグローバルスタンダードでありますG20/OECDコーポレートガバナンス原則の改訂などを議論しますが、私も登壇をいたします。
最後に、今回の会議では、地元新潟の皆様方から大変にご協力をいただいております。改めて心から感謝を申し上げたいと思います。今回の会議では地元新潟の食材をふんだんに使用した食事でありますとか、花火をはじめとする伝統文化の演出も用意しております。各国の参加者にぜひ新潟の魅力を感じていただきたいと、そのように考えております。

【質疑応答】

問)

世界経済のリスクの中でアメリカで制裁、債務上限、デットシーリングをどうするかという問題で期限が来月とも言われていますけれども、改めまして国債保有、日本が1位なんですけれども、最大の保有国としてどういう議論というか、どういう取組を望むかということをお願いします。

答)
今回のG7でそうした特定のことについての議論というのは、そこまで踏み込まないのではないかと思います。全体的な金融不安というものがありますから、そういうものに対して今までの規制の分野でありますとか、それから様々な分野での教訓ですね、そういったものをしっかりと洗い出して、それを共有するということがまず大事なんだと、そういうふうに思っております。それぞれの国によっていろいろな、今ご指摘の点もあると思いますが、そうした個別具体なことを議論にするというよりも、もっと全体的な話になると思います。
問)

日本としてはどういう解決を望まれるんでしょうか。

答)
それはG7のこの場で多分何か1つの方向性といいますか、結論を日本としてこうしますということは、打ち出すには至らないと思います。
問)

本日のロシア・ウクライナに関してお伺いしたいんですけれども、恐らくロシアへの制裁についても議論されると思うんですけれども、今までG7でも制裁をいかに実効性を高めるか、抜け道をなくしていくかというのが大事かと思いますけれども、どういうふうにそれを議論していきたいと考えるか、お願いいたします。

答)

今回ウクライナの財務大臣にもオンラインで参加をしていただきまして、いろいろな情報をアップデートさせていただきたいと思っております。そうしたウクライナ支援とともに、今ご指摘のロシアに対する制裁ということがあるわけですけれども、この制裁につきましては4月のG7の会合で合意をした点がありまして、それは制裁の効果を注意深く監視をし、必要に応じてさらなる行動をとり、それらの執行を強化していくことが必要であるというのが4月のG7の会合での合意でございます。特にご指摘がありました迂回への対策、これは重要な課題と認識しておりまして、4月26日にG7各国の制裁を担当する省庁による迂回対策のための実施調整メカニズムの財務官級会議を開催いたしました。こうした取組を進めているところであります。今回の会議でもロシアの戦争遂行能力に圧力をかけ続けていく点から必要な対応を議論したいと思っています。

問)

明日講演されるスティグリッツ教授ですけれども、今のタイミングで、このG7という場でお呼びしてお話を聞くというのはどういった狙いというのがあるのか。

答)

かねてよりGDPとか、そういうような数字のみを目的としたようなマクロ経済ではなくて、もっと幅広い様々な価値観とか様々なことにも配慮したようなマクロ経済というのがあるんじゃないかと、そういうことは日本もかねてより主張しておりました。そういう中で今回スティグリッツさんに講演をいただくということで、その流れの中での人選であったと、こういうふうに思います。そしてこの会合にはG7以外の、同志国と言いましょうか、要するに招待をした国々の皆さんにも参加していただいて、とにかく忌憚のない意見交換をさせていただければと、そういうふうに思います。

問)

明日アウトリーチ会合があると思うんですけれども、ここでサプライチェーンの強靱化を議論する意味合いとして経済安全保障的な観点でどのような狙いがあるのか、お伺いします。

答)

今後世界的に需要の大幅な増加が見込まれますクリーンエネルギーの関連製品のサプライチェーンにおきまして、低・中所得国がより大きな役割を果たせるように協力をしたいと、そういうふうに思っております。これは低・中所得国のまさに産業の高度化を通じた持続可能性の発展に貢献をするという、そういう面もございますし、そしてこれらの製品を安定的に供給できるサプライチェーンの構築を通じましてネットゼロに向けた世界的な取組の下支えとなると、そういうふうに両面あるんだと考えております。G7議長として同志国、それから国際機関と連携をいたしまして、こうした新たな互恵的パートナーシップを早期に立ち上げられますように、明確にスケジュールを含めて合意することを目指して議論をしたいと、こういうふうに思っております。

問)

今回イエレン財務長官とのバイ面会も予定されていると思うんですけれども、こちらではどういった内容を議論されるご予定か、教えていただけますか。

答)

まだ中身については調整中ということだと思いますが、日にちは13日に面会をさせていただくということで今進めているところでございます。私としては足元の様々なグローバル課題がございますので、やはり日本とアメリカ、これが連携を深めながら解決をしていくというのが大切なことであると、こう思っておりますので、そういう基本的な部分を踏まえながら面会の機会を最大限活用していきたいと思っています。

問)

金融不安の関連で教訓の洗い出しなどを進めるというお話があったと思うんですけれども、具体的にどういう行動まで踏み込むのか、今回のG7新潟で何かそこを示されるのか、そのあたりもう少し詳しくお伺いしたいです。

答)
それは議論をしてみないと分からないという部分はありますけれども、今般アメリカにおける銀行破綻で明らかになったことの幾つかの1つとして、やはりSNSによりまして信用不安が一気に広がると。それからインターネットバンキング等が発達をして、昔と違って銀行の営業時間以外でも、24時間いつでも引き出されるということで一気に資金流出が起こったと。そういったような金融分野を取り巻く環境が大きく変化していること、これは世界各国、日本も含めて各国が直面する共通の課題であると、そういうふうに認識しています。
そしてG20の傘下にあるFSB(金融安定理事会)などを中心に今般の一連の銀行破綻等から得られた規制監督上の教訓について棚卸しが行われている状況であります。今回のG7の会議ではこうした環境変化でありますとか、FSBの取組も踏まえて、金融システムの更なる強化に向けた議論を行いたいと、こういうふうに考えております。どのような結論になるかは議論次第だということだと思います。
問)

冒頭、大臣からのお話の最後にもあったんですけれども、花火の打ち上げをご予定されているという話もありましたけれども、長岡花火で有名な白菊という花火も打ち上げられるというふうにも聞いているんですけれども、花火打ち上げに込める、この場で打ち上げるという意味、込められた思いなどがあればお伺いしたいんですけれども。

答)

やはり足元でウクライナに対する侵略というものが行われている、そしてそれによって世界経済、日本の国民の家計は大打撃を受けているわけでありまして、まさに今こそ平和の重要性というのが認識をされているんだと思います。お聞きするところによりますと新潟の白菊という花火は、まさに平和の象徴としてあるということを伺っております。今回その白菊も打ち上げさせていただく予定で、まさに新潟の1つの伝統文化であります花火を通じて我々の平和に対する思い、そういうものの一端を示すことができればと思っております。

(以上)

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